ウクライナの「V対Z」とFoocot2号店の「石を投げられても」
山陽新聞の巻頭コラム「滴一滴」
「英文字の”V”は、
ビクトリーの頭文字で、
“勝利”を意味する文字として使われる」
「第2次世界大戦中には、
英国を率いたチャーチル元首相が、
人さし指と中指を広げて立てる
Vサインを掲げ、国民を鼓舞した」
「Vサインはやがて、勝利だけではなく、
“平和”も意味するようになった」
「一方、こちらの文字はなんとも不気味だ」
そう、ロシア軍の「Z」
「ウクライナに侵攻した
ロシアの戦車や軍用車両に、
白色で大きく書かれている」
ロシア語では、
「勝利のために」は”За победу”、
「西」は”Запад”(ザパド)、
大統領ゼレンスキーは”Зеленский”。
この頭文字「З」がアルファベットの「Z」だ。
ロシア国内では、
軍事行動を支持するシンボルになっている。
マイカーにZマークを塗ったり、
Zの手製ブローチを襟に着けたり。
一文字のZもVもインパクトがある。
月刊商人舎3月号特集は、
販促X。
このXにも特別の衝撃がある。
Xは未知なるもの。
そしてXformation。
つまりTransformationの、
大変革。
販促にも未知なる変革が訪れた。
商人舎2月号のMessage。
「AがWを超えるごとく!」
確かに時代は変わる。
コロナが時代を変える。
WからX、Y、Zと進んで、
再びAへと戻る。
AはZまでをも包含すると、
嘯(うそぶ)く――。
このAはアマゾン、
Wはウォルマート。
AがWを超える時代が来る。
しかしウクライナでは、
VがZを制してほしいものだ。
滴一滴のコラム。
「流血の惨事を止めるすべはないのか。
最後にVサインを掲げるのが、
どうかウクライナの人々であってほしい」
心から同感したい。
商人舎流通スーパーニュース。
フーコットnews|
2号目のフーコット昭島店(東京都)3/15オープン
ヤオコーの新フォーマット、
「Foocot」2号店が今日、オープン。
残念ながら記者発表はない。
私自身、今日は行けなかった。
それでも興味深い。
ヤオコーが果敢に挑戦したのが、
ディスカウント・スーパーマーケット。
昨年8月3日に第1号飯能店がオープン。
そのスタディは、
月刊商人舎2021年9月号。
[特別企画]
ヤオコー「Foocot」の正体
お手元にこの雑誌がある方は、
もう一度読み直して、
今度は昭島を訪れてほしい。
IDとパスワードを保有している人も、
それを再読してほしい。
かつてダイエーがDマートに挑戦した。
アメリカのKマートと提携して、
そのノウハウを学んでから、
新フォーマットを開発した。
しかし、失敗した。
イトーヨーカ堂はザ・プライスをつくった。
これは最初からうまくいかなかった。
イオンはザ・ビッグを、
延々とつくり続けて、
やっと収益が出始めた。
しかしそれも、
広島の㈱みどりが、
1989年に開発したディスカウント店だった。
粗利益率を3分の1に下げて、
廉価販売をする。
それを商品回転率を高めて補う。
私は第1号店だったか、
取材に行ったことがある。
月刊食品商業に記事を書いた。
その後、みどりは、
マックスバリュ西日本に吸収された。
レギュラーチェーンが、
ディスカウント業態をやっても、
ほとんどが失敗する。
みどりは「背水の陣」でこの転換を行った。
だから最初の実験で一定の成功を収め、
それがイオングループに定着した。
西友はウォルマートの傘下に入り、
ウォルマートのDNAによって
ディスカウントスーパーマーケットに変わった。
もともとの西友のDNAは捨てた。
つまり、ディスカウントは、
企業全体の体質をつくり換えるようにして、
挑戦しなければ成功はしない。
私はいつも言う。
「石を投げられても、
唾をかけられても、
これこそ我々ができる唯一の、
社会貢献の仕事だ」
そう考えることができなければ、
ディスカウント業態をモノにすることは、
絶対にできない。
世界のウォルマートがそれだ。
ヤオコー傘下のエイビイがそれだ。
ヤオコーのフーコット部隊に、
それができるのか。
エブリデーローコストに、
徹することができるのか。
そこにかかっていると思う。
私はその点を見に行く。
出来たら、すごいことだ。
ウクライナの民も、
Vに命を懸けている。
だから欲得ずくのZには負けないのだ。
〈結城義晴〉