月刊商人舎8月号「チェーンストアの営業と商売」発刊!!
青森や秋田の豪雨。
お見舞い申し上げたい。
これまでになかった気象現象が起こる。
とはいっても、
それは観測史上という短期間では、
初めてのことなのだ。
長いながい歴史を辿れば、
起こらなかったわけではない。
今、その「極端気象」が起こっている。
その根本原因は、
地球温暖化の進捗である。
環境をピンボールの台に喩えると、
温暖化でその台が傾いてしまった。
温暖化をUnder Warmer Climateという。
だから降る雨の全体量は同じでも、
集中豪雨が発生する。
線状降水帯ができる。
それが極端な集中豪雨をもたらす。
今回のエリアにも、
多くの小売業が店を展開する。
地域のインフラとなって、
人々に貢献してほしいものだ。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
本日、月刊商人舎8月号発刊。
特集は、
チェーンストアの営業と商売
戦略と戦術・計画と実践
[Cover Message]表紙の言葉。
「複合危機」は続く。夏から秋、秋から冬へ。コロナ禍はオミクロン株のBA.5となって爆発的に拡散し、ロシアによるウクライナ戦争は終わるどころか泥沼化し、新たに中国による台湾の恫喝にまで飛び火する。商品値上げラッシュは2022年末までとどまる気配はないし、エネルギーコストをはじめとする諸経費増の要因も解消される見込みはない。このとき小売業は、商業は、そしてチェーンストアは、いかに戦略を立て、戦術を行使するか。いかに計画し、実践するか。本特集はそれを考察し、素案を提示するものである。
日本のチェーンストアは「流通革命論」に触発されて、商業の工業化を志向し、それに向けて邁進した。その結果、インダストリアリズムやエンジニアリングの初歩を学び、抜本的な生産性の改革を求めた。しかしそれだけでは実利は出ない。そこであの手この手の「販促」に傾斜した。結果として、標榜する標準化と薄利しか生まない販促のはざまで、小売商業が本来的に有する「商売」が置き去りにされた。商販一体となって展開されるべき「営業」は分断された。今、複合危機を目の前にして、チェーンストアは本当の「営業と商売」を取り戻さねばならない。
ウォルマートの創業者サム・ウォルトン。
商売を始めたばかりサムには、
「営業と商売」の意欲とアイデアが、
満ち溢れていた。
「セルコレポート」の連載、
結城義晴の「艱難は商人を鍛える」。
「第3回 サム・ウォルトンの絶望」から。
――サムはいつも、「型破りのメーカーや卸売業者」を探していました。さらに販売促進のためにポップコーンの機械を導入して、つくり立てのポップコーンを売り、やがてその横にアイスクリームの機械を置いてアイスクリームを販売しました。そんなバラエティストアは全米を探しても見当たるものではありませんでした。
――サム・ウォルトンには顧客を集める商売の才能があったのです。小さなニューポートのベンフランクリンは、開業してから5年間で、年間25万ドルを売り、4万ドルの純利益を上げるまでに育ちました。
――「アーカンソー州だけでなく、6州すべてのベンフランクリンの中で売上げ、収益ともにナンバーワンであった。バラエティストアとしてはアーカンソーで最大であり、おそらく近隣の3、4州のうちでも一番だっただろう」とサムは自慢げに書いています――。
このサム・ウォルトンの「営業と商売」がいま、
日本のチェーンストアに求められている。
私たち商人舎はそう考えた。
[Contents]目次。
大久保恒夫㈱西友社長兼CEO。
私との対談のタイトルは、
「安さ」は大事だけれど、
「安売り合戦」はしない!!
そして赤羽店の「大久保マジック」。
写真構成で紹介する。
それから阿部秀行㈱万代社長。
阿部秀行の「シンプル商売論」
「上がったり下がったりして、
変化があるほうが商売には一番いい」
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さん。
「商才と算盤」を強調するが、
この「商才」がチェーンストアマンから、
薄れていってしまっている。
[特別企画]
2022秋冬営業企画素案
この特別企画は、
山本恭広新編集長の労作。
編集部全員でサポートした。
9月・10月・11月・12月。
営業企画に関する大胆な素案を提案した。
この「素案」を参照して、
自社、自店の「商売」のストーリーを、
徹底的に見直してほしい。
それから㈱True Dataプロジェクトチーム。
2022の新しい購買動向と商品動向
さらに気象コンサルタントの常盤勝美さん。
2022秋冬のウェザーMDの要諦
「9/20寒候期予報」で今冬計画をアップデートせよ!
極端気象の考え方をもとに、
最も重要な商売の要件をアドバイスする。
最後に[Message of August]
今日も商売、
おまんまうまいよ。
岡田徹は謳う――。
あなたの今日の仕事は、
タッタ一人でよい
この店へ買いに来てよかったと
満足してくださるお客さまを
つくることです。
あなたの店があるおかげで
一人のお客さまが
人生は愉しいと
知ってくださることです。
チェーンストアとなって、
何十店、何百店、何千店となろうとも、
一人のお客さまをつくることに邁進する。
そこからはじめるのが商売だ。
ウォルマートのケビン・ターナーは言った。
私たちは世界最大の会社を、
つくろうとはしていない。
地域の1店1店を、
最良の店にしようとしているだけだ。
シンプルな商売ができれば、
それだけでいい。
それがいちばんいい。
そうすれば、
こんな人生を送ることができる。
今日も商売、
おまんまうまいよ。
彫刻家・平櫛田中の言葉を借りた。
「今日もお仕事、おまんまうまいよ」
商品が値上がりしようが、
雨が降ろうが、台風が来ようが、
商売と向き合っていれば、
おまんま、うまいよ!
〈結城義晴〉