二度目のワクチン接種と[命に近い産業から]
梅雨にはなぜか、
紫色の花が映える。
ラベンダー。
アガパンサス。
雨の中を東京・大手町へ。
合同庁舎3号館。
自衛隊東京大規模接種センター。
テントのところが入口。
もう二度目なので慣れたものだ。
これで終わりだろうけれど。
最初に検温。
そしてこのカードを渡される。
35.8度。
それから受付。
そのあとは二度、
二人の係官から質問と問診。
どちらでも「二度目ですね」と、
念押しをされる。
「血液をサラサラにする薬、
飲んでますか?」
これも二度聞かれた。
「いいえ」
それから私の質問。
「それを飲んでいたら、
接種できないんですか?」
「そんなことはありませんが」
グループごとに庁舎の4階に上がって、
館内をグルグル回って、着席。
私はふたたび黄色です。
それからまた歩かされて、
最後に接種。
注射してくれる若い女性に聞いた。
「一生に一度なので、
写真撮ってもいいですか?」
「そうですねぇ」
撮れそうだったが、
後ろにいた年取った看護師の女性。
「だめですよ!」
「一回目のとき、撮ったんですか?」
「いいえ、撮ってません。
だから一生に一度のお願いをした」
で、結局、撮れず仕舞い。
残念。
若い女性が最後に言った。
「外に出て撮ってくださいね」
細い細い注射針で、
肩の肉の内側ににスーッと入っていく。
全然、痛くない。
私は毎月、この近くの病院で、
血液検査をしている。
静脈からアンプル3本分の血液を採る。
それのほうが断然、痛い。
30分ほどで終わって、
庁舎の外に出てきた。
二度目を打つと、ちょっとほっとする。
ありがとう。
まるい絆創膏が貼ってある。
それでも抗体ができるまで、
まだ2週間かかる。
その抗体ができても、
感染しないわけではない。
しかしワクチン接種の効用は4つある。
⑴感染しにくい
⑵重症化しにくい
⑶感染させにくい
⑷多くの人が抗体をもったら、
集団免疫状態が出来上がる。
そしてワクチンを打たない人も、
感性しにくくなる。
良いことばかりだ。
若い人たちも怖がらずに、
どんどんワクチン接種しましょう。
そしてワクチンを開発した人、
つくってくれた人、
運んでくれた人、
接種会場で面倒見てくれた人。
注射してくれた女性と、
付き添いの女性にも、
感謝しましょう。
「接種済証」をもらった。
ありがとうございました。
昨日、㈱ロピアの高木勇輔社長と話した。
ロピアは職域接種に早々と取り組んだ。
川崎の本部にやってくれば、
従業員とその家族は全員が接種できる。
7月5日から始まっている。
総勢2万4000人を超える。
しかしロピアは若い社員が多い。
まだ3000人しか予約をしていない。
もったいない。
スーパーマーケットは、
エッセンシャルワーキング・ビジネスだ。
こういう業態からどんどん、
職域ワクチン接種をするのがいい。
総合スーパーも百貨店も、
コンビニもドラッグストアも、
ホームセンターも、
専門店チェーンも。
どんどんワクチン接種を、
職域でやりましょう。
経営陣はその努力をしましょう。
それによって、
全国の「お店」の信頼を上げましょう。
昨年5月18日のこのブログ。
ハーバード大学提言の「命も経済も」
この段階ではPCR検査を問題にしていた。
ハーバード大学倫理センターの主張。
「パンデミックに強い社会への道」
現在はワクチン接種だが、
社会基盤を担う職場から順に、
正常に近づけていく発想。
その職場の第1フェーズは、
エッセンシャル・ワーカー。
医療従事者や、
スーパーマーケットの店員、
電気・水道などライフラインを担う人、
警察官・消防署員など。
日本でも医療従事者は一番先に接種したが、
それ以外は放置された。
第2フェーズは、
日用品の生産や食堂、公共交通など
日常生活に必要な機能を提供する人々。
その後、第3フェーズは、
美容院など遠隔では難しいサービス。
最後に第4フェーズが、
オフィスワーカー。
第1から第4へと徐々に拡大しつつ、
産業の機能を充実させていく。
これをワクチン接種でもやるべきだった。
しかし医療関係者の次が高齢者、
そして大学や大企業の職域となった。
まったくの手順前後。
高齢者まではいいだろうが、
その次はエッセンシャルワーカーだ。
私の結論。
日常生活に必要な産業から、
順番に経済活動を活発にしていく。
金が儲かる産業から順に、
投資活動が進んだ時代とは違ってくる。
これが「命も経済も」の二兎戦略の本質だ。
私の言葉で言えば、
「トレード・オン」である。
すなわち[命に近い産業から]
[金が儲かる産業から]というのは、
20世紀の発想だ。
私はこれが21世紀の人類の軌道だと思う。
でも、私たちはどんな状況になろうとも、
日々、感謝しなければいけない。
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
若い人たち、接種しましょう。
感染させないためにも。
梅雨には紫色の花が映える。
これも命の営みだ。
〈結城義晴〉