第14回竹林舎の「マーケティング講義」3時間一本勝負
毎日書いているけれど、
東京都の新型コロナウイルス感染、
新規に陽性が確認されたのが、
今日1日で、
1387人。
ああ。
その東京でオリンピックが開催される。
開会式は3日後の金曜日の23日だが、
もう明日の21日から競技は始まる。
ソフトボールの予選リーグと、
女子サッカー第1ラウンド。
もう祈るしかない。
感染拡大が考え得る最小限で、
なんとか収まりますように。
朝日新聞のコラム「経済気象台」
コラムニストは比叡さん。
タイトルは、
「税収上振れの実相は」
コラムニストのこれまでの日本国財政評価。
「ワニの口の上あごが外れる」
ワ二の口は「歳出と税収の差」だが、
その歳出が巨大化して、
ワ二の上あごが外れるほどになる。
しかしそれで終わらない。
さらに大幅な税収減に見舞われ、
「下あごも外れてしまう」
「均衡財政論からすると、
大変な事態になる――。」
ところが20年度の税収は、
予想外に上振れして、
過去最高の60.8兆円になった。
つまり下あごは大丈夫だった。
その理由を考察する。
当初の税収は63.5兆円と見込まれた。
だがそれはコロナ禍によって、
昨年末に55.1兆円に下方修正された。
しかし実際はこの時の予想を上回った。
つまり落ち込みが少なかった。
下あごは何とかもった。
その最大の要因は法人税収が、
予想を3兆円も上回ったことだ。
コロナで打撃を受けたのは中小企業だ。
その多くはもともと赤字で、
税収下振れの要因にはならない。
他方で、スーパーマーケットのように、
「巣ごもり消費」の恩恵を受けた業種業態が、
法人税を大幅に増加させた。
さらに消費税収は、
増税の影響で21兆円となった。
消費税は税収全体の3分の1を超えた。
そして所得税収を抜いてトップに躍り出た。
法人税も消費税も税収増には、
小売業やスーパーマーケットが、
大いに貢献したことになる。
コラムニスト。
「コロナで経済成長路線が
壁にぶつかったにもかかわらず、
税収は維持できている」
「このことは、成長とは別の路線が
可能であることを意味している」
ワ二の下あごを支える。
日本国の税収に貢献する。
それが小売業の役割となる。
さて今日は朝から東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。
この「安全+第一」のビジュアル。
私、大好きだ。
昼すぎまでの会議を終わらせてから、
今度はぐるり回って、
埼玉県の飯能へ。
飯能信用金庫研修所。
木々に囲まれた良い環境。
研修所の建物はシンプルだ。
入口を入ると巨大な壁面彫刻。
「玄奥」(飯能焼の虎澤英雄作)
1階奥が食堂。
研修所に隣接してこども図書館がある。
研修所の裏には入間川が流れる。
テントを張ってキャンプ中。
川で泳ぐ子どもたち。
地下1階の研修室。
午後5時から始まって、
一気呵成に1時間45分。
まずは『コロナは時間を早める』
最近のマクラはこの問題提起。
それからマーケティングの位置づけ。
さらにマーケティング体系から、
マーケティング4.0までを丁寧に。
そして競争のマーケティングと、
その分析手法。
SWOT分析とPPM。
その後は、5つの班に分かれて、
グループワーク。
短時間だが丁寧な聞き取りと、
真剣なディスカッション。
そしてチームごとのプレゼンテーション。
最初の班はなんと飯能信金のSWOT分析。
それから居酒屋への業務用卸売業。
ビルメンテナンス業。
自動車の板金ビジネス。
最後に住宅のリフォームビジネス。
互いに質問を投げつつ、意見を出し合う。
最後に私がそれらを総括する。
短時間だったが中身の濃い分析ができた。
そして総括の講義はいつものように、
サービス・マーケティングのエッセンス。
3時間15分の講義が終わって、
お弁当をいただいて、
最後に事務局のお二人と写真。
ありがとうございました。
私は2013年から、
この竹林舎講座に出講している。
立教ビジネスデザイン研究科特任教授だった。
竹林舎は、
飯能信用金庫と立教大学院との、
協働経営塾である。
それが第14回を迎え、
私の講師役は今でも続いている。
私には異業種の勉強になる。
ありがたいことだ。
帰りは飯能駅から。
西武池袋線の特急「ちちぶ」。
西武線と言えばレッドアロー号だったが、
最新の001系電車は「Laview」(ラビュー)。
車内はアロー号の赤に対して、
ラビューは黄色一色。
池袋まで38分、そして地下鉄新都心線、
東急東横線で1時間半。
充実した1日だった。
平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)の言葉。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
長寿の彫刻家・平櫛は、
この後を続ける。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」
COVID-19には、
細心の防御行動をとりつつ、
心のもち方は平櫛田中でありたい。
〈結城義晴〉