ファミリーマート社長交代と「資本の論理・人間の論理」
緊急事態宣言。
1都3県に7府県が加えられた。
大阪府、兵庫県、京都府、
愛知県、岐阜県、栃木県、
そして福岡県。
菅義偉首相は、
福岡県を静岡県と言い間違えたらしいが。
しかしこれで合わせて11都府県。
期間は2月7日まで。
勝負事は小出しにするのが、
一番いけない。
絶対に勝てない。
COVID-19との関係も、
人間が総力で取り組む勝負だ。
そしてその勝負の分かれ目は、
こちら側にある。
つまり人間の総力にかかっている。
そこに居住する人たちすべての力が必要だ。
だからリーダーにはすべての人が、
一つになるような一挙手一投足が求められる。
菅義偉首相。
今日午後7時からの記者会見でも、
目が泳いでいた。
記者の質問を聞こうとはしていない。
手元のメモのどこを読もうかと、
そればかり気にしている。
だからちぐはぐなやり取りとなった。
尾身茂コロナ対策分科会会長が、
それを取り繕って、
どっちが一国のリーダーかわからない。
まことに残念だ。
しかしそれでも一応、
政府や自治体の政策に従って、
そこに自分の意志をもって、
私たちは粛々とコロナと向き合おう。
さて小売流通業界でも、
今日はニュースがてんこ盛り。
商人舎流通スーパーニュース。
ファミマNews|
3/1付で社長交代/細見研介伊藤忠執行役員が就任
日経新聞がスクープして、
ファミリーマートと伊藤忠が、
遅れてリリースした。
その経緯は容易に想像がつく。
新任社長の細見研介さん、
私は知らない。
日経新聞によると細見さんは、
「伊藤忠のDX改革を担うエース」で、
伊藤忠によるファミマの子会社化を推進。
TOB(株式公開買い付け)で約5800億円を投じて、
完全子会社とした。
そしてファミマは上場が廃止された。
細見さんは、
伊藤忠の岡藤正広CEOの「秘蔵っ子」らしい。
繊維カンパニー出身で「糸偏」の人、
そしてブランドマーケティングが専門。
マーケティング本部を新設したり、
システム本部の構造改革をしたり、
社長直轄で「CRO」を新設したり。
CROは「Chief Risk Officer」で、
多分、リスクマネジメントを専門に担当する。
一方の澤田貴司社長は、
代表取締役副会長に就任予定。
澤田さんも元々は新卒で伊藤忠入社。
その後、㈱ファーストリテーリング副社長、
コンサルタントなど経験した後、
2016年9月1日に、
ファミリーマート社長に就任。
㈱ユニーとの経営統合で役割を果たした。
さて、ファミマに残るのか。
セゾングループ総帥だった故堤清二さん。
ファミリーマートも考えてみれば、
堤さんの創業だ。
その著『変革の透視図』は1979年発刊。
堤さんは書いている。
「流通産業の本質は、
“資本の論理”と“人間の論理”の境界に
位置しているというところにある」
「したがって
ここまでは工業化するべきであり、
ここからは工業化してはならない、
といった2つの性格をもった産業」である。
コンビニ産業は今でも、
資本の論理と人間の論理の境界にある。
ここまではDXすべきであり、
ここからは工業化してはならない、がある。
さて、どうするか。
細見研介新社長、
お手並み拝見だ。
今日はさらに、
コングロマーチャント2社の第3四半期決算。
イオンnews|
第3Qまでの営業収益0.1%増/第3Qは営業利益も過去最高
営業収益は6兆3925億円で前年比0.1%増、
営業利益は681億円で33.9%減、
経常利益も590億円で36.8%減。
四半期純損失は626億円で、
これは前年よりも562億円の減。
しかしこの第3四半期連結期間だけ見れば、
営業収益は過去最高で、
営業利益も過去最高を更新した。
第3四半期連結期間は、
スーパーマーケット事業と。
ディベロッパー事業と、
サービス・専門店事業の業績も改善。
一方、
セブン&アイnews|
第3Q営業収益14.0%減/経常12.3%減/コンビニ5.3%減
セブン&アイは、
営業収益4兆2768億円で14.0%減、
営業利益2856億円で10.5%減、
経常利益2763億円で12.3%減、
純利益1310億円で22.9%減。
減収減益。
それでも営業利益率は6.7%、
経常利益率は6.5%。
この高収益は全部、
セブン-イレブンのおかげだ。
日米のセブン‐イレブン。
その加盟店を含めた総売上高は、
8兆2662億円となるが、
前年比は8.3%減。
国内のセブン‐イレブン・ジャパンは、
営業収益5.3%減、営業利益8.3%減。
つまり減収減益。
暗雲とは言わないが、不安が残る。
セブン-イレブンももちろん、
資本の論理と人間の論理の、
その境目に立っている。
〈結城義晴〉