森敦の「書斎は山手線」と「頼り上手はくらし上手」
朝から自宅で原稿執筆。
自室にこもって、文章を書く。
好きな時間です。
商人舎オフィスのデスクで書く。
この自室で書く。
宿泊ホテルの部屋で書く。
それ以外には、
空港や駅の待合室で書く。
新幹線の座席で書く。
航空機の中で書く。
故人となったが、
作家の森敦さん。
1974年、61歳のとき、
「月山」で第70回芥川賞を受賞した。
受賞のとき、
笑いながらコメントした。
「原稿は、朝早く電車に乗って
山手線をぐるぐる回って
車内でサラ紙に書くんです」
新聞は「書斎は山手線」と報じた。
文章を書く理由。
「過去のある時期を現在とみたてれば、
キルケゴールではないが
人生を反復できる」
納得。
今日は午後から新幹線。
私も車中で3000字の原稿を書いた。
ほぼ書き終えたら滋賀県の伊吹山。
滋賀最高峰は標高約1377m。
私は今日、
故中内功さんの内臓逆位の話を書いた。
何度も推敲していたら、
新大阪に着いてしまった。
定宿に荷を置いて、
新今里の料亭久恵へ。
玄関で女将が迎えてくれた。
料亭久恵は万代傘下の会社。
女将は山下幸恵さん。
万代人事部秘書室からの出向。
私のテーブルには、
「頼り上手はくらし上手」
何ごとも一人ではやれない。
森敦も執筆を、山手線に頼った。
万代知識商人大学は、
第7期を迎える。
今年度は「万代大学院」の位置づけだ。
その第2回講義の前夜懇親会。
大学院の運営など、
話し合った。
私の右が阿部秀行社長、
河野竜一取締役。
左は芝純常務。
とくに芝さんには、
いろいろと仕事を頼んだ。
「頼り上手はくらし上手」
最後の最後は、
阿部さんがホテルまで送ってくれた。
ありがとうございました。
朝日新聞「折々のことば」
第2380回。
渋いものを味わったあと、
他のものが甘く感じたり
するじゃない?
(田村セツコのエッセー集『人生はごちそう』から)
田村はイラストレーター、
そしてエッセイスト。
この4月に84歳で新刊を書いた。
続けて、
「甘くないものでも
甘さを感じたりね」
そうそう。
「ごちそうには
甘いものだけではなく、
苦いのも、ピリ辛もある」
「そしていずれも滋養になって、
捨てるところがない」
スーパーマーケットの商品も同じ。
「渋いもの、苦いものの
味が残っているおかげで
味気ないものまで甘く感じられる」
編著者の鷲田清一さん。
「ポジティブ思考が魅力的」
そうそう。
チェーンストアも、
スーパーマーケットも、
知識商人も、
ポジティブ思考であってほしい。
それが魅力的であってほしい。
中内さんは、
「ネアカ・のびのび・へこたれず」だった。
〈結城義晴〉