10年ぶりにセブン&アイがイオンを抜き返した。
奈良・吉野の桜。
見ごろを迎えた。
「一目千本」。
故安川光男さんの有難いお招きで、
2011年4月17日・18日と吉野を訪れた。
宿は辰巳屋。
国宝・金峯山寺蔵王堂は、
奈良の東大寺大仏殿に次ぐ規模。
上の方の桜の集まりが「上千本」。
真ん中の桜の集団が「中千本」。
花矢倉展望台。
吉野を見ずして、死ぬことなかれ。
さて今日は、
イオン㈱の決算発表。
オンライン開催。
電話会議方式より、
断然、いいなあ。
ラジオとテレビの違いか。
ラジオの良さはある。
深夜放送など、
ラジオにしかない世界だった。
昔から大相撲やプロ野球は、
ラジオで伝える時代もあった。
だがテレビが出てきたら、
そのリアル感はラジオを圧倒した。
記者会見でも、
語り手の表情やしぐさは大事だ。
信頼感と直結してくる。
㈱セブン&アイ・ホールディングスも、
早いところweb会議方式にしたほうがいい。
商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
’21年度営業収益8兆7159億円で過去最高/経常利益20%増
2022年2月期本決算で、
営業収益は8兆7159億5700万円、
対前期比1.3%増で過去最高。
しかしセブン&アイは、
51.7%増の8兆7497億5200万円。
337億9500万円、
セブンがイオンを上回った。
小売業首位が一気に入れ替わった。
2012年2月期。
東日本大震災のあとの決算で、
6年ぶりにセブン&アイをイオン抜いた。
それ以来、10年ぶりに、
セブン&アイがイオンを抜き返した。
新型コロナ禍のキャズムの禍中だ。
とはいっても、その理由は、
米国のスピードウェイを、
セブン&アイが買収したからだ。
10年前は5兆円を争っていた。
だから3兆円を超える増加だ。
イオンの利益は、
営業利益1743億1200万円で15.8%増、
経常利益1670億6800万円で20.4%増。
セブン&アイは、
営業利益3876億5300万円で5.8%増、
経常利益3585億7100万円で0.3%増。
その差は2000億円もあるが、
これはフランチャイズのコンビニの差だ。
吉田昭夫イオン社長は、
中期5カ年計画についても語ったが、
表情も見えるだけに、
自信満々だった。
直近のナショナルブランドの値上げに対しては、
「トップバリュ」約5000品目を、
6月末まで「価格凍結」している。
そのあたりは、
次の月刊商人舎4月号に詳しい。
ご期待を。
吉田社長はDXの進捗を強調した。
「最もプライオリティの高い施策」が、
デジタルシフトである。
「コロナ前と比較して2倍の売上げとなった」
「ネットスーパーは700億円で、
20億円のスーパーマーットに換算すると、
35店舗に相当する。
ネットスーパーは年平均20%で伸長している」
これは商人舎2月号を読んでもらえばわかる。
特集「ネットスーパー・エイジ」
それから吉田さんが、
U. M. S. Hを高く評価していることが、
この記者会見でよくわかった。
カスミ「BLANDE」のことを、
何度も引き合いに出して、
新フォーマットの開発を強調した。
これは商人舎3月号で詳報した。
特集「販促X」
手前みそばかりになってしまって恐縮。
吉田昭夫さんの発言を聞いていて、
私は月刊商人舎のそれぞれの号を思い出した。
それにしても、
イオンとセブンの逆転。
実に面白いことになってきた。
両社はもう少し、
むき出しの競争意識を持ってもいい。
それが日本のチェーンストアを、
牽引するパワーになる。
もちろん協力するところもあっていい。
災害のとき、戦争のとき、
パンデミックのとき。
政治や行政に向き合うとき。
それが日本の国民の暮らしを、
安全で経済的で豊かにする。
伊藤雅俊さんも岡田卓也さんも、
「初孫会」を毎年開催して、
とても仲の良い経営者だ。
もちろん競争意識も、
そうとうに強かった。
それが日本を引っ張ってきた。
今も、これからも、同じように、
切磋琢磨してほしいものだ。
アメリカはウォルマートが、
断然強いチェーンストアだった。
そこにアマゾンが登場した。
イギリスはテスコが、
これまたずっと首位を走る。
セインズベリーとアズダは後塵を拝して、
アズダはウォルマートが引き受けた。
そのうえ、セインズベリーとアズダは、
経営統合の道を歩んで、
テスコを猛追する。
2018年の商人舎流通スーパーニュース。
セインズベリーnews|
ウォルマート傘下アズダと合併/年商510億ポンドへ
同じように日本の流通産業も、
トップの抜きつ抜かれつによって、
全体のダイナミズムが生まれる。
そこに新たなベンチャーも登場する。
私はそんな競争を大いに奨励したい。
〈結城義晴〉