オリンピック開幕と日本の金メダルラッシュ
暑い暑い夏。
百合の花も枯れそうだ。
階段の手すりも熱そう。
それでも日曜日の1日はすぐに終わる。
東京都の新型コロナウイルス感染。
陽性が判明した人数は1763人。
日曜日としては過去最高。
6日間連続で1000人を超えた。
一昨日、オリンピック開会式があった。
無観客だが粛々と進められた。
日の丸と五輪旗の入場から始まる。
様々なパフォーマンス。
私は今の日本らしさをいかに出すか、
それに期待していた。
前半はちょっとがっかりした。
それから選手団入場。
トップはいつも、
オリンピック発祥の地・ギリシャ。
今回は日本語の表記順に入場した。
つまり「あ・い・う・え・お」順。
アルファベット順ではなかった。
それはいいとして、
イギリスが「英国」として、
「え」の順に入っていたのは、
驚いたし、あきれた。
最後から三番目はアメリカ合衆国。
次の次のオリンピック開催地。
2028年のロサンゼルス。
私の好きなボーダーのシャツは良かった。
それでもソーシャルディスタンシング無視。
そして次の五輪開催のフランス。
2024年のパリ。
最後は日本。
選手団の入場にはいつも感動させられる。
こんな国があるのかと勉強にもなる。
205の国と地域からの参加。
コロナ禍に負けず、
よく集まってくれた。
そして花火。
選手宣誓は山県亮太と石川佳純。
指導者と審判団も宣誓した。
開会式で一番つまらなかったのが、
橋本聖子大会組織委員長と、
トーマス・バッハIOC会長のあいさつ。
長い、言い訳だらけ、自分の言葉がない。
二人合わせて20分。
選手団は立ちっ放し。
コロナ感染など意識の外にあった。
それに比べて天皇陛下の開会宣言。
シンプルで力強くて、よかった。
そして一番の注目を集めたのが、
1824台のドローン群のショー。
国立競技場の上空で、
東京五輪のエンブレムの形から、
青い地球へと姿を変えた。
提供は米国のインテル。
ゴードン・ムーアがつくった会社だ。
競技種目を表す絵文字「ピクトグラム」を、
3人の訓練されたパフォーマーが表現。
これは世界から絶賛の声があがった。
ショーの中で私が一番気に入ったのは、
ジャズと歌舞伎の競演。
ジャズピアニストの上原ひろみの演奏。
その演奏に合わせて、
市川海老蔵が「歌舞伎十八番」を披露。
演目は「暫(しばらく)」。
おわりに[見え]を切って見せた。
最後に聖火入場。
柔道の野村忠宏とレスリングの吉田沙保里。
そのあとで、長嶋茂雄、王貞治、松井秀喜。
長嶋は登場しないほうがよかった。
私はそう感じた。
1996年のアトランタ五輪では、
モハメド・アリが最終点火者となった。
パーキンソン病を患っていたが、
ゆっくりと点火して感動を呼んだ。
ちょっとそれを思い出させたが、
長嶋は松井に体を支えられて、
よろよろと歩いた。
見たくはなかった。
最後の点火者は、
大坂なおみ。
堂々としていた。
⑴国旗と五輪旗入場
⑵選手団入場。
⑶開会宣言
⑷選手宣誓。
そして⑸聖火点灯。
ストーリーの骨子はこれだけの、
実はシンプルな開会式のはず。
COVID-19パンデミックのなか、
4時間もやる必要はなかったと思う。
しかしそれでも短い「暫」はよかった。
開会式の翌日の昨日は、
早くも日本に金メダルが生まれた。
柔道男子60キロ級の髙藤直寿。
「これが私の柔道です」
良いコメントだった。
今日の日曜日は金メダルラッシュ。
新競技のスケートボード男子ストリート。
世界ランキング2位の堀米雄斗が、
度胸満点の試技で金メダル。
それから水泳女子400メートル個人メドレー。
大橋悠依が4分32秒08で金メダル。
さらに柔道女子52キロ級。
決勝で阿部詩(うた)が寝技で一本勝ち。
柔道男子66キロ級では、
兄の阿部一二三が大外刈りで技あり。
優勢勝ちで金メダル。
初の兄妹同日金メダル。
おめでとう。
アスリートの活躍を見ていると、
やはりオリンピックはいいものだと思う。
私も1日、テレビに釘付けだった。
あちこちとチャンネルを変えながら、
結構、忙しい日曜日を過ごした。
それでもCOVID-19パンデミックは、
まだまだ終わっていない。
東京の新規感染者数は増える。
それを五輪・パラリンピック期間に、
国民の総力でできるだけ抑え込みたい。
日本国民の力を世界に見せつけたい。
オリンピック選手たちとともに、
私たちもコロナと闘い続けねばならない。
〈結城義晴〉