日米中の「絆と軛」と「ジョー・ヨシ」の”Just call me Yoshi!”
これ以上ないというほどのいい天気。
もう「初夏」かと思わされるほどの空。
毎年この時期は、
アメリカやヨーロッパにいて、
この日本のすばらしさを味わえなかった。
この2年間、逆の意味で、
幸せだと思う。
野花の群生。
セイヨウノダイコンか。
こちらは黄色の群生。
野花はたくましい。
紫色の群生。
これもセイヨウノダイコンか。
ツツジは満開。
春の花が咲き乱れる。
いい季節。
久しぶりのゆっくりした日曜日。
しかし大阪府では、
COVID-19感染確認は1220人。
日曜日なのに過去最多。
東京都は新規陽性者543人。
兵庫県が406人、
神奈川県が220人。
変異型の急速拡大である。
神奈川・埼玉・千葉・愛知の4県に、
なぜか明日の火曜日から、
まん延防止等重点措置適用。
早いほうがいいのに。
菅義偉首相の帰国を待っていたからか。
その菅首相は4月16日(金)に、
政府専用機で渡米。
首都ワシントンDCに入って、
大統領迎賓館ブレアハウス宿泊。
17日は、
キャロライン・ケネディ元駐日大使と朝食会。
アーリントン国立墓地で無名戦士の墓に献花。
さらにホワイトハウスで、
カマラ・ハリス米副大統領が表敬。
午後にはホワイトハウスで、
ジョー・バイデン大統領と首脳会談。
〈首相官邸ホームページより〉
そして18日の日曜日、帰国。
中日新聞巻頭コラム「中日春秋」
「”半”という漢字の成り立ちには、
ウシが関係しているそうだ」
「なるほど、二本の角がある”半”の方が
“牛”よりウシっぽい」
半に糸編をつけると「絆」になる。
「きずな」と読む。
「絆と聞けば人と人とが手を組み、
助け合うという前向きな印象を抱くが、
元はウシなどの家畜を木に
縛り付けておく綱だったらしい」
一方、「軛」(くびき)は、
牛などの鼻面につける横木だ。
コラムは「”絆”はさらに深まったか」と問う。
菅首相とバイデン大統領による、
初の日米首脳会談。
インド太平洋地域の平和と安定のために、
同盟関係を一層強固にする。
この考えで両首脳は合意。
「念頭にあるのは無論、
海洋進出を強める中国である」
「日米の絆によって、
中国に対抗していく狙い」。
「中国の嫌がる台湾問題が
日米首脳間の共同文書に書き込まれるのは
1969年の佐藤栄作・ニクソン会談以来」
コラム。
「問題は日米の絆で静かにさせようとする
中国というウシだろう」
「おとなしくなるとは思えず、
日米のくびきに身をよじり、
さらなる動きを強めないかが心配である」
「日米の”絆”が縛ろうとするのは
中国ばかりではない」
「日本も”絆”で米国という牧場に
つながれたのではないか」
中日新聞はいつも政府に対して皮肉屋だ。
「大統領が首相を”ヨシ”と呼んでいたが、
皮肉屋の耳には、”ウシ”と
聞こえてしかたがないのである」
私も外国では「ヨシ」と呼ばれる。
フランスのシアル・ドール審査委員会では、
いつも自己紹介の最後に、
“Just call me Yoshi!”とお願いした。
だから「Yoshi! Yoshi!」と、
あちこちで声をかけられた。
私の後任となった山本恭広君は、
186センチの大男で、
外見は私とは似ても似つかないが、
シアルではみんなから、
「Yoshi」と呼ばれたそうだ。
「日本代表はYoshi」という印象が、
強く出来上がっていたからだ。
Yoshi Sugaも、
そう呼ばれるといいだろう。
「Ushi」はどうも、いけない。
そして日米関係、日中関係に、
絆だとか、軛だとか、
そんな言葉を持ち出すこと自体、
あまりいい精神状態ではない。
支配・被支配の発想は、
三千年紀では健全ではない。
私自身は「Yoshi」と呼ばれて、
「シアルドール世界一」を獲得した。
愛称は強みになる。
それが広がることはパワーになる。
ジョーとヨシも、
ロン・ヤスくらいにまで、
発展してほしいものだ。
国と国との絆や軛ではなく、
真の意味で「世界の平和と安定」のために。
白、赤、黄、紫の野花が、
それぞれに群生するように。
〈結城義晴〉