成城石井の「株価売上高倍率」と「四季プロジェクト長崎離島編」
日経新聞電子版。
「成城石井はユニクロになれるか」
田中陽編集委員が書く。
㈱成城石井は、
ローソンの完全子会社である。
ローソンはその成城石井を、
上場させようと検討に入っている。
上々の際に重要になるのが、
時価総額だ。
時価総額は、
「株価×発行済株式数」。
株価は上場してみなければわからないが、
その予測はできる。
報道ベースでは成城石井の時価総額は、
2000億円超と見込まれる。
売上高は1092億円、店舗数は約170店。
純利益は73億円で、
利払い・税引き・償却前利益のEBITDAは、
約137億円。
ローソンは2014年に成城石井を買収した。
550億円だった。
当時の売上高は約544億円、
店舗数は約120店、
純利益は約20億円。
EBITDAは約2.4倍になった。
田中陽さんは、
この時価総額2000億円の根拠を明らかにする。
エクセレントスーパーマーケットのヤオコー。
2022年3月期の連結売上高5360億円、
時価総額は2584億円。
時価総額を年間売上高で割った指標が、
PSR(株価売上高倍率)だが、
ヤオコーも0.5倍程度。
そこで唐沢裕之ローソン上級執行役員の評価。
「食のブランド化に成功している
唯一無二の存在」
詳細は日経電子版を読んでほしいが、
セントラルキッチンから提供される惣菜、
すなわち「食の製造小売り」が挙げられる。
田中さん。
「強力な商品を数多く持つと、
それを目がけて店を訪れる消費者が増える」
「この循環が、
“成城石井らしさ””世界観”を
醸し出している」
さらに成城石井の店舗戦略は、
店舗規模と品ぞろえを立地によって最適化する。
そして各店舗のROI(投資利益率)を上げる。
成城で生まれた成城石井。
創業者の石井良明さんが去り、
経営権は幾度もファンドの手に渡る。
「そのたびに社内は動揺したが、
“成城石井らしさ”を守ろうと、
逆に組織が一丸となった」
「いつしか独自の進化を遂げ、
経営権が変わろうとも
“らしさ”に磨きをかける風土が養われた。
見渡せば唯一無二の存在に」
今、PSRが1倍を上回る小売業。
ファーストリテイリング、ワークマン、
丸井グループ、エービーシー・マート。
スーパーマーケットには見当たらない。
ファーストリテイリングは、
売上高の3倍超の時価総額を誇る。
上場の初値は公募価格の2倍強。
時価総額は売上高の3倍強だった。
田中さんは最後に言う。
「成城石井はユニクロになれるだろうか」
私は 上場のあとが大事だと思う。
商人舎流通スーパーニュース。
成城石井news|
「四季プロジェクト」で長崎離島の商品55品を5/20から販売
その成城石井が、
「四季プロジェクト〈長崎離島>編」を開始した。
長崎県の離島の食材など約55品を、
成城石井197店舗全店で販売する。
「四季プロジェクト」は、
成城石井創業95周年記念の企画。
“食” を通じて日本の “四季の魅力” を届ける。
その中で長崎離島編がスタートした。
日本各地の四季折々の旬の食材を取り上げ、
さまざまな商品やレシピとして紹介する。
一昨年の10月29日。
離島振興地方創生協会理事長の千野和利さんと、
成城石井社長の原昭彦さんが会った。
千野さんは元阪急オアシス社長・会長。
それから話はずんずんと進んで、
昨年、原さんは自ら長崎離島を訪れた。
それが「四季プロジェクト」につながった。
成城石井の社風は、
この「スピード」である。
石井良明、大久保恒夫と受け継がれて、
最後にプロパーの原昭彦が、
「艱難の挙句につくり上げた社風」と、
評していいだろう。
朝日新聞「折々のことば」
第2388回。
くだものが
やさいになったり、
やさいが
くだものになったりして、
うられます。
だから、
たいせつなのは
おいしくなること!
(なかやみわ『やさいのがっこう』から)
編著者の鷲田清一さん。
「双子のイチゴは野菜の学校で、
おいしい野菜になるために
いろいろ習うが、
自分たちは果物かもと思い直し、
果物の学校に移る」
「そして野菜は畑、
果物は木の上というふうに、
どこで育ったかで区別されると教わる」
「でもお店では味ごとに
一緒に並べられる」
イチゴは考える。
「所属よりも生き方が大事なんだ」
成城石井は、
自分らしい生き方を目指している。
〈結城義晴〉