あああアマゾンがウォルマートの7割まで迫ってきた!
アメリカでは今日11月26日が、
サンクスギビングデー。
しかし私はまたまた毎日、
数を数えている。
新型コロナウイルス新規感染者。
神奈川県が254人で過去最多。
兵庫県も184人で過去最多。
東京都は481人、大阪府は326人。
累計感染者数は14万人に達した。
それよりも全国の重症者は410人で、
これが過去最多。
高齢者の感染も増えている。
しかし、マスク、手洗い、
フィジカルディスタンシング。
そして早期の発見と早期の対処。
対処療法は進化している。
少しずつ少しずつ、
COVID-19との共生を、
私たちは学んでいる。
さて商人舎流通スーパーニュース。
アマゾンnews|
第3Q売上高37%増・961億ドル/連続最高純利益
アマゾン・コムの2020年度第3四半期。
9月30日までの3カ月の業績。
売上高は961億ドル、
1ドル100円換算で9兆6145億円。
これが前年同期比37.4%増。
営業利益は96.2%増の61億9400万ドル、
純利益は196.7%増の63億3100万ドル。
純利益は前期に続いて過去最高。
ウォルマートの第3四半期は10月末だが、
総収入は1347億ドルで5.2%増。
こちらは、
ウォルマートnews
第3Q総収入1347億ドルの5.2%増/EC79%増
アマゾンは四半期レベルで、
ウォルマートの71.3%まで迫ってきた。
2007年度にアマゾンの年商は、
初めて100億ドル(1兆円)を超えた。
その時点のウォルマートは、
3788億ドル(37兆8799億円)だった。
ウォルマートは年間に8.6%伸びていた。
純利益は127億ドル(1兆2731億円)。
ウォルマートはアマゾンの38倍だった。
ウォルマートの純利益が、
アマゾンの売上高だった。
私は㈱商業界社長を、
2007年8月31日に退任した。
その後、㈱商人舎をつくって、
活動してきたが、この間、
アマゾンがウォルマートを急追し続けた。
そして7割ほどまでに肩を並べてきた。
第3四半期のウォルマートの営業利益は、
58億7800万ドル(5778億円)で22.5%増。
アマゾンはそれを抜いてしまった。
アメリカの新規感染者数は連日、
1日あたり16万人から18万人である。
ジョンズ・ホプキンズ大学調査で、
累計感染者は1277万2653人、
死者数は26万2222人。
世界で一番多い。
ネスティングの傾向も続く。
だからアマゾンのリアル店舗は、
四半期売上高9.6%減の37億8800万ドル。
ホールフーズマーケットが主体だ。
ジェフ・ベゾスCEOのコメント。
「業界をリードする賃金(時給15ドル)と、
優れたヘルスケアを備えた仕事を
提供することは、このような時代に
さらに意味があります」
アマゾンは今年だけで、
40万人以上を新規に雇用した。
「今年はこれまで以上に多くのお客様が
ホリデーギフトを早めに購入しています。
これは今年のホリデーシーズンが
前例のないものになることを示す
兆候の1つにすぎません」
今日のサンクスギビングデー。
そして明日はブラックフライデー。
12月25日のクリスマスまでが、
ホリデーシーズンだ。
今年のホリデーシーズンは、
前例のないものとなる。
アマゾンにとって。
eコマースが爆発する。
アメリカ国民は消費への欲求を、
溜めに溜めている。
それはノンストアリテイリングによって、
発散される。
ウォルマートも、
米国内のeコマース売上高は79%増で、
この伸び率はアマゾンを上回っている。
ダグ・マクミロンCEOのコメント。
「この困難な局面において、
私たちのアソシエーツは、
感銘深い仕事をしてくれています。
そんな彼らを非常に誇りに思います。
お客さまの新しい買物行動は
今後も続くものと考えています」
日本の年末年始も、
前例のないものとなるか。
それを願いたい。
最後に朝日新聞「折々のことば」
第2005回。
今持つべき目的は、
何か素晴らしいことを
しようというのではなく
酷(ひど)すぎる状態に
なってしまうのを
避けることです。
(エマニュエル・トッド『大分断』から)
エマニュエル・トッドは、
フランスの歴史人口学者。
1951年生まれの現代最高の予言者(?)。
人口動態を軸に歴史をとらえる。
ソ連崩壊もイギリスのEU離脱も、
米国トランプ政権誕生も、
トッドは予言している。
「民主主義は対立する複数の意見を
許容するものである以上、危機に際しても
“完璧な解決策を期待してはいけない”」
それを乗り越えようとしても、
「政治的な無秩序の度合いが変わる」だけ。
「何かに救いを求めるのでなく、
もたつきながらも
“泥の中を通り抜ける”ことが肝要だ」
民主主義や政治の問題だけではない。
COVID-19に対しても、
「酷すぎる状態になってしまうのを
避けること」だと思う。
〈結城義晴〉