化粧ではなく入れ墨のように「間違いの記憶を保て」
新型コロナウイルスの感染。
1日の陽性確認者が全国で2万3917人。
過去最多となってしまった。
〈NHK「8月18日 新たに確認された感染者数」〉
昨日、緊急事態宣言を拡大延長した。
皮肉にもその発表の翌日が過去最大。
もちろん確認が最大なのだから、
多分、お盆の人の流れや交流が、
大きく災いしたのだろう。
その前の東京オリンピックの高揚感も、
この「過去最大」に影響を与えた。
アスリートたちには、
まったく責任はないけれど。
毎日、こんなことは書きたくはない。
しかし、書かずにおられない。
自分自身でこの「災害」を、
頭と心に刻むためにも。
1年ほど前に、
COVID-19を敵に見立てて、
「コロナ軍」と言ったりした。
糸井重里さんが言い出した。
そのコロナ軍はどんどん軍備を増強した。
わが日本軍はほとんどそのままだった。
いや、われわれ人類の英知を集めた世界軍も、
素早くワクチンを開発したくらいで、
全軍の意思統一が図られたわけではなかった。
これでは負ける。
なにしろ「コロナ軍」は、
一つの例外もなく、一刻の猶予もなく、
攻め続けてきているからだ。
東京都は1日の新規感染判明者が、
5386人で8月13日に次ぐ二番目の多さ。
大阪府は2296人で過去最多。
神奈川県はこのところ毎日、
2000人超えで今日は2021人。
千葉県1692人、埼玉県1451人、
そして福岡県1253人。
愛知県1227人、兵庫県1088人は、
初めて1000人超えの最多。
さらに沖縄県761人、静岡県590人。
21府県が過去最多を更新。
全国の重症者は1716人。
これも6日連続で過去最多を更新。
言葉がない。
台湾の、
中央感染症指揮センターの発表。
今日のCOVID-19国内感染者は、
新たに6人が確認された。
死者は4日連続でゼロ。
蔡英文総統の持論。
「最も大事なのは感染防止対策を徹底し、
外出を減らすことだ」
64歳の女性総統。
唐鳳(オードリー・タン)行政院政務委員。
通称「IT担当大臣」と呼ばれる天才。
トランスジェンダーの40歳。
その信条は「即断即決」。
ニュージーランドでは、
昨日の17日、男性1人が、
COVID-19の陽性と判定された。
ジャシンダ・アーダーン首相は、
「全土で緊急ロックダウン実施」を発表。
首相は41歳の女性。
ニュージーランドのワクチン接種完了率は、
約20%にとどまっているが、
市中感染者が見つかったのは半年ぶり。
一方、日本は過去最多の新規感染の上、
昨日のコロナ関連の死者は47人。
7日間平均で24人。
昨日までに1万5497人が亡くなった。
ご冥福を祈りたい。
「国民の命と暮らしを守る」の公約は、
残念ながら果たされていない。
小さな国だからできる。
それもあるだろう。
しかし為政者の真剣度は、
ずいぶん違うように感じられる。
言葉がない。
今日は朝から、
㈱True Dataの取締役会。
オンライン・ミーティング。
ビッグデータ・マーケティング。
お陰様で仕事は、
すごいスピードで進んでいます。
みなさんの会社にもお邪魔します。
よろしくお願いします。
朝日新聞一面の「折々のことば」
第2118回。
真理を方向感覚と考える。
その場合、間違いの記憶を
保っていることが必要なんだ。
(哲学者・鶴見俊輔)
「負けたこと、失敗したこと、
間違ったこと。それらを、
すぐに洗い落とすことのできる
化粧のようにではなく、
容易(たやす)くは消せない入れ墨のように、
自身の肌に刻みつけておくこと」
「いっそう痛いだろうが、
そのように過ちと
正面から向きあう中でしか
真理は指し示されない、
未来は見えてこない」
〈作家・関川夏央との対談『日本人は何を捨ててきたのか』から〉
間違いの記憶を保っておく。
化粧のようにではなく、
入れ墨のように。
そして「即断即決」。
コンピュータもウイルスも、
入れ墨のように記憶を残している。
化粧のように洗い落とせる状態ではなく。
悔しいけれどこれこそ、
真理を追究する姿勢なのだ。
〈結城義晴〉