「起き上がりやすい転び方」と関西フードマーケット四半期決算
かつてのワード資料を整理していたら、
私の「20日〆行動日誌」が大量に出てきた。
この商人舎のブログにそれを転載して、
私の行動記録の余白を埋めた。
その中から2005年のちょうど今頃の行動日誌。
ちょっと省略しつつ紹介しよう。
17年前、私は、
㈱商業界の代表取締役社長だった。
□暑い夏です。近年、体力も弱まり、夏を越えるのが少し苦しくなってきました。ボランティアでやっていたジュニアソフトボールの監督業も一昨年から後進に譲り、仕事一筋にしてきました。それでも辛い夏です。そう言えば、いつ以来でしょう、海で泳いでいないのは。
□7月21日、午後、西端徳治氏来社。ニチイ創業者の西端行雄さんと春枝さんの御子息。
□22日、『商業界』『販売革新』の連続拡大媒体会議□25日、小社恒例の部長会、編集長会議。新製品開発会議は42回をもって発展的に解消し、本来の編集長相互による「成功事例・失敗事例」の「水平展開」を図ることとなります。夕方、販売部会議。夜は、編集長会議の流れで、編集長懇親会。こういう飲み会はついつい飲みすぎてしまいます。暑さに負けず。
□26日、台風飛来。夕方、中経出版訪問。杉本惇社長はじめ幹部の方々にお会いして、9月10日(土)に 創刊予定の総合生活実用誌『月刊 旬なテーマ』を巡っての情報交流。今後、もっともっと社員レベルでの交流を深めたいと思います。
□27日、午前中、商業界「頑張れネット店長同友会」の例会で講演。第二回目。インターネットモールの優秀店長が集まる同友会で、活気満点。その後、夕方、軽井沢の「トリマス会」へ。とりせん社長の前原章宏社長主催で、関西スーパーマーケットの井上保社長、スーパーアルプスの松本清社長、サミットの角屋毅副社長といったスーパーマーケットのトップ、正田醤油の本川保之社長、フジッコの福井正一社長、あづま食品の黒崎英機社長といった食品メーカーのトップ、それに作家でオール日本スーパーマーケット協会会長の荒井伸也さんといった面々が集まる会合。2泊3日で、充実の内容。勉強になることばかりです。
□月が変わって8月2日、第74回商業界ゼミナール企画運営委員会。全体構成とメインテーマが決まりました。メインテーマは「目指せ! 千客万来」に決定。「千人の顧客、万回の来店」――すなわちロイヤルカスタマーを一人ひとりつくって、その信奉顧客に何度も来店していただきましょう、という考え方を大テーマにしたわけです。これは「ブーメランの法則」でもあり、「特定多数のマーケティング」でもあります。私の持論。
□3日、小社役員会(取締役会)。4日、六本木と青山でアポイント。
□5日、東松山で商業界埼玉同友会の暑気払い講演。かつて埼玉には多くの同友会がありましたが、現在それらが集まって、一つの同友会となっています。すなわち同友会の合併。ネット店長同友会が出来たり、合併した埼玉同友会が結集したり、世の中の動きと同じ流れで、商業界で勉強するグループが変化していきます。これこそ重要なことです。チューターの栗原一博さんに東松山を御案内いただき、学ぶところ多し。同じくチューターの余湖秀夫さんには「転ぶにも転び方がある」という金言をいただいて、これにも感謝。会社を倒産させるにしても、手放すにしても、あるいは赤字を出すにしても、上手な「転び方」がある。起き上がりやすい「転び方」がある。余湖さんはそれを言うのです。全く同感。私の講演も、しんみりと、それでいて快調。
□8日、役員会。9日、緊急部長会。夜、荒井伸也さんのお招きで、四谷のフランス料理店「ラノー・ドール」で食事。いつものように刺激的で、楽しい会合。オーナーシェフの谷川康信さんの夏らしいすっきりとしたフランス料理を堪能。『食品商業』山本恭広編集長も同道。このラノー・ドールで、荒井さんから住商食品の塩川幸夫社長に紹介を受ける。良い出会い。翌日すぐに塩川さんから資料到着。仕事が速い。
□10日、朝、『食品商業』拡大媒体会議。午後、出版合同会議。11日午前10時、全社員に集まってもらって、中小企業退職金共済への移行説明会。出版社経営にとって、退職金は重大な問題なのです。午後、エコス専務の石塚隆正さん来社。感度の良い元銀行マン。私と同年。良い情報交換。夕方、第1回「新製品開発役員プレゼン」。新製品開発会議に代わって、商品開発のスピードアップを図る機能。上々の滑り出し。12日、役員会。
□15日、役員会。16日、宮城県を中心に東日本に大型地震。しかし長岡、新潟も心配御無用。地震には強い。18日役員会。午後、我孫子訪問。㈱商業界会館の小熊覚三郎社長訪問。19日、㈱商業界決算役員会。午後、『ファッション販売』『飲食店経営』の連続拡大媒体会議、両誌ともに好調。好調な仕事は好調な人間関係がつくり出す。
□暑い夏ながら、衆議院は解散し、9・11への選挙戦真っ只中。その瞬間は何が起こるか分からないと思いつつも、時を経て振り返ってみると、シンプルな流れの中に存在した自分に気がついて、ハッとするものです。
□「ころぶにもころび方あり夏の道」
――会社をどんどん改革していた。
それもあって会議が多かった。
この8月期の決算は、
商業界の歴史で最高の利益を出した。
商業界の5誌の拡大媒体会議に出て、
役員会や編集長会議を連続的に主催し、
2月ゼミナールの運営委員会でテーマを決める。
暑い夏だけれどその合間を縫って、
多くの人と会っていた。
荒井伸也さんは68歳だった。
今の私はあの時の荒井さんの年を超えた。
結城義晴は53歳。
一応、元気だった。
戻りたいとは思わないが。
さて今日の商人舎流通SuperNewsから。
関西フードマーケットnews|
統合後の第1Q売上高910億円・経常利益4億円
㈱関西スーパーマーケットと、
イズミヤ㈱、㈱阪急オアシスの3社が、
昨2021年12月、株式交換により経営統合。
㈱関西フードマーケットとなった。
林克弘社長。
その2023年3月期の第1四半期決算。
収益認識に関する会計基準等を適用した。
上の「20日〆行動日誌」では、
故人となった井上保さんが、
関西スーパーの社長だった。
その四半期の連結売上高は909億9700万円。
営業利益5億1500万円、経常利益4億4100万円。
営業利益率は0.6%、経常利益率は0.5%で、
まだまだこれからだ。
イズミヤの既存店売上高前年同期比は94.4%、
阪急オアシスは90.0%。
関西スーパーは96.3%。
光熱費が高騰した。
新聞折り込みチラシを再開して、
広告宣伝費が増加した。
その一方で、消耗品費や警備費等を見直した。
結果として経費は前年実績を下回った。
広告宣伝費は再考の余地があるはず。
2023年3月期の見込みは、
売上高3840億円、営業利益80億円。
今は、この通期予想を達成することだ。
本格的な融合と改革は来年度からだ。
ころぶにもころび方あり夏の道
起き上がりやすい転び方というものが、
あるのだ。
〈結城義晴〉