ロシアによるウクライナ軍事侵攻の「壮大なる時代錯誤」
ロシア連邦の軍が、
ウクライナ共和国に、
侵攻した。
ウラジーミルでも、
ウラジミールでも、
どっちでもいいが、
プーチン大統領が、
戦争を始めた。
1952年10月生まれ。
私より1カ月ほどあとになるが、
同い年。
ロシア系住民の保護という名目。
軍事行動と称してはいるが、
隣国を砲撃し、
隣国に軍隊が侵入した。
戦死者も出た。
ウクライナの軍事施設が空爆され、
首都キエフの空港では戦闘が展開された。
その侵略行為を世界中が、
同時進行で垣間見た。
北京冬季五輪が終了して4日目。
それを待っていたかのような蛮行だ。
日経新聞がすぐに号外を出した。
日経新聞巻頭コラムの「春秋」で知ったが、
白・青・赤と三色が並ぶロシア国旗は、
白がベラルーシ人、青がウクライナ人、
赤がロシア人を示しているという。
それだけ密な関係を積み上げてきた三国だが、
白と赤が手を組んで、
青に戦闘を仕掛けている。
袂を分かったかつての同志に対して、
骨肉相食む攻撃がなされている。
国連の安全保障理事会が開催されている。
ロシアの侵略と同期するように。
しかも議長はなんと、
ロシアのバシリー・ネベンジャ国連大使だ。
ウクライナのキスリツァ国連大使は、
流ちょうな英語で激しく発言した。
「戦争犯罪人は地獄へ直行する」
2014年のクリミヤ併合のときにも、
国連に対する無力感が残ったが、
今回はどう役割を果たすのか。
しかし、
宣戦布告する人間の顔は醜い。
言葉はない。
イオン名誉会長の岡田卓也さんは、
平和産業、地域産業、人間産業を標榜したが、
こういった状況でいつも思うのは、
平和の貴重さだ。
今日は横浜の商人舎オフィス。
仕事が手につかず、
ウクライナのニュースを追いかけた。
3時過ぎから、
やり残していた本へのサインを始めた。
一心不乱、「書」に徹した。
書いていると、心が落ち着く。
80冊分を書き終えて、
全部で100冊、
そして黙想。
最後の方で書いた一文は、
心は燃やせ
頭は冷やせ
このあとに書いたのは、
朝に希望
昼に努力
夕に感謝
武力の前では、
人間は弱い。
しかしどんな理屈がつこうとも、
武力侵略には絶対に反対である。
私はそのことを表明したい。
私たち自身には祈るしかできないが、
プーチンの壮大なる時代錯誤も、
21世紀が乗り越えねばならない、
試練なのだろう。
〈結城義晴〉