リスクマネジメントの本質と「FORTUNE500」の3つの中核産業
今日も商人舎オフィス。
スタッフはテレワークや随時休業。
私は連日出社して、
原稿執筆と月刊商人舎6月号の入稿。
ランチで横浜市西区北幸の街に出ると、
あちこちに彫刻が設置されている。
彫刻通りとも呼ばれる。
横浜駅西口の天理ビルを背景にして、
銀の球が二つ。
タテ280cm、ヨコ260cm、奥行き150cm。
高橋秀(しゅう)倉敷芸術科学大学名誉教授作、
ステンレス製の造形作品「上昇」。
1992年の制作。
そばの手すりには雀の彫刻。
世界も国家も、
産業も企業も個人も、
COVID-19禍から抜け出して、
「上昇」の気流に乗りたい。
リスクマネジメントを一言で表現すると、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
最良だと思える策でも、
危険度が高ければ退けて、
リスクが少ない次善の策を選択する。
そしてそれに最善を尽くす。
最悪を覚悟するけれど、
危険を察知したならば、
潔くそれを取り下げて、
第二、第三の策に全力を尽くす。
リスクを伴う最良の策だけを、
選び続ける態度は絶対に、
避けなければならない。
実際に日々、
売場をつくって商売をしたり、
雑誌を作ったりして仕事をしていると、
よくわかることだ。
最良の作戦と思われても、
リスクが大きいときには、
次善の策を用意しておく。
ゴルフなどに当てはめると、
私にはすぐにわかる。
野球もサッカーも、
どんなスポーツでも、
ある程度、技術や戦術を習得すれば、
最悪を覚悟して最善を尽くすことは、
よくわかる。
しかし首相となって、
新型コロナウイルス対策と、
経済の活性化や五輪の開催などとを、
天秤にかける段になると、
突然、見えなくなって、
コロナリスクが大きなことは、
瞭然としているのに、
あくまで頑固に最良の策を言い続け、
実行しようとする。
コロナ対策と命への対策こそ、
最善の経済対策である。
それが見えなくなってくる。
さて商人舎流通スーパーニュース。
ランキングnews|
2021年版Fortune500/ウォルマート首位、アマゾン猛追
2021年版の「Fortune500」が発表された。
べての産業を網羅した米国内企業ランキング。
COVID-19禍「キャズム」期のランキング。
劇的な順位変動。
大きく伸びたのがデジタルやIT関連企業。
在宅ワーク関連のサービスやeコマース、
電子マネーサービスを提供する企業。
もちろん小売業は大躍進した。
一方で、大苦戦したのが、
旅行や交通関連の企業。
航空業界は2020年度の損失総額が310億ドル。
ホテル業界でも主要企業が500社から落ちた。
そのベスト10企業。
1位 Walmart
2位 Amazon
3位 Apple
4位 CVS Health
5位 UnitedHealth Group
6位 Berkshire Hathaway
7位 McKesson
8位 AmerisourceBergen
9位 Alphabet
10位 Exxon Mobil
米国第1位企業は、
ウォルマート。
これはすなわち世界最大企業でもある。
9年連続トップ企業となった。
売上高は5590億ドル、
1ドル100円換算で55兆9000億円。
約7%の伸長。
EC売上げは79%増加。
2位に入ったのが、
2年連続でアマゾン。
売上高は3860億ドル(38兆6000億円)で、
38%の増加。
この勢いならば2年で、
ウォルマートを抜いてしまう。
オンライン販売とオンラインサービスは絶好調。
3位はアップル。
スティーブ・ジョブズが創業したIT巨人。
昨年の4位から1つランクアップ。
売上高2750億ドル(27兆5000億円)。
純利益は3年連続で500億ドルを超えた。
最も利益の多き企業だ。
そして4位はCVSヘルス。
もちろん全米第1のドラッグストア。
こちらも昨年の5位から1ランクアップ。
新型コロナワクチン接種と、
公衆衛生の最前線に存在する。
5位はユナイテッドヘルス。
ヘルスケアや医療保険を提供する企業。
6位はバークシャー・ハサウェイ。
ウォーレン・バフェット率いる投資会社。
7位マッケソン、
8位アメリソースバーゲン。
両者ともに医薬品卸企業。
9位のアルファベットは、
グーグルの運営会社。
そして10位が、
石油会社のエクソン・モービル。
ベスト10上位に小売業。
ウォルマート、アマゾン、CVSヘルス。
IT巨人のGAFAから3社。
アマゾン、アップル、グーグル。
そして医薬品・医療関係が4社。
CVSヘルス、ユナイテッドヘルス、
マッケソン、アメリソースバーゲン。
アメリカの中核産業には今、
3つの本流がある。
⑴小売業
⑵健康産業
⑶IT産業
⑴の小売業は以下、
14位 Costco Wholesale
17位 Walgreens Boots Alliance
20位 Kroger
27位 Home Depot
39位 Target
42位 Lowe’s
52位 Albertsons
74位 Best Buy
85位 TJX
91位 Publix Super Markets
小売業と健康産業は、
ITの巨人たちに負けていない。
小売業兼IT産業は、
ウォルマートとアマゾンである。
ん~、こんな記事を書いていると、
アメリカに行きたくなる。
この秋か。
来年早々には絶対に行ける。
そう信じている。
〈結城義晴〉