イオンリテール南関東カンパニー「店長塾」のマネジメント講義
今日は朝から、
イオンリテール㈱の、
南関東カンパニー本部へ。
イオンスタイル東神奈川の、
店舗の5階にある。
この店はもともと1978年の開業。
ニチイ東神奈川ショッピングデパート。
その後、東神奈川サティへ、
フォーマット転換。
さらにマイカル㈱が2011年、
イオンの子会社になって、
店舗もイオン東神奈川店と名称を変えた。
そして最後に2017年に、
イオンスタイル東神奈川となった。
大繁盛店だ。
ここには、
まいばすけっと㈱の本部もある。
イオンの小型スーパーマーケットだ。
今、絶好調。
月刊商人舎2014年11月号特集は、
「Express Store大研究」
Walmart Expressが登場した時だった。
このなかで「まいばすけっと」を取り上げた。
同社は2008年に多店舗化を開始。
雑誌発行時の2014年10月現在、
店舗数は527だった。
最新の商人舎2月号でも書いた。
まいばすけっとは、
神奈川県に本部を置くスーパーマーケットでは、
第3位に躍進している。
第1位はオーケー㈱で、
2021年3月期決算は営業収益5090億円、
経常利益314億円。
売上高伸び率116.8%、経常利益率6.17%。
経常総経費率15.7%がすごい。
現在、店舗数144店。
第2位は㈱ロピア。
2021年3月期売上高2068 億円、
売上高伸び率129.7%。
2020年から㈱関西ロピアを設立して、
関西に進出。
現在、63店舗。
そして第3位がまいばすけっと。
年商は2006億円まで伸びてきた。
ウォルマートは、
エクスプレスストアで失敗した。
しかしイオンは、
まいばすけっとによって、
それを成功させている。
イオンリテール南関東カンパニーと、
まいばすけっと。
それぞれの本部。
私の現在の自宅は、
ここから車で5分のところにある。
ときどき買物に来る。
商人舎オフィスに出社するときには、
必ずこの東神奈川を車で抜ける。
その南関東カンパニー本部で、
第3回店長塾。
私は特別講師。
朝9時50分ごろから、
塾長の工藤一実さんが、
冒頭の挨拶。
拙著『新店ドラ』を丁寧に読み込んで、
さらに丁寧に紹介してくれた。
「この本を読んでいると、
俺と同じじゃん、と思うところがある。
違うところもあるけれど」
これは故上田惇生先生が言い続けていたこと。
ドラッカーの分身と呼ばれた翻訳者。
「それぞれのドラッカー」
工藤塾長は身をもって、
そのことを証言してくれた。
10時10分ほど過ぎてから、
教育担当部長の越川泰江さんが、
講師紹介をしてくれて、
全員で、「礼」。
今年の店長塾の塾生20名はリアル聴講。
それ以外にカンパニーの店長や、
さらに本部スタッフなど、
on-line受講生、多数。
今年のテーマは、
「店長のためのマネジメント」
ヒューマンリソースとマーケティング。
8割くらいが戦略的人的資源管理。
私の言葉で言えば「人間力経営」。
もちろんドラッカーの考え方を、
ベースにしている。
Prologueは、
「コロナは時間を早める」
これは講義しないわけにはいかない。
100年前のスペイン風邪と、
セルフサービスの普及。
コロナ禍特需の膨張と成長。
トレードオンの考え方。
それからマネジメント体系。
イオンの人々には、
全員に知覚してもらいたい。
だから熱が入る。
ミッション・マネジメントと、
ストラテジック・マネジメント。
コレラが上位概念だ。
その上位概念によって、
会社の外に向けた活動が、
マーケティング・マネジメント。
会社の内に向けた活動が、
ヒューマンリソース・マネジメント。
理解してもらうために、
マネジメント理論の略史を紐解く。
そこからアンリ・ファヨールと、
ピーター・ドラッカーの対比が浮き上がる。
ファヨールのMTPの影響を、
日本の大企業やチェーンストアが、
深刻なほどに受けている。
その呪縛を取り払うのが、
私の役目だとさえ考えている。
2時間の講義は、
一気呵成。
最後にマーケティングのエッセンスを講義。
マーケティングに関しても、
フィリップ・コトラーは、
「マーケティング・マネジメント」と捉える。
だからマネジメントがベースにある。
会社の外に対応するのは、
会社の内の人間たちだ。
だからヒューマンリソースが重要となる。
ご清聴を感謝したい。
話したいことはまだまだある。
しかし時間の制約はある。
だから単行本を書いているし、
毎月、月刊商人舎を発刊している。
今日の聴講者もずいぶん、
読者となってくれている。
是非、熟読してもらいたい。
マーケティングはもとより、
マーチャンダイジングも、
プロモーションも、
オペレーションも、
フォーマット開発も、
マネジメントをベースにしている。
月刊商人舎はその考え方を貫徹している。
戦略的人的資源管理も、
戦略的人材教育も、
底辺に流れる考え方が、
ファヨールかドラッカーかで、
正反対となる。
ファヨールは指揮命令し、
調整、統制して、
「責任のありか」を追及する。
ドラッカーは、
コミュニケーションを図り、
動機づけして、
「責任の組織化」を求める。
マーケティングも、
マーチャンダイジングも、
プロモーションも、
オペレーションも、
デジタルトランスフォーメンションも、
正反対になる。
しかも責任の追及をしていては、
絶対に成果は上がらない。
店長塾最終講座の最後は、
浜口好博南関東カンパニー支社長。
イオンリテール取締役常務執行役員。
私の講義を一緒に聴講して、
講義のストーリーを、
簡潔に、的確に整理。
店長塾の受講生に動機づけしてくれた。
浜口さんとも、
アメリカ研修をご一緒している。
イオンリテールの最重要エリアの支社長。
頑張ってほしいところだ。
なにしろ、私もこの南関東の住人なのだ。
ツーショットで写真。
最後に事務局と写真。
工藤一実塾長と越川泰江教育担当部長。
今日もいい講義ができました。
準備から段取りまで、
それがなければ講義はできない。
ありがとうございました。
〈結城義晴〉