イオンリテール「店長塾」で店長のマーケティングを講義
まさに春風踏脚。
「しゅんぷうとうきゃく」。
「三寒四温」と同義。
今日の横浜はひどく寒かった。
それでも二十四節気で、
今日は「雨水」(うすい)。
空から降るものが雪から雨に変わり、
雪が溶け始めるころ。
揉めていた東京五輪組織委員会会長が、
橋本聖子オリンピック担当大臣に決まった。
会長が変わっただけで、
状況は何一つ変わっていない。
ワクチン接種が始まったとはいえ、
五輪が開催できるかどうかさえ、
まだまだ予断を許さない。
しかし、
トップの交代自体をパワーにして、
状況を変えねばならない。
橋本聖子さんには、
それが責務として課された。
自身、オリンピックに7回出場している。
その中での最高成績は、
1992年冬季アルベールビル大会の、
女子スピードスケート1500mの銅メダル。
これは日本女子初の冬季五輪メダルだった。
今度は五輪組織委員会会長として、
銀メダルか金メダルを目指してほしいところだ。
率直に応援したい。
今日は横浜の神奈川区富家町。
イオンスタイル東神奈川。
1978年9月20日に、
ニチイ東神奈川ショッピングデパートとして開業。
私が㈱商業界に入社した翌年だった。
その後、東神奈川サティと変わり、
㈱マイカルが2011年3月1日に、
イオンに吸収合併され、
この店もイオン東神奈川店と変わり、
さらに2017年7月7日に、
イオンスタイル東神奈川となった。
最初のオープンのころは、
マイカルの前身の㈱ニチイが、
相次いで横浜進出を果たしていた。
まず1977年11月30日に、
ニチイ天王町店ショッピングデパートがオープン。
この店は1992年に天王町サティに増床転換し、
さらにイオン天王町店と変わったあと、
昨年2月9日に閉鎖された。
1978年10月6日には、
横浜駅西口に、
ニチイ横浜ショッピングデパート開業。
私はオープン前から取材に入って、
「販売革新」誌に記事を書いた。
地下1階に靴のショップが7店入った、
変則的な総合スーパーだった。
この店は横浜ビブレと変わり、
現在も営業している。
今日はその二番目の東神奈川。
私の現在の自宅は、
ここから車で5分の、
妙蓮寺にある。
横浜商人舎オフィスに出社するときには、
必ずこの東神奈川を車で抜ける。
だからイオンスタイル東神奈川には、
たまに買物にやってくる。
その5階にイオンリテール㈱の、
南関東カンパニー本部がある。
その会議室で、
第2回店長塾。
私はその特別講師。
会議室横のテーブルには、
月刊商人舎のバックナンバーや、
私の単行本を並べてくれた。
今日は会場参加の店長塾の塾生のほかに、
南関東カンパニーの店長や、
商品統括部、営業推進部、
そして人事総務部などから、
オンライン受講者が多数参加。
そのために、
イオンコンパス㈱のオンラインスタッフが陣取る。
朝9時45分から、
塾長の工藤一実さんが、
冒頭のあいさつ。
10時を過ぎてから、
教育担当部長の越川泰江さんが、
講師紹介をしてくれて、
早速、結城義晴の講義。
テーマは、
「店長のためのマーケティング」
90分講義して、30分の質疑応答。
けれど10分ほど早く始まったので、
100分ほど講義した。
冒頭はこの1年のコロナ禍と、
大きな断絶となった「キャズム」の話。
その時の考え方や心構え。
本論に入って、
マーケティングの講義の冒頭で、
フィリップ・コトラーの著書を紹介。
もちろん「マーケティングマネジメント」
立教大学大学院特任教授の時代。
5年間にゼミ生30名を指導し、
全員が修士(マスター)となった。
博士(ドクター)も一人輩出した。
大学の准教授も二人誕生し、
やがて彼らは教授となる。
その時代に私は二つの講義を受け持った。
前期はフード&ビバレッジ・マーケティング、
そして後期はサービスマーケティング。
前期がいわば「モノ」のマーケティングで、
後期が「コト」のマーケティング。
それぞれ2単元ずつ15回の講義。
45時間に及ぶカリキュラムが2回で、
1年間に90時間。
それを今日は100分に縮めて、
エッセンスを語る。
経営におけるマーケティングの位置づけ。
マーケティングコンセプトの発展段階、
マーケティングの体系、
マーケティングリサーチ、
STPマーケティング、
そしてマーケティングミックスと、
ビッグデータマーケティング。
さらに、
マーケティング1.0⇒2.0⇒3.0⇒4.0、
競争のマーケティング。
SWOT分析とPPM分析。
最後はサービスマーケティング。
イオンの経営に対する、
私なりの問題意識をベースに、
一気呵成に語りきった。
講義が終わると、
越川さんが司会となって、
質疑応答。
最初の質問は、
会場参加の店長塾生。
イオン西新井店の安蒜一裕店長。
イオン独特のGGコンセプトの店で、
いかにポジショニングを広げるかという質問。
オーバーポジショニングもだめだし、
アンダーポジショニングもいけない。
いかにイクスパンディングするか。
その考え方を話した。
次にオンライン参加の店長。
イオンスタイル碑文谷の町野弘幸さん。
リニューアルオープンの時に、
月刊商人舎の取材に応じてくれた。
その前にアメリカ研修にも参加してくれた。
町野さんの質問は、
SWOT分析の応用の仕方について。
Good Question!
最後は旧い店が商圏を広げる、
その考え方に関する質問。
イオン駒岡店の山田和人店長。
私はこの駒岡店もよく知っているが、
その方策について簡単にレクチャーした。
良い質問ばかりだったが、
私の解答をベースに、
よく考えてほしい。
現状を観察(Monitoring)し、
考察(Thinking)し、
Planをつくり、Doし、
Checkし、さらにActする。
そう、PDCAを回す。
そしてPlanとDoをすれば、
すぐに結果が出るから、
すぐにCheckし、再度、Actする。
恐れることはない。
どんどんPDCAを回す。
セブン&アイはこれを、
「仮説と検証」と言ってきた。
イオンはPDCAがいいだろう。
あっという間に終わって、
最後に三人で写真。
工藤一実塾長と越川泰江さん。
ありがとうございました。
最後にフィリップ・コトラーの言葉。
「マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる」
その通り。
知識商人もイオンピープルも、
一生をかけて、
マーケティングを使いこなさねばならない。
〈結城義晴〉