結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年04月20日(火曜日)

「パンデミックと環境破壊」のパラドックスと「トレード・オン」

新型コロナウィルス新規感染者。
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大阪府は1153人、東京都は711人。
兵庫県427人、埼玉県207人、愛知県190人。
神奈川県157人、福岡県151人、
京都府120人、そして千葉県106人。

9都府県合計で、
全国の感染者4343人の74.2%。

大都市圏に対して徹底的に、
感染防止対策を施さねばならないと思う。

それも厳密に、詳細に、継続して。
つまり徹底である。

日経新聞電子版。
経営者ブログの鈴木幸一さん。
インターネットの草分け㈱IIJ会長。
タイトルは、
「パンデミックと環境破壊」
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「ロンドンの夜空に
星が輝くようになった。
ロサンゼルスの高層ビルの間から、
遠くに雪をかぶった山が見える」

さらに、
「ヒマラヤの山々の景観が
まったく異なった光に包まれるようになった」

「言うまでもなく、
新型コロナウイルスという
パンデミックによって、
経済・産業活動が厳しく規制され、
収縮した結果、大気汚染や温暖化など、
厳しい状況に追いやられている地球環境が、
一気に改善している状況が、
たびたびニュースになっている」

皮肉なパラドックス。

「このままの状態が続くとすれば、
東京の夜にも、
長いこと忘れていた闇が訪れ、
星々が夜空いっぱいに
煌(きら)めくようになるほど、
パンデミックによって
産業や経済が破綻してしまう」

「地球環境の破壊が進んでいる一方で、
新型コロナウイルスによって、
産業・経済活動が収縮すると、
一気に環境が改善する面もある」

「誰もが知っていることだが、
改めて具体的な変化を、
事実の映像として明確に見せられると、
改めて考えこまされる」

同感だ。

産業と経済が急速に発展すると、
地球環境の破壊が進む。

逆に産業と経済が収縮すると、
地球環境が改善される。

私の最初の著書「Message」
サブタイトルは、
「店に元気を、仕事に勇気を」

1990年代から2000年のはじめにかけて、
「食品商業」や「販売革新」の巻頭に、
毎月、書き綴った文章をまとめた本だ。
いわば20世紀に考えていたこと。
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あちらを立てて、
こちらも立てる

あちらを立てれば、こちらが立たず。
こちらを立てれば、あちらが立たず。

ならば、あちらを捨てましょう。
あるいは、こちらを切りましょう。

それが二〇世紀だった。

いわば「トレードオフ」、
すなわち「二律背反」に象徴された時代。

もちろん商品開発における「トレードオフ」は、
強力な手段であることに変わりはない。

しかし、この時代をとらえて、
「全体最適」を実現させるには、
「トレードオフ」では問題解決にならない。

二律背反の事象が、
溶け合う糸口のポイントを見つけていく。

正反対の主義主張に、
優先順位をつけながら一本にまとめていく。

対立する考え方に
「最適化」の網をかぶせていく。
実現不可能に見える問題を、
実現可能に変えていく。

環境問題も、安全安心問題も。
少子高齢化問題も、健康問題も。

あちらを立てて、こちらも立てる。
こちらを立てて、あちらも立てる。

二一世紀の百年間に私たちは、
丹念に至難の仕事に挑まねばならない。
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こう言い切っておいて、
本では解説を加えています。

――こう問題提起をしたものの、
ここには問題解決の、
それこそ糸口も表現されていません。

そこで、少しだけ、
問題解決の考え方を示しておきましょう。

一言で言えば、
「小さく、狭く、濃く、深く」
思考し、行動すること。

すなわち「小さく、狭く、濃く、深く」
計画し、実行し、検証し、再実行すること。

たとえば、
①小さな単位にする
②小さな単位で観察する
③小さな部分の問題点が見えてくる
④小さな部分の解決点が見えてくる
⑤次の小さな単位を設定し、観察し、
問題点、解決点探しをする
⑥少しずつ構造・構成が見えてくる
⑦全体の問題点が見えてくる
⑧全体の解決点が見えてくる
⑨最小単位の細胞ごとに、
商売する、経営する

こんな具合です。
どうでしょうか――。
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新著『コロナは時間を早める』でも、
同じ問題をCOVID-19に関して取り上げた。
こちらは21世紀に入ってからの考察であるし、
「三千年紀」の視野をもっている。
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そしてこれを私は今回、
「トレード・オフ」に対して、
「トレード・オン」と呼んだ。

このトレード・オンの解決策は、
「小さく、狭く、濃く、深く」である。
その徹底である。

「こまかく、きびしく、しつこく」
変わりはない。

たどっていくとこれは、
17世紀のルネ・デカルトに至る。
「方法序説」である。

そしてサム・ウォルトンでもある。
“Retail is Detail.”
「小売りの神は細部に宿る」
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ここからしか、
「あちらを立ててこちらも立てる」は、
可能にはならない。

今日も、明日も、明後日も。
そうして、仕事しよう。

〈結城義晴〉

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 「キャズム」の淵の知識商人へ
著者:結城義晴
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発行年月日 2021年4月17日
定価 1,980円(本体価格1,800円+税)
ISBN978-4-9910649-1-3
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予めご了承ください。


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