ニチリウのバイヤー研修会で鈴木哲男巨匠と「二人羽織」
11月最後の日。
11月30日。
日本大学の田中英寿理事長、
所得税法違反容疑で逮捕された。
日本の最高学府。
日大に限らず襟を正さねばならない。
人が集まれば、
金が動く。
ストイックでなければならない。
一方、
立憲民主党代表選挙。
泉健太衆議院議員が勝利。
47歳ながら当選回数は8回。
29歳で代議士となって、
同党の政務調査会長も務めた。
中道と保守系の議員から支持を受けた。
日本の政治は、
オール中道の軌道を進む。
自民党はもとより、
共産党まで中道化して、
野党共闘に参加した。
だから泉健太代表にも、
中道のなかのポジショニングが求められる。
政治もポジショニング競争の時代である。
さらにオミクロン株。
ナミビア人外交官の男性から、
日本入国の検疫で陽性反応が確認された。
それがオミクロン株だった。
家族2人は陰性だったが、
同じ航空機に乗っていた70人の乗客は、
濃厚接触者として扱われる。
水際対策は本当に難しい。
あとになって、
大したことではないとわかっても、
わからない段階では、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
それがリスクマネジメントである。
さて、昨日から大阪に入っている。
朝一番で、
日本流通産業㈱へ。
通称、ニチリウ。
プライベートブランドは、
「くらしモア」
1974年6月、7社の総合スーパー企業が、
共同仕入れ機構を発足させた。
平和堂、イズミ、オークワ、
ライフコーポレーション、
さとう、グランドタマコシ、ヤオハン。
初代社長は故夏原平次郎氏、
副社長は故大桑勇氏。
その後、
グランドタマコシは平和堂に吸収され、
ヤオハンはイオン傘下となって、
マックスバリュ東海の中核をなす。
一方、シジシー・ジャパンは、
東京の三徳を中心に、
スーパーマーケット企業10社が、
その前年の1973年に発足させている。
どちらもオイルショックに影響を受けた。
さらに1979年、
総合スーパー5社がアイク㈱をスタートさせた。
こちらは当時のジャスコ(現イオン)と、
ユニー、いづみや(現イズミヤ)、忠実屋、
そして九州のユニード。
ユニードと忠実屋はその後、
ダイエーの傘下に入り、
ユニーもイズミヤもアイクから抜けた。
ユニーは現在、PPIH傘下、
イズミヤはH2Oリテイリングの子会社。
そこでアイクは、
イオンの完全子会社となって、
2013年にマックスバリュ㈱と合併した。
面白い形で残ったのがニチリウだ。
CGCはスーパーマーケットの集団だったから、
全国から多数の企業が参集した。
ニチリウは、
総合スーパー業態を中心としたから、
現在は15チェーンと3生活協同組合によって、
強いリージョナルチェーンの集まりとなった。
そのニチリウから依頼されて、
バイヤー研修をやることになった。
朝9時、田淵寿専務が、
この研修の意味を説明してスタート。
午前中の3時間ほど、
結城義晴の講義。
バイイング活動は、
マーケティングそのものである。
バイヤーは、
その意識をもつことが、
何よりも必要だ。
かつては「仕入れ方」と呼ばれたバイヤーは、
組織が成長してくると、
バイヤーとマーチャンダイザーとに、
機能分化してくる。
バイイングとマーチャンダイジング。
その両方が小売業には求められる。
商品政策のあり方から、
ベンダーの選考基準、
最後は商談のあり方、
バイヤーの行動、活動まで、
一気呵成、具体的に語った。
昼食をはさんで、
鈴木哲男先生にお出まし願った。
「52週MD」のコンセプトを切り口に、
商品政策と販売政策、
重点商品など持論を展開。
プライベートブランド政策に関しても、
コンサルティング事例を豊富に盛り込んで、
具体的な講義だった。
鈴木先生とは45年の付き合いだ。
最近はペアで講義することも多い。
これを称して「二人羽織」。
最強ペアと自称している。
実に有難いことだ。
事務局のお二人を加えて写真。
人事総務部部長の酒井幸男さんと、
人事総務担当リーダーの松吉佐知子さん。
最後に全体を総括して、
結城義晴の講義。
プライベートブランド開発に関しては、
欧米のケーススタディを盛り込んで、
日本に欠けている攻撃的な政策を論じた。
最後はバリューエンジニアリング理論。
これが鉄壁の理屈だ。
質疑応答も盛り上がった。
グッド・クエッションばかりで、
ニチリウの現場の悩みもよくわかった。
しかしその問題意識は正しい。
それを解決することによって、
日本のチェーンストアをリードすることもできる。
田淵寿専務と写真。
平和堂の商品本部長も務め、
今年の2月からニチリウに赴任。
改革を目指す。
COVID-19は時間軸を早める。
その時期に改革に挑む。
進捗は早まるに違いない。
期待は膨らむ。
〈結城義晴〉