イオン第2四半期決算の「マルチ・フォーマット」と「プロのひと品」
昨日までのぽかぽか陽気とは、
うって変わって雨模様。
ヒヤリとした寒さも感じられる。
商人舎オフィスそばの新田間川。
岡野町交差点。
一雨ごとに秋が深まる。
今日も原稿執筆とともに、
16時からオンライン記者会見。
イオン㈱の2023年2月期の第2四半期決算。
商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews |
第2Q営業収益4兆4871億円・経常利益953億円/過去最高益
吉田昭夫イオン㈱社長が、
第2四半期決算の結果を報告した。
営業収益は4兆4872億円で前年同期比3.3%増。
過去最高を更新した。
営業利益は959億円(22.3%増)、
経常利益は953億円(22.3%増)。
どちらも増益。
つまり増収増益。
四半期純利益は180億円の293.1%増。
黒字転換。
それもあってのことだろう、
吉田さんの口調や態度は、
自信に満ちていた。
つくづく感じる。
吉田さんは、
こういったプレゼンテーションが、
実に的確で上手い。
知見の抱負さと頭の回転の速さが、
滲み出ている。
そこに自信が加わった。
2020年3月1日に社長に就任してから、
2年半が経過した。
その間はずっとコロナ禍に見舞われた。
試練を潜(くぐ)り抜けたことで、
その自信がさらに深まったのだと思う。
吉田さんが何度も口にしたのが、
「マルチ・フォーマット」という言葉だ。
イオンリテール㈱の収益改善が、
全体の増益に大きく貢献した。
セブン&アイ・ホールディングスが、
コンビニの一本足打法に傾斜しているから、
「マルチ・フォーマット」の連呼が、
余計に印象に残った。
吉田さんの次に、
土谷美津子執行役商品担当が登場。
イオントップバリュ㈱社長を兼務する。
土谷さんは今年3月1日に商品担当に就任して、
「価格凍結宣言」を継続し、
そのうえで、
「トップバリュ プロのひと品」シリーズを、
ヒットさせている。
月刊商人舎4月号のインタビューでは、
「努力努力努力、工夫工夫で1円を絞り出す」
この努力努力努力と工夫工夫こそ、
土谷美津子のモットーだ。
商人舎11月号で詳細を報告し、
私なりの分析を加えよう。
1日中、原稿を書き、入稿をして、
ちょっと疲れた。
今月号は山本恭広編集長の頑張りに尽きる。
広告は紀文食品。
ありがとうございました。
今日の朝日新聞「折々のことば」
第2518回。
すっと心に
流れ込んでくるような歌が
いいんです。
玉のような感じで、
まろやかに、
ふうっと心に入ってくる。
(歌人・岡野弘彦)
「師・折口信夫から学んだのは
“いい歌”という感覚だった」
「”いい歌”は論理的な説得によらず、
じかに心に沁(し)みる」
現役最長老の歌人、98歳。
昨年暮れに『岡野弘彦全歌集』を刊行。
編著者の鷲田清一さん。
「が、玉を待ち受ける心の開けは
どうしたら得られるのか。
生理的な体感に沿った
吸水路のようなものとして
歌の定型があるのか」
いい商品も、
すっと心に流れ込んでくる。
玉のような感じで、
まろやかに、
ふうっと心に入ってくる。
雑誌の文章だって、
すっと心に、
流れ込んでくるようなものがいい。
98歳の岡野さんくらいになったら、
その域に到達できるかもしれない。
〈結城義晴〉