ニトリとエディオンの資本業務提携の意味合い
日経新聞「スタートアップ」
@EDGEのコーナーに、
染谷剛史さんが登場。
HataLuck and PersonCEO。
社名ナレッジ・マーチャントワークスを、
ハタラックアンドパーソンに変えて、
心機一転再スタートを切った。
「アルバイト従業員の働きがいを上げたい」
小売店舗の業務改善アプリを手掛ける。
アプリ「はたLuck」は、
接客が良いアルバイトに対して、
店長が評価の「星」を送る機能をもつ。
連絡帳機能もある。
コロナ前の2019年にアプリの提供を開始。
21年には三井不動産に採用され、
各地の商業施設のテナントで使われている。
足元の導入実績は全国で約9300店舗に達する。
染谷さんの活躍はうれしい。
さて経営統合の話が連発。
「コロナはM&Aを早める」
まずは地方銀行。
静岡銀行と名古屋銀行。
包括業務提携を結んだ。
今後は資本提携も協議される。
愛知県の地銀ランキングは、
2番手が愛知銀行で3番手が中京銀行。
2024年の合併を予定する。
名古屋銀行は首位。
一方、静岡銀行は2020年に、
山梨中央銀行と包括業務提携を結んだ。
「静岡・山梨アライアンス」
小売業で言えば、
イオンのマックスバリュ東海と、
マックスバリュ中部の統合と似ている。
地銀同士の業務提携は全国で相次ぐ。
19年の千葉銀行と横浜銀行。
「千葉・横浜パートナーシップ」
かつて都市銀行は15行だった。
それが今、メガバンクによる「鼎占」となった。
地方銀行でもそれが進む。
一方、ニトリホールディングス。
会長の似鳥昭雄さんは絶好調。
35期連続増収増益。
商人舎流通SuperNews。
ニトリnews|
エディオンと資本業務提携/8.6%の普通株式を5/13取得
エディオンと資本業務提携する。
ヤマダ、ビックカメラに次ぐ家電チェーン3位。
久保允誉(まさたか)会長兼社長も、
Jリーグのサンフレッチェ広島会長を兼ねるなど、
多彩な活躍ぶりだ。
ニトリはエディオンの株主LIXILから、
102億円で8.6%の株式を買い取る。
その後、1.4%を株式市場の内外から買い付ける。
そして10%にもっていく。
これによってニトリは、
日本マスタートラスト信託銀行に次いで、
第2位の株主となる。
そのうえで店舗開発、商品開発、
さらに物流ネットワークの相互活用など、
協業を進める。
【結城義晴の述懐】を書いておいた。
ニトリホールディングスは、
㈱島忠を2021年1月6日付で連結子会社とした。
ホームファッションのニトリと、
ホームセンターと家具の島忠。
これに家電のエディオンが加わる。
ニトリホールディングスの2022年2月期決算。
売上高8116億円(前年同期比13.2%増)、
経常利益1418億円(2.5%増)。
エディオンは昨年3月期、
売上高7681億円(4.7%増)、
経常利益は108.1%増の278億円。
単純合算すれば約1兆6000億円。
非食品チェーンとしては第2位に躍進する。
対する首位のヤマダホールディングスは、
2021年3月期1兆7525億円(前年同期比8.7%増)、
経常利益989億円(114.6%増)。
売上げで肉薄し、利益で凌駕する。
ヤマダホールディングスも19年12月、
大塚家具を子会社化して、
新フォーマット「ライフセレクト」を開発。
日本市場で現象化させる。
私の予言。
ただし、巨大な2者、
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャーに対して、
多様なマーケットニッチャーが、
市場のバラエティを形成して、
「小売業の森」は現代化が進む。
マーケットフォロワーが、
市場から消えていく。
小売業の森の価値観は、
規模の大小だけでは決まらない。
多様なマーケットニッチャーこそが、
未来の可能性を秘めていて、
極めて重要な意味を持つ。
これも私の見立て。
コロナがそれらを早めた。
〈結城義晴〉