離島振興地方創生協会3周年と「無事と無碍の境地」
9月2日。
70回目の誕生日。
何ごともなかったかのように、
淡々と過ごしたい。
そう思っていた。
メールやフェイスブックで、
多くの方々から、
お祝いの言葉をいただいた。
心から感謝したい。
今日は東京へ。
新橋からゆりかもめ。
外は雨。
レインボーブリッジが、
雨に煙る。
台場のホテルグランドニッコー東京。
そのパレロワイヤル。
一般社団法人、
離島振興地方創生協会。
略して「離創協」
創立3周年記念の懇親会。
2020年4月、
コロナ禍の真っ只中に発足し、
感染症パンデミックの間に、
驚くべき活動を展開し、
確かな成果を上げてきた。
まず理事の面々が登壇。
理事長は千野和利さん。
ご存知、元阪急オアシス会長。
長崎県の平田修三副知事が、
来賓の挨拶。
乾杯の音頭は川野幸夫さん。
日本スーパーマーケット協会会長にして、
㈱ヤオコー会長。
川野さんのスピーチ。
「サプライチェーンは、
川上と川下のコミュニケーションが、
取りにくいのが通常のこと。
離創協はその難しい役目を、
見事に果たしている」
「千野さんの情熱があるからこそ、
この活動が可能となる」
堂々としていて、
とてもいいスピーチだった。
私、感動した。
そのあと、全員で乾杯。
そして懇親。
㈱サンシャインチェーン本部の、
川崎博道会長。
離創協理事の中野勘治さん。
元三菱食品会長。
そして千野理事長。
千野さんには来週、
フードストアソリューションズフェアで、
総括講演をしていただく。
そこに白鳥和生さんが加わった。
日本経済新聞調査部次長。
最後の最後、
中締めは佐々木 淳一さん。
㈱日本アクセス社長。
朝日新聞「折々のことば」
昨日の第2485回。
究竟(きゅうきょう)なものを
「無限」なものとか
「絶対」のものとか
「不二」なるものとかいうが、
「無」も「絶」も「不」も
凡(すべ)て否定語である。
(柳宗悦の評論「寂の美」から)
「有無や生死、自他や愛憎などへの執心を離れ、
こうした”二元”の対立から脱してはじめて、
人は何にも囚(とら)われぬ、
“無事”と”無碍(むげ)”の境地に立てる」
「無事」とは、
危険・不幸・大過などが起こらない状態。
あるいは、健康でいること。
「無碍」とは、
とどこおらせる障害がないこと。
邪魔するもののないさま。
それを自然にできること。
無理せずその世界にいること。
柳宗悦は、
武者小路実篤や志賀直哉らと、
同人誌『白樺』を創刊した。
いわゆる白樺派だ。
しかし小説など書かず、
美術評論や宗教哲学論などを物した。
そして日本の民藝運動を主導した。
編著者の鷲田清一さん。
「自由は何かの否定を伴うということか」
ブレーズ・パスカル。
『パンセ抄』から。
あまりに自由なのは、
良いことではない。
必要なものを、
全部持っているのは、
良いことではない。
柳宗悦が教える、
二元の対立から脱する。
無事と無碍の境地に至る。
そういった心の世界に足を踏み入れるのが、
私のこれからなのだと思う。
ここまで生かしてもらった。
ありがたい。
〈結城義晴〉