13日の金曜日のRetail DX論議と「ほんとうのぞろっぺい」
13日の金曜日。
英語で”Friday the 13th”と表現されて、
不吉なことが起こると言われる。
現在のグレゴリオ暦では、
1年に必ず1回以上、最大で3回、
13日の金曜日がやってくる。
今年は今月5月の1回。
昨2021年は1回、2020年も1回。
2019年は2回、2018年も2回。
21世紀に入ってからは、
2009年と2012年、2015年に、
3回のFriday the 13thがあった。
これからは2026年に、
2月、3月、11月と、
3度もやってくる。
私はまったく気にしないけれど。
今日は朝10時から、
㈱True Dataの臨時取締役会。
オンラインで開催された。
株式公開して、
四半期決算発表をする。
その決算短信の最終承認。
おかげさまで順調に伸びています。
午後は横浜商人舎オフィスに来客。
コニカミノルタ㈱のお二人。
川瀬英梨さん(中)と齊藤宏さん。
川瀬さんはコニカミノルタ㈱の、
マーケティングサービス事業部コンサルタント。
齊藤さんは、
コニカミノルタマーケティングサービス㈱の、
ショッパーデータプラットフォーム執行役員。
コニカミノルタの「Go Insight」は、
同社特有のカメラ技術を使った、
新しいマーケティング事業だ。
セルフサービス店舗において、
ショッパーの購買行動を科学的に解析する。
このブログでも報告したけれど、
テレ東ビズの番組が収録され公開されている。
「SURVIVE2030」。
ニューノーマルで
消費者行動はどう変わる?
最前線から考える小売りのDX推進
今でもYouTubeで無料視聴できる。
今年2月1日に収録した番組だ。
MCは入山章栄さん。
早稲田大学大学院経営管理研究科教授。
パネラーは㈱カスミ社長の山本慎一郎さん、
そして齊藤宏さんと結城義晴。
私は網(ネット)と紙(ペーパー)の話や、
DXは技術問題ではなく、
経営イシューであること、
そして「禁欲円と享楽円」などを語った。
入山さんのMCもさすがなもので、
私たちパネラーも真剣に、楽しく、
一発撮りで仕上げた。
そして、
こういった専門ビジネスの番組としては、
最高レベルの視聴率だった。
今日はそのお礼を兼ねて来社してくれた。
「Go Insight」の今後の展開など、
興味深い話で盛り上がった。
齊藤さんは、
立教大学大学院のマスター。
私の講義を履修して、
熱心に学んだ。
うれしいものだ。
DXには三つの方向性がある。
第1が攻めのDX。
主にマーケティング活用して、
外に向かって顧客を創造し、
売上げや利益を高めていく。
第2が守りのDX。
会社の内側に向かって、
経営のパフォーマンスを高めていく。
そして、
第3がプラットフォームのDX。
ひとつのプラットフォームを形成して、
さまざまなコネクトを創っていく。
「Go Insight」も、
この3つの局面で進化しなければならない。
頑張ってほしい。
今日の朝日新聞「折々のことば」
第2377回。
カチッとするためには
“ぞろっぺえ”に
なったほうがいい。
もっと、
いいかげんになって
いいんじゃないか、
と思うんです。
(結城昌治)
噺家古今亭志ん朝と作家結城昌治の対談から。
志ん朝の著書『世の中ついでに生きてたい』。
故結城昌治は直木賞作家で、
「ハードボイルド小説の先駆者」と言われる。
苗字が同じということもあってか、
私の父が愛読していた。
結城昌治の小説に、
「志ん生一代」があって、
作家は志ん生一家と交流があった。
結城は志ん朝に語り掛ける。
父の五代目志ん生とは違って、
「ずぼらになりたくても
なれない性分じゃないか」
「ぞろっぺえ」とは、
いいかげんでだらしがないこと。
結城は言う。
「すきもほころびもなしでいるより、
ほんとうの”ぞろっぺえ”になるほうが
難しい」
父志ん生はほんとうの”ぞろっぺい”、
子志ん朝はすきもほころびもない名人。
「ほんとうのぞろっぺいになるほうが難しい」
作家はそう言って名人を励ました。
商売も商人も、
そして店も、
ほんとうのぞろっぺいと、
すきもほころびもない名人と、
両方ある。
ほんとうであり、
名人であれば、
どちらもいい。
落語に関しては、
私は志ん朝の芸のほうが好きだ。
商人に関しては、
ん~、どちらも好きだ。
それでいい。
〈結城義晴〉