「裸の王様」のスローモーションとアマゾンのスピード
佐々木萌詠さんがやってきた。
以前に商人舎で働いていた。
商人舎流通スーパーニュース担当で、
その執筆などを担当していた
現在は早稲田大学大学院生。
経営管理研究科に入ってもう2年目。
現在は修士論文執筆に励んでいる。
私は立教大学大学院で、
修士論文の指導をしていた。
だから色々とアドバイスして、
私の本をプレゼントした。
頑張ってほしいものだ。
さて、
緊急事態宣言が延長された。
菅義偉首相が記者会見をして、
その延長に関する政策を発表。
記者からの質問を受けた。
しかし実際は退陣記者会見の体裁で、
この1年間の自己総括が行われ、
自分の功績と思われることが羅列された。
この時期に、
緊急事態宣言延長説明の場を借りて
退陣記者会見はないだろうと思うが、
日本のメディアは去る者に優しい。
批判はあまり、出なかった。
しかしニューヨーク・タイムズは、
総裁選不出馬表明のときに記事にした。
「日本の首相が就任後、わずか1年で辞任」
(ANNより、以下同じ)
菅総理に対しては、
「歴史的に不人気な在職」と表現して、
「舞台裏のオペレーターに慣れていて、
公のリーダーとしては常に不快に見えた」
ウォール・ストリート・ジャーナル。
「在職中に休暇を取らず、
ほとんどの週末も働いて
ヘマが増えた」
アメリカのメディアは、
とくに菅的リーダーには手厳しい。
日本では政治学者の御厨(みくりや)貴さん。
オーラルヒストリーの第一人者。
朝日新聞DIGITALで、
「菅さん、裸の王様になったのでは」
「伊藤博文以来、
99代目の日本の首相でしたが、
これほど無残な退陣劇は
ちょっと思い出せません」
「総裁選直前に党幹部の人事や
内閣改造をしようとするなど、
自らの延命のために
迷走を重ねましたが、
万策尽きてしまいました」
今日の記者会見でも、
コロナ対策に「全身全霊」を尽くすためと言う。
が、それは周知の嘘である。
「コロナ禍という
未曽有の世界的な非常時で、
国民にとってはまったく
先行きが見えていないままです」
「菅さんは派閥もなく世襲議員でもなく、
野党との調整を担う『国対政治』といった
自民党の伝統的な政治手法とも無縁で、
『情報』で生きてきた政治家です」
「ところが権力の中枢にいすぎて、
都合の良い情報ばかりが集まるようになり、
裸の王様になったのではないでしょうか」
裸の王様か。
「いまの日本に広がっている
『説明しない政治』は、
第2次安倍政権で始まりました」
「どんなスキャンダルや問題があっても、
安倍さんは国政選挙に毎回勝つことで、
国会でもメディアを通してでも、
説明はしなくてもよいのだ
ということになってしまいました」
ならば官房長官は説明したか。
「官房長官だった菅さんは、
記者会見の回数はこなしたが
説明というものをしてこなかった」
「内閣人事局の発足もあって、
菅さんに人事権を握られた官僚たちは、
説明しない政治を受け入れ、
あろうことか公文書の改ざんに
手をつけるといった
事態になっていったのです」
「官邸主導政治は、こうして
徐々に空洞化していった」
「そんな政治と行政の中心にいたのが
菅さんだったのです」
その通りだと思う。
御厨さんは、
官房長官時代の菅義偉を取材し、
2014年2月に人物評論を書いた。
「菅さんは
危機対応で情報の重要性を痛感し、
日本の統治をグリップする主役になった
という自負を持っていました」
「専門性を持つ官僚組織を相手に、
自らを含めた政治家という
“反専門家”のインナーサークルを
官邸に立ち上げ、
政治主導を確立させるのが、
彼の真骨頂でした」
しかし、御厨さんは見抜いた。
「情報の大量集中が、
菅さん個人の処理能力を
超えてしまう時が必ず来るだろう」
菅義偉一流の情報政治が破綻する日が
来ることを予測していた。
「それがコロナ禍で
現実になってしまった」
「通常、政治家はその地位が上がれば、
見えてくる風景も変わり、
おのずと言動もそれに伴って
変わっていくのです」
「ところが菅さんは首相になっても、
議員宿舎から移らず、
朝昼晩を誰と食べるかを含めて
官房長官時代からの行動を変えなかった」
官邸を仕切ってきた自信があった。
しかし、
「首相になりきれなかったまま
1年が経過しようとしている」
「今回の政局はまるで
スローモーションを見せられているような、
ノロノロとしたお粗末なものです」
「びしっと状況を規定する政治家の言動や、
ワッショイワッショイというタイプの
政治の活力も見られないのは、
残念です」
アメリカのメディアにかぎらず、
御厨さんも手厳しい。
しかし手厳しいくらいの総括なくして、
このコロナとの闘いはできない。
自分自身を含めて、
自己総括はどんな場合でも、
厳しくなければならない。
最後に、
商人舎流通スーパーニュース。
アマゾンnews|
ホールフーズにJust Walk Out技術導入
ホールフーズがレジレス店舗になる。
Just Walk Outは、
2018年1月に「Amazon Go」として、
一般公開された技術だ。
レジレス、キャッシャーレスとして、
衝撃を与えた。
シアトルの1号店は、
約1800平方フィート(約50坪)だった。
コンビニサイズの店舗面積。
3年後の今年6月には、
Amazon Freshにも導入された。
アマゾンのリアルスーパーマーケット。
それがあのホールフーズの、
密度の高い1200坪店に導入される。
すごいスピードで進化している。
日本の政治やコロナ対策も、
ノロノロしたスローモーションは、
御免被りたい。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
アメリカはすごいスピードで改革していきますね>
アメリカからは日本はカメさんのように見えているでしょうね。
弊社もカードレス、ECをスピード上げて作り上げていくことを昨日今日の全国マネジャー大会にて発表したところです。
今後も結城先生のアドバイスお願いします。
宮本さん、ありがとうございます。
全国マネジャー大会ですか。
全員がちょっとでもスピードを上げると、
相乗効果で全体のスピードが上がります。
それは信じられないほどです。