学習院マネジメントスクール最後の講義の「成長と膨張」
菅義偉首相が、
夜の9時から記者会見。
1都3県の緊急事態宣言を、
3月21日(日)まで延期すると発表。
従来の対策が継続される。
第1に飲食店の営業時間を午後8時までに短縮、
第2に日中を含め不要不急の外出自粛、
第3にテレワークによる出勤7割削減、
第4に大規模なイベントは上限5000人とし、
会場の収容率は50%までに制限。
時短要請に応じた事業者には、
1日最大6万円の協力金が支払われる。
東京都、神奈川県、
埼玉県、千葉県。
1月7日に宣言が発令されたから、
10週間と4日、2カ月半となる。
新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が、
今後の見方を示した。
「コロナの年内収束は見込めない」
リスクマネジメントの鉄則。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
COVID-19に関しては、
年内、それが続く。
今日は月刊商人舎3月号の責了の日。
午前中は家で最後の原稿を書いて送り、
昼すぎに商人舎オフィスに出社。
ゲラを読み、責了する。
午後3時半ごろから、
オフィスで準備。
鈴木綾子さんが、
いろいろと面倒を見てくれる。
午後4時からZOOMで講演会。
2020DSCM基礎コース最終講義。
そして第16回桜実会講演会。
現在は旺文社マネジメントスクール。
もともとは2001年に、
故田島義博学習院大学院長によって、
学習院マネジメントスクールとして、
設立されたビジネススクールだ。
この2年間は、旺文社の、
日本生涯学習総合研究所が主催している。
しかし今年度でこの伝統のスクールも、
終了することになった。
今日はその一番最後の記念講演。
結城義晴が指名され、
オンラインで講義することになった。
司会はいつもの通り、
事務局長の林純子さん。
開会のあいさつは、道明文夫さん。
旺文社マネジメントスクール代表、
一般財団法人生涯学習総合研究所代表理事。
それから湯沢威先生。
学習院大学名誉教授で、
このスクールの顧問。
このスクールの歴史を語り、
講師の紹介をしてくださった。
月刊商人舎2020年3月号で対談した。
対談テーマは、
「Globalismの先にHumanismがある!」
最後の記念講演のテーマは、
「小売流通業の未来」
サブタイトルは、
ポスト・コロナとポスト・モダン
前半は田島義博先生の教えを復習した。
「成長と膨張」は、
1977年発刊の本だ。
「会社が大きくなる。
そこには二通りの道がある。
一つは成長であり、
もう一つが膨張である」
「技術が革新され、
マネジメントの質が高まる。
人々の強みが生かされる。
その結果、会社が大きくなる。
それが成長である」
「一方、革新はないけれど、
ヒト・モノ・カネをつぎ込んで、
小売業の場合、店数だけ増やす。
人々は疲弊する。
すると会社が大きくなるほどに、
経営は難しくなる。
これは膨張である」
田島先生は若いころ、
日本能率協会に入社し、
「マネジメント」誌の編集長だった。
その時に林周二著『流通革命』を編集した。
あの歴史的名著の、いわば影の執筆者だ。
それから学習院大学の教員となり、
教授となり、院長となった。
私の講義はだから、
自然な流れとして、
「流通革命」を論じることとなった。
それから流通3.0、チェーンストア3.0。
さらにマーケティング4.0から、
ビッグデータマーケティング、
さらにデータドリブン経営と、
デジタルトランスフォーメーション。
これは商業のポスト・モダンの一端を意味する。
今日も90分間、
田島義博先生が聞いていると、
考えながら語りきった。
どうも田島先生や林周二先生に、
寄せる思いが強くて、
若い人には昔話のような印象を、
与えたかもしれない。
しかし小売流通業の未来は、
とくにチェーンストアの未来は、
「流通革命」の軛を絶たねば訪れない。
私はそう信じている。
ご清聴を感謝したい。
「成長と膨張」――
規模が大きくなっていくことは、
ゴーイングコンサーンにとって、
むしろ当たり前のことだ。
しかし規模が大きくなることの中身が、
成長なのか、膨張なのか。
最も気をつけねばならないのは、
この点である。
田島義博先生に感謝したい。
〈結城義晴〉