横浜鶴見の陣のオーケー・サミット・エイビイ・ベルク・パレッテ
三が日が明けて御用始め。
公官庁の仕事始めの日。
小売業、サービス業を除く、
民間企業も今日の1月4日、
あるいは1月5日が始業日となる。
株式市場も大発会の日が今日だが、
生鮮食品の卸売市場は明日から開場する。
今日は正月の店舗クリニック。
横浜市鶴見区と川崎市幸区、
さらに横浜市都筑区。
まずは鶴見区の激戦地。
大阪鶴見の陣を特集したけれど、
横浜鶴見の陣ができるくらいだ。
江ヶ崎町と新川崎、尻手のあたり。
尻手黒川線沿いに、
サミット㈱がドミナントを敷いていた。
サミットストア南加瀬店、
同クロスガーデン川崎店、
同新川崎店。
車で5分間隔で面展開していた。
まずそのサミットストア新川崎店へ。
島忠ホームズ新川崎店のショッピングセンター。
もちろんホームズ家具店が核店舗。
もう一つの核がサミットストア。
3日まで休業して、
今日の4日が新年の開業日。
店舗入り口には、
同社独自の「案内係」が陣取って、
顧客と会話していた。
店頭の青果部門は、
価格政策を強化して、
なおかつ初日からポイント5倍セール。
サミットらしい丁寧な売場づくりで、
三が日を休んだ打撃はなさそうだ。
激戦区でもしっかりと顧客をつかんでいる。
そのサミットと車で5分もしないところに、
オーケー川崎小倉店。
クロスガーデンというSCへの出店だ。
この店は昨年10月28日オープンだが、
その前はサミットストアだった。
昨年1月に閉鎖。
核店舗はYAMADAテックランド。
地下1階にオーケー。
エスカレーターを降りていくと、
ミカン一色。
その隣はバナナ一色。
オーケーらしく、
店中が高品質Everyday Low Price。
しかしゴンドラエンドの米など、
独特の品揃えだ。
秋田県産あきたこまちは、
10キロ+1キロと5キロ+500グラムで、
どちらも精米日は1月3日。
米の精米日に鮮度がある。
しかも1割増の容量で、
低価格と増量・鮮度のお買い得感満載。
オーケーのマーチャンダイジングの、
独自性は明らかに競争優位を確立している。
そのオーケーとサミットと、
三角形の頂点に当たる位置に、
エイビイ新鶴見店。
2018年9月オープン。
新年は1月4日まで休業で、5日始業。
もちろんいまやヤオコー傘下の、
ディスカウントスーパーマーケット。
開店日を間違えて顧客が、
自転車や車で店を訪れていた。
サミットはドミナントエリアに、
オーケーとエイビイに侵入された。
強い企業同士の競合。
そして強い者は、
新年も元日からは営業しない。
本格的な激戦は5日開始となる。
一方、国道一号線を超えた3キロほどのところに、
ベルク フォルテ森永橋店。
2014年11月26日オープン。
フォルテ森永橋への出店。
商圏が異なるから、
サミット、オーケー、エイビイとは競合しない。
悠々と商売をしている感じだ。
ベルクは元日に休業して、
2日から営業開始。
火曜水曜は恒例の均一セール。
ベルクらしい手堅い商売をしている。
しかし古いタイプの店舗で、
7年の時間の経過を感じさせられる。
さらに鶴見川を渡って、
パレッテ下末吉店。
イオンが取り組んだ小型ディスカウント店。
今、5店舗になっている。
圧倒的な低価格で、
生鮮食品はクレート陳列、
グロサリーは段ボールカット陳列が主体。
一言で言えばドイツのアルディ型ボックスストア。
もちろん日本流、イオン流にアレンジしてある。
実に面白いフォーマット実験への挑戦だ。
さらにイノベーションが必要だが、
それは徹底したローコストの追求とともに、
顧客を引き付けるものの獲得だ。
これだけの低価格激戦区への出店。
パレッテらしさが必要となる。
それはコンビニエンスの特徴だ。
セオリー通り商勢圏狙いの出店だから、
まずは100店くらいが必須だろう。
最後に車を飛ばして、都筑区へ。
ノースポートSC。
ここに入ったロピアノースポート店。
ロピアも4日まで休業だが、
この店やららぽーとの店舗は元旦から開けた。
ただし時短営業で夕方は6時まで。
そのロピアは大繁盛。
肉のロピアのインショップなど、
夕方には品切れが見られた。
しかし売り切れ御免のロピア。
顧客も納得している。
ポストコロナ時代には、
強い者同士の直接競合となる。
それぞれの違いを出して、
つまりポジショニングで競争する。
私の持論が現象化している。
2022年正月からそれが確認出来て、
大満足のクリニックだった。
大阪鶴見の陣と横浜鶴見の陣。
どちらも面白い。
面白くなければスーパーマーケットじゃない。
本当の面白さは激しい競争にある。
艱難は商人を鍛える。
だから競争を楽しむレベルになる。
楽しければ成長がある。
みんな頑張れ。
〈結城義晴〉