エリザベス女王の「緑の魔法使い」と物価上昇の時の「正義の味方」
台風14号は温帯低気圧に変わった。
しかし東日本には雨が残った。
「庭師導いた女王の言葉」
朝日新聞の記事。
2010年5月のチェルシーフラワーショー。
ロンドンで開かれた、
世界最高峰のガーデニング大会。
庭園デザイナーの石原和幸さんが、
出展していた。
現在64歳。
作品名は「風花」。
故郷・長崎市の里山をイメージした庭だ。
柱や壁をコケで覆い、
小川のせせらぎを再現した。
椅子は薪でつくった。
大会を主催するのは、
英国王立園芸協会。
その総裁がエリザベス女王だった。
「素敵ね」
笑顔で庭に入ってきて、
声をかけられた。
石原さんは、驚きながらも、
女王に庭を案内した。
「これが全部コケなの?」
「この紅葉はなんていう品種なの?」
「この植物は何?」
次々と質問が飛んだ。
「小さいころの秘密基地がテーマなんです」
石原さんが打ち明けると、
女王は楽しそうに言った。
「あなたって、
緑の魔法使いみたい」
この言葉が糧になった。
石原さんは22歳で池坊に入門。
29歳で路上の花売りをやった。
35歳のころ、独学で庭造りを始めた。
「自分の好きな世界をつくろう」
「女王の言葉のおかげで、
ぼくは一生涯、
この仕事を続けようという
自信ができたんです」
石原さんは「緑の魔法使い」として、
世界に名を広めた。
エリザベス二世はそんな人だった。
ご冥福を祈りたい。
日経新聞夕刊一面トップ記事。
「消費者物価8月2.8%上昇」
総務省が発表した8月の消費者物価指数。
変動の大きい生鮮食品を除く総合指数は、
102.5となり、前年同月比2.8%上昇した。
1991年9月の2.8%以来、
30年11カ月ぶりの上昇率。
さらに5カ月連続で2%台となった。
資源高や円安が、
エネルギー関連と食料品の価格を押し上げた。
記事はなんだかうれしそうだ。
生鮮食品を含む総合指数は3.0%の上昇率。
こちらは91年11月以来、
30年9カ月ぶりの水準。
米欧の上昇率は8~9%台だ。
だから日本はまだ低い水準にある。
食料は4.7%上昇した。
7月の4.4%を上回った。
生鮮食品は8.1%(7月は8.3%)、
生鮮食品を除いた食料は4.1%(同3.7%)。
食パンは15.0%、チョコレートは9.3%。
食用油は39.3%上がった。
サケは28.0%、牛肉輸入品は10.7%、
梨は10.4%。
外食のハンバーガーは11.2%。
民間エコノミスト36人の予測平均。
消費者物価指数上昇率は、
四半期ベースの前年同期比で、
22年7~9月期が2.49%、
10~12月期が2.64%。
23年は1~3月期まで2%台で推移し、
4~6月期に1%台になる。
まだまだ物価は上がる。
喜んでばかりもいられない。
生活者の苦しさは続く。
年金生活者など、
年金が増えるわけではない。
低所得の人たちも、
物価が上がったからと言って、
収入が増えるわけではない。
賃金もすぐには上がらない。
小売業は少しでも、
そういった人たちに寄り添いたい。
今日は朝から東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。
12時に役員会を終えて、
すぐに自宅にトンボ帰り。
そして新横浜から新大阪へ。
明日21日は万代カレッジ。
その前日に割烹久恵で、
明日の講師になってくれる幹部と、
打ち合わせをし懇親をする。
私の右隣は阿部秀行社長。
左隣は圓石一治取締役。
店舗運営・サポート部管掌。
そして山口成樹取締役。
システム・物流管掌。
阿部社長がいつものように、
定宿まで送ってくれた。
月刊商人舎8月号。
阿部さんの言葉。
「上がったり下がったりして、
変化があるほうが
商売には一番いい」
今がそれだ。
そのうえ小売業は国民のための、
正義の味方である。
正義の味方で、
面白い重要な仕事。
すべての国民のためというスタンスは、
エリザベス二世と同じである。
同志である。
合掌しよう。
〈結城義晴〉