六代目円楽の「訃報」とニトリ「増収減益」&「無印良品500」
9月最後の日。
六代目三遊亭円楽が死んだ。
72歳だった。
惜しい。
70台でも噺家の死は、
惜しいと感じる。
これからその落語家としての、
本質が滲み出てくるはずだからだ。
東京墨田区生まれの江戸っ子。
両国中学、深川高校、
そして青山学院大学法学部を卒業。
在学中の20歳のときに、
五代目円楽の鞄持ちになって、
そのまま1970年、入門。
40年間、楽太郎を名乗った。
名付け親は大師匠六代目圓生だった。
1977年に「笑点」メンバーに抜擢された。
私が㈱商業界に入社したころだ。
二つ上の同世代で、
早くも世に出た、頭の回転の速い噺家に、
ちょっと嫉妬した覚えがある。
それでも私は当時、
楽太郎の師匠五代目円楽世代の、
古今亭志ん朝を好んだし、
大阪の桂枝雀が大好きだった。
志ん朝は63歳、
枝雀は59歳で没した。
六代目円楽は、
これから必ず、
志ん朝や枝雀の域に入っていく。
そう思っていた。
六代目円楽はその意味で、
早咲きの大器晩成のはずだった。
師匠もかなわなかった、
七代目の三遊亭圓生を、
継ぎたかったに違いない。
それを考えると、
やはり惜しい。
ご冥福を祈りたい。
さて、
ウラジーミル・プーチン。
ロシア連邦大統領。
ウクライナ東部と南部の4州を、
一方的に併合すると宣言した。
住民投票で編入賛成が多数だったと主張。
2014年3月にはクリミア半島を併合した。
住民投票は現代国家として、
体をなしていない。
ジョー・バイデン米国大統領は、
「結果はでっち上げだ」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、
「命よりも戦争を望む人物を
止めなければならない」
国連のグテレス事務総長は、
「法的価値を持たない」
時代錯誤の領土拡大。
許されるはずはない。
許してはならない。
私には静観することしかできないけれど。
日本の小売産業は活発だ。
商人舎流通スーパーニュース。
ニトリnews|
第2Q売上高4231億円2.1%増も経常利益10.9%減
2月21日~8月20日の上半期業績。
増収減益。
売上高4231億円(前年同期比2.1%増)、
営業利益690億4500万円(10.9%減)、
経常利益704億3000万円(10.9%減)。
「円安」と「配送コスト増」に直撃されて、
利益が1割減った。
それでも営業利益率は16.3%、
経常利益率は16.6%。
7月には353店舗で開店時間を1時間早めた。
午前11時を午前10時に繰り上げた。
早い時間帯に買物をしたいという、
顧客の声に応えた。
一方、
良品計画news|
新フォーマット「無印良品 500」三鷹市に1号店
500円以下の商品を集めた新フォーマット。
「無印良品500」
やっと始めたか。
そんな印象だ。
無印良品500は、
JR三鷹駅の駅ビル内の「無印良品」を改装。
500円以下の日用品・消耗品が約7割の商品構成。
生活必需品の品揃えが基本。
洗剤各種や掃除用品、キッチン用品、
トイレットペーパーやキッチンペーパーなど紙類、
歯ブラシや歯磨き粉などの洗面用品、
化粧水・乳液などのスキンケア用品、
シャンプーやコンディショナー、
下着やくつ下、ノートやペンなど文房具、
スープやカレーなどの食品、
クッキーなどの菓子。
500円以上の商品もある。
アメリカにはすでに、
「ファイブ・ビロウ」がある。
Five Below。
文字通り5ドル以下の店。
2021年年商28億4800万ドル。
購買力平価の100円で換算すると、
2848億円で何と伸長率45.2%。
絶好調だ。
良品計画の三鷹の店の売場面積は55坪。
品揃えは約3000アイテム、
500円以下は約2000アイテム。
出店計画は、
2023年2月末までに、
都心部を中心に30店舗。
その後は年間20店舗のペース。
これは控え目な計画だろう。
地方都市では、
スーパーマーケットとの共同出店を、
加速させている。
良品計画の2021年8月決算は、
売上高4537億円。
営業利益424億円、経常利益454億円。
それぞれに9.3%、10.0%。
ニトリは標準店のほか、
デコホームやニトリEXPRESSを展開する。
つまりマルチフォーマット戦略。
良品計画もこの戦略を採用し、
コロナ禍の最後にスタートさせたわけだ。
何ごとも遅くはない。
六代目円楽の死は、
早すぎるけれど。
合掌。
〈結城義晴〉