フィンランド大統領の「鏡を見よ」と糸井重里の「力仕事」
Everybody! Good Monday!
[2022vol⑳]
2022年第20週。
5月第3週。
関東甲信地方の梅雨入りは、
平年で6月7日ごろだが、
もう梅雨に入った気がするほど。
1年で一番いい季節なのに、
連日の雨模様だ。
木本昌秀先生の言う極端気象だ。
今週は大阪出張がある。
月曜日は東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。
ポスト・コロナに向けて、
すべての企業は、
決断をしなければならない。
拙著『コロナは時間を早める』
第六章「ポスト・コロナ時代への決断」
マイケル・オークショット。
「選びうるのは、確実な損失か、
不確実な利益かのいずれかである」
北欧のフィンランドが、
決断をした。
北大西洋条約機構への加盟。
第12代大統領、
サウリ・ニーニスト。
73歳。
ウラジーミル・プーチンと電話会談して、
ウクライナへの大規模な侵攻が、
フィンランドの安全保障環境を、
根本的に変えたことを直接、説明した。
プーチンは警告した。
「両国の長年の善隣友好関係に、
否定的な影響をもたらす。
過ちになるだろう」
二ーニスト大統領。
“You caused this,
Look at the mirror!”
「あなたが原因をつくった。
鏡を見よ」
見事。
結城義晴。
「ポスト・コロナ時代への決断とは
“不確実な成果”に対して、
目隠しで一歩、踏み込む
心の在り方である」
「ほぼ日」の糸井重里さん。
今日のダーリンで書く。
「いろんなものごとを
やりとげた人たちのことを思う」
「たとえば、映画が完成したとか、
絵が描けたとか、
一冊の本が書けたとか、
いいイベントができたとか、
野菜や果物の収穫ができたとか、
授業が終えられただとか、
なにかのチェックが済んだとか、
ごはんができただとか、
いい考えがまとまったとか、
だれかの賛同が得られたとか、
一見したら筋肉を使ってない仕事も含めて、
すべてが”力仕事”だよなぁと思うのだ」
同感だ。
「ぼくなんかのやっていることは
特にかもしれないけれど、
どうにも”力”とは関係ないように思われやすい」
「どういう仕事もかたちはちがうけど
“力仕事”だよ」
商売も「力仕事」だ。
「まぁ、映画の制作現場なんて
とんでもなく力仕事だけど、
観客として画面だけ見ていたら、
夢のような世界に感じられたりもしている」
「”送り手=つくり手”として
なにかするというのは、
“受け手”でいるのと、
力の使い方がずいぶんちがう
(もちろん、”受け手”として
しっかり力を使うということは
あるのだけれどね)」
売り手と買い手、
商人と顧客。
そこで糸井の考察。
「よく考えてみると
“気力”と言われているものも、
実は”力仕事”に必要な”体力”なのだとわかる」
「”力仕事”から逃れたくなったり、
力が入らなくなっていたら、
なにかするのは無理だ」
「そういうときは、休むか、
やめるかしたほうがいい」
それは簡単にはできないけれど。
だから糸井も言う。
「かなりこのあたり、
じぶんに言ってる感じなのだけれど、
“力仕事”にならないように
仕事をすることはできない」
「全体の仕事量を減らしてでも、
“力仕事”をしたいものだ」
「そのためにも、
基礎的な体力をつけておかなきゃねー」
そこで糸井の対策。
「めしを食うよく寝る運動する」
「”力仕事”に大事なことです」
商人にも大事なことです。
そして結城義晴にも。
めしを食う。
よく寝る。
運動する。
10年前になるけれど、
2012年9月の商人舎「今月の標語」。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
平櫛田中の言葉。
平櫛田中(ひらぐし・でんちゅう)は、
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。
107歳まで生きた彫刻家。
100歳を超えても、
現役として作品を創り続けた。
彫刻も「力仕事」だ。
それを100歳を超えて続けた。
平櫛はこの後に続けて言う。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」
では、みなさん、今週も、
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
Good Monday!
〈結城義晴〉