関西スーパーの「新局面」とオーケーの「存在感あるプレーヤー」
日本経済新聞夕刊。
今週の[人間発見]は、
㈱成城石井社長の原昭彦さん。
独白の形式で物語は進むが、
インタービューと執筆は、
編集委員の田中陽さん。
通しタイトルは、
「らしさ」貫き再編乗り切る
原さんは1967年生まれの54歳。
東京都出身。
実家は千歳烏山の八百屋さん。
子どものころから、
「自分もお店をやってみたい」と思っていた。
根っからの商人だ。
90年に駒沢大学経営学部を卒業して、
成城石井に入社。
成城の本店と横浜市青葉台の2店のころ。
創業者の石井良明さんに直接会って、
入社を決意する。
店舗勤務後、営業本部商品部部長などを経て、
2007年執行役員営業本部本部長。
その後、2009年に、
コーネル大学RMPジャパンに、
「奇跡の第二期生」として入学。
私はここで原さんと出会った。
同期には、
㈱道南ラルズ社長となった土手光三さん、
㈱ベルプラス社長となった澤田司さん、
㈱平和堂常務の夏原陽平さん、
㈱関西スーパーマーケット常務の柄谷康夫さん。
彼らのほかにも錚々たるメンバーがいた。
原さんはほぼ一貫して営業畑を歩み、
大久保恒夫社長の後任として、
2010年に社長に就任。
しかし原昭彦の真価は、
社長になった後に発揮される。
それはまだ木曜、金曜の記事に出てくる。
とくにトップマネジメントには、
試練や艱難が必須だが、
原さんは成城石井社長という立場がそのまま、
試練や艱難となって、すごい成長を示した。
今週は日経夕刊が楽しみだ。
さて商人舎流通スーパーニュース。
昨日に続いて、
関西スーパーnews|
12/15株式交換でH20と経営統合し組織改編・人事異動
オーケー㈱のTOBがなくなって、
今日、関西スーパーは株式交換によって、
H2Oリテイリングの連結子会社となった。
あとは来2022年2月1日に、
吸収分割の効力発生日を迎えて、
“現”関西スーパーは持株会社になって、
商号変更する。
その名は㈱関西フードマーケット。
全事業を承継した“新”関西スーパーと、
イズミヤおよび阪急オアシスの3社が、
その傘下に入る。
同時に新しい組織と人事が発表された。
関西スーパーマーケット社長には、
新たに林克弘さんが就任。
㈱H2Oリテイリング副社長。
H2Oは副社長を起用して、
本腰を入れて改革に挑む。
福谷耕治前社長は取締役執行役員になる。
玉村隆司さん以下、
中西 淳さん、柄谷康夫さん、
北山忠和さんは、
執行役員として関西スーパーの運営にあたる。
一方、二宮涼太郎オーケー社長は、
共同通信の取材に応じた。
オーケーは引き続き、
「京阪神地区への進出を検討する」
「単独出店か他社との経営統合か」
その手法は未定だが、
「店を出す以上は
責任を持った数にするつもりだ。
50でいいや、とかは全くない」
オーケーは現在、
首都圏に120店舗を展開するが、
関西圏にさらに100店くらいを有して、
首都圏・近畿圏の2ドミナント戦略を志向する。
㈱ライフコーポレーションと同様の、
二眼レフチェーン展開を図るようだ。
時期についてもコメントした。
「時間軸ありきではないが、
だらだらと検討するつもりもない」
すぐに次の手立てを講じると読める。
そして断じた。
「存在感があるプレーヤーになりたい」
飯田勧会長と二宮社長の意思は固い。
関西圏の競争は一段と激化する。
関西スーパーもそのなかにある。
拙著『Message』より。
「天の邪鬼」(あまのじゃく)
競争は、闘争とは違う。
その混同は、成長と膨張を、
錯覚することに似ている。
競争を拒否する者は、
理念的平和主義者なのか。
それとも怠け者のキリギリスか。
一見、温厚に見える。
そんなヒューマニストが、
怠惰な天の邪鬼だったりする。
その天の邪鬼が、
競争から逃避しつつ、
闘争を煽る。
政治の世界にも行政にも、
業界や会社にも、
天の邪鬼の群れが潜んでいる。
それは、
私自身の心の中にも、
あなたの心のなかにも。
この天の邪鬼を退治するには、
勇気をもつこと、
競争環境を整えること。
疲弊を癒す活力は、
良質の競争の中にしか、
ない。
〈結城義晴〉