7月は店も営業も「不平等を排して平等を貫きたい」
7月、文月。
2022年の後半に突入。
文月(ふみづき)のひと日ひと日が寿(ことぶき)
〈長谷川双魚〉
双魚は岐阜薬科大学教授、
東海女子短期大学教授を歴任した俳人。
七月文月の一日一日が、
目出度いことだ。
そんな7月になる。
文月や神祇釈教恋無常
〈正岡子規〉
「神祇(じんぎ)」は神道にかかわること。
「釈教(しゃっきょう)」は釈迦の教え、仏教のこと。
「恋」は恋。
「無常」は人生のはかないこと。
和歌の構造分類には、
深層の「人事」と表層の「自然」の両軸があるが、
深層の人事全般は、
この「神祇」「釈教」「恋」「無常」の、
4ジャンルのいずれかに当てはまる。
そこで和歌では、
「神祇釈教恋無常」という言葉が、
世の中の有様を意味するようになった。
ちょっと難しそうに見える句だが、
子規は和歌の常套の分類語を使って、
7月は人事全般様々であることを、
この一句に込めた。
文月や神祇釈教恋無常
異常な早さで梅雨が明けて、
6月の営業は、
全般に低調だった。
既存店が前年比を超えた企業は多くはない。
値上げラッシュで購買心理が冷えたか。
梅雨明けへのジャストインタイムの対応が、
それだけ難しいということでもある。
読者でもある勉強家の友人の指摘の一つ。
「年金支給日の特需」
忘れてはならない。
年金支給日は、
毎偶数月の15日。
月の半ばに2カ月分が支給される。
6月はその支給月だった。
2カ月分が払われるだけに、
豊かになった気分も2倍になる。
それに的確に対応すれば、
特需を生み出すことができる。
「年金支給日のご奉仕」
ターゲットマーケティング。
今や全国的に必須のイベントである。
昨年の7月には、
東京オリンピックがあった。
映画「東京2020オリンピック」は、
「映画も無観客」と揶揄されている。
一昨年は、
本来のオリンピックイヤーだった。
そのうえ両年ともに、
コロナ禍に遭った。
だから今年の7月は、
前年、前前年の情報が使いにくい。
7月7日(木)の七夕。
7月18日(月)の海の日の祝日。
しかし今年は7月10日(日)に、
参議院議員選挙投開票日がある。
1年で一番暑い1カ月だが、
地道に地道に商品を手当てし、
売場をつくり、
店に顧客を迎える。
そんな文月だ。
新型コロナウイルスの感染は、
再び増加に転じつつある。
全国の新規感染者数は、
黄金週間の連休明けに一時増えた後、
5月中旬以降、減少傾向にあった。
しかし6月29日までは、
前の週の1.17倍に増加した。
手洗い、マスク、ディスタンス。
今月も徹底したい。
今月の私は結構、忙しい。
7月5日に大阪に入って、
6日は朝から夕方まで、
セミナーの講師。
8日金曜日は、
フードストアソリューションズフェアの、
オンライン運営委員会。
セミナー企画も固まって、
9月7日・8日の開催を待つ。
7月11日(月)から13日(水)までは、
再び大阪。
ゴルフ拡大令和名人会で、
店舗クリニックとラウンド。
それから万代知識商人大学。
翌週の19日は第一屋製パン㈱、
20日は㈱True Dataの、
それぞれの取締役会。
21日・22日は、
千葉で連続セミナー。
これもフル出演で講師。
そして25日(月)は、
四日市で故小嶋千鶴子さんのお別れ会。
そのあとは月刊商人舎8月号の入稿。
暑さに負けず、
頑張ります。
朝日新聞「折々のことば」
第2425回。
社会状態が
人々に有利であるのは、
すべての人が
いくらかのものをもち、
しかも誰もが
もちすぎない限りにおいてなのだ。
(ジャン=ジャク・ルソー『社会契約論』から)
「社会状態とは、
人々が威力や暴力ではなく
法秩序の下で暮らしていること」
ロシアや中国、北朝鮮、
そしてウクライナを思う。
「その基礎は、
各人が生活に必要な資財を
所有することにある」
日本はそれが堅守されている。
「法律は、
富裕層に有利になりがちだが、
社会状態は本来、
身体や力の不平等を
法的平等へと転じることで
個人を護(まも)るものだ」
ルソーは社会契約論によって、
ユートピアを説いた。
参議院選では、
法的平等を頭に入れて、
投票したい。
では、みなさん、今月も、
店はあくまで、
不平等を排して、
平等を貫こう。
年金支給日ご奉仕もその一環だ。
〈結城義晴〉