ウクライナの支援と詩聖・杜甫の「国破れて山河在り」
日本経済新聞に「追想録」
夏原平和さん(平和堂会長)
「名は企業理念を表す」
編集委員の田中陽さんが執筆。
「第2次世界大戦が激化する
1944年9月に生まれ、
父親の夏原平次郎氏が
『平和(ひらかず)』と名付けた」
「役所に出生届を出そうとすると
戦争中に『平和』とは本気か、
と難色を示された」
平次郎氏は、
「私は再び戦地に行き、
おそらく戦死するでしょう。
残った妻と子どもは平和に生きてほしい」
それで認めてもらった。
「争いのない社会への父親の思いは強く、
戦後に滋賀県彦根で創業した
小売店の屋号・社名も『平和堂』とした」
「シンボルマークは
平和の象徴のハトが描かれている」
「平和氏は父親の気骨を受け継いで
89年に2代目社長として就任」
「自分の名前の付いた会社だから覚悟はある」
「小売業が成り立つのは平和であってこそ」
とてもいい追想録だ。
日経では田中さん以外にかけない。
是非、新聞の記事を読んでいただきたい。
私の訃報と併せて見ていただければ、
夏原平和さんと平和堂とがよくわかる。
2021年12月20日(月曜日)
「夏原平和さん、
早すぎる。惜しい。
けれど見事な人生だった」
田中さん、ありがとうございました。
いま、ウクライナで、
プーチンの戦争が起こっている。
それにつけても、
夏原平和さんを思う。
商人舎流通スーパーニュース。
ファストリnews|
ウクライナ支援/1000万米ドルと毛布・衣料20万点提供
ファーストリテイリング。
会長兼社長の柳井正さんは、
ウクライナ支援のために、
1000万米ドルを寄付する。
レート換算で約11億5000万円。
それからユニクロ製品10万点と、
リサイクル防寒着など10万点を、
避難難民に提供する。
さらに、
コープデリnews|
全150店・宅配で「ウクライナ緊急支援募金」実施
コープデリ生活協同組合連合会は、
関東・信越の7生協の連合。
コープみらい(千葉県・埼玉県・東京都)、
いばらきコープ、とちぎコープ、コープぐんま、
コープながの、コープにいがた、
コープクルコ。
全150店舗と宅配サービスで、
「ウクライナ緊急支援募金」を実施する。
店内設置の募金箱やレジで募金を受け付ける。
ポイントカードからの募金も可能とする。
やれることをやる。
いいことだ。
私はいつも、
スマホの時計アプリに、
いつも行く米国の時間を入れているが、
そこにキエフとモスクワを加えた。
ウクライナの人たちと、
できるだけ時間を共有したい。
クレムリンの時間も知っておきたい。
キエフの人たちは、
夜中には電気を消して、
ひっそりと息をひそめている。
まるでテレビや映画で見る東京大空襲のようだ。
さらにロシア軍は、
ウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所を、
制圧してしまった。
その前に原発の敷地内で、
砲撃によって火災が発生した。
リスクマネジメントも何も、
あったものではない。
しかもそれがタイムリーに、
映像で世界に流れる。
誰も手出しをしない。
手出しできない。
こんなことがあるのだろうか。
ウクライナの未来はどこにあるのか。
このまま徹底抗戦を続けて、
最後はゲリラ戦に望みをかけるのか。
その間に国際世論の高まりを待ちつつ、
ロシア国内の人民世論の理解を得て、
プーチン政権を疲弊させ、
やがて国の再興を志すか。
これはベトコンの闘い方だ。
アメリカ軍を撤退に追い込んだ。
もしくは、
第二次世界大戦のフランスのように、
他国に首都機能を移し、
首脳陣も退避しつつ、
再興を期すのか。
この際には国民もできる限り、
他国に避難、移住する。
ただしフランスのドゴールの時は、
米英を主力にした連合国軍がすぐに、
対ドイツ史上最大の作戦を展開した。
あるいは、
人命を尊重して降伏し、
非武装化・中立化の条件を飲み、
プーチンの傀儡政権のもとで、
ロシアに支配されるのか。
こういったことの専門家ではないから、
私に展望は語れない。
世は春だ。
中国の詩聖・杜甫。
「春望」(しゅんぼう)
国破れて山河在り
城(しろ)春にして草木深し
時に感じては
花にも涙を濺(そそ)ぎ
別れを恨(うら)んでは
鳥にも心を驚かす
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領には、
杜甫の春望は似合わない。
ウクライナ、頑張れ。
〈結城義晴〉