とくし丸1000台突破チョロQと三浦守最高裁判事の「誠心誠意」
このところ、
仕事がうまくいっている。
仕事はなかなか、
思い通りにいかないものだ。
必ず他力本願の要素が加わるからだ。
自力本願だけでは、
ことはうまく運ばない。
商売ならば、
商人がどれだけ頑張っても、
顧客は簡単にそれに応えてはくれない。
顧客を魚に見立てて、
釣り上げるなどという商略テクニックは、
とうに見抜かれている。
創業のころのイトーヨーカ堂。
伊藤雅俊さんはご母堂から教えられた。
「お客さまは来てくださらないもの」
だから売ることよりも、
信頼と誠実を大切にした。
私の仕事も、
誠心誠意によって、
うまく進んだ。
人事を尽くして、
天命を待つ。
その結果、
おかげさまで、
ありがたいことになる。
とくし丸から、
「1000台突破記念」が送られてきた。
移動スーパーの草分け。
2012年に2台からスタートした。
2014年に10台を超えた。
ここまで2年以上かかった。
創業者の住友達也さん。
「まさに地を這うような創業でした」。
そこから少しずつ「2次曲線」を描き始めた。
創業4年後の2016年に100台、
8年後の2020年に500台。
そして10年後の2022年に、
記念すべき1000台突破。
おめでとう。
記念品はトミカの「とくし丸チョロQ」。
発売元は㈱タカラトミーアーツ。
とくし丸1000台突破も、
誠心誠意のたまものだ。
だから「篤志丸」なのだ。
さて、
東京電力福島第一原発事故。
避難者が起こした集団訴訟。
最高裁の審判は、
「国の賠償責任を否定する判決」だった。
ただ一人、三浦守裁判官は反論した。
「主体的に最新の知見を把握し、
責務を果たすという姿勢には
程遠いものだった」
「規制権限を行使する機関が
事実上存在していなかったに等しい」
三浦判事は、
最高検察庁検事や、
大阪高検検事長を務めて、
2018年に最高裁判事に就任した。
検事出身の最高裁判事。
昭和31年10月23日生まれの65歳。
〈2021年最高異才裁判官国民審査より〉
その「裁判官としての心構え」
「中立・公正の立場から
紛争の適正妥当な解決を図るという
司法の役割を果たすため、
与えられた職務に対し、
誠心誠意全力で取り組みたいと
考えています」
「近年、社会が急速に変化する中で、
社会における権利利益のあり様も複雑化し、
価値観も多様化していますが、
様々な視点から十分な審理・判断を
行うことができるよう、
自らも研鑽を積みたいと考えています」
「一つ一つの事件について、
常に謙虚に、
当事者の意見に耳を傾け、
自らの良心に問いかけながら、
考えを深めたいと思います」
誠心誠意全力で、
常に謙虚に。
自らの良心に問いかけながら、
考えを深める。
仕事も商売も同じだ。
ほんとうにそう思う。
〈結城義晴〉