TOKYO PACKの「レンゴー」と稲盛和夫の「艱難は商人を鍛える」
今日は東京ビッグサイト。
ここに来るとパリやケルンを思い出す。
パリのシアル、
ケルンのアヌーガ。
世界二大食品フェア。
シアルはパリノール展示場、
アヌーガはケルンメッセ展示場。
私は1992年から2004年まで、
シアルドールの日本代表委員を担っていた。
だから偶数年は春と秋に、
フランスのパリを訪れた。
その間、奇数年にはドイツのケルンから、
招待されて取材した。
この東京ビッグサイトの国際展示場に来ると、
そのころのことが思い出される。
1996年の開場。
建築面積約16万㎡、展示面積約11.5万㎡。
日本最大のコンベンションセンター。
しかし、世界で見ると36番目の規模だ。
TOKYO PACK2022。
東京国際包装展として、
1966年にスタート、以来、隔年開催。
包装資材・容器、包装機械を中心にした展示会。
レンゴー㈱のブースへ。
2022年3月期連結営業収益は7469億円。
ゼネラル・パッケージング・インダストリー。
デモンストレーション。
New Smart Display Packaging(NSD)の機械。
全自動でふりかけの商品が出来上がる。
段ボールケースをワンタッチで開封して、
そのまま陳列できる。
さまざまな段ボールケース。
細かいゴミが出ない、
片付けが楽。
冷蔵ショーケースでの、
段ボールカット陳列。
フクシマガリレイ㈱とのコラボレーション。
「デジパケ」は、
デジタル印刷活用のパッケージ。
藤井利明さんと岡野香織さん。
藤井さんはパッケージング部門、
開発本部開発営業第一部次長、
開発営業第一課課長。
岡野さんは、
デザイン・マーケティングセンター、
マーケティング課課長。
山本麻依子さん。
デザイン・マーケティングセンター、
マーケティング課。
凄い展示会で、
面白いものばかりだった。
会社に戻って、
月刊商人舎10月号を手に取る。
うれしい瞬間。
今月号もいい出来栄えです。
それから「セルコレポート」が届いていた。
私の連載は、
「艱難は商人を鍛える」
第六回は、
「稲盛和夫の”神の手”」
8月24日に逝去された稲盛和夫さん。
その若いころの艱難の人生を書いた。
朝日新聞「折々のことば」
第2514回にも稲盛さんの言葉。
飛び石を打ってはなりません。
(稲盛和夫)
「囲碁に喩(たと)えれば、
“石はつないで打つ”のが肝要」
「事業を多角化する時も、
自分が”得手”とする範囲でしか
やってはいけない」
稲盛さんが、
悩める中小企業の経営者らに語る。
NHK・BS1の番組「逆襲のシナリオ」から。
チェーンストアの出店戦略も同じ。
基本は隣接する商圏に、
次々に店舗をつくっていく。
そして商勢圏をつくる。
その意味で、
「飛び石を打ってはいけない」
しかし一定の商勢圏をつくって、
ドミナントエリアが完成したら、
次の商勢圏を求めて、
飛んでもいい。
碁で言えば「地」をつくったら、
飛んでもいい。
稲盛さんの考え方と言葉は、
小売業やサービス業にも、
大いに参考になる。
しかし稲盛和夫の生き様そのものが、
何よりもいい勉強になる。
私の原稿をちょっとだけ紹介。
――家は貧しく、稲盛少年は、
紙袋の行商に勤しむことになります。
「父が内職で作った紙袋を自転車に積んで
市内を売り歩くのである」
――ヨークベニマルの「野越え山越」のようです。
「どこも品薄で飛ぶように売れ、
あまりの繁忙に中学を出たばかりの子を雇った」
――商人としての才能があったのです。
「私の一気の攻勢に
福岡からきていた同業者が撤収したと聞いた。
私の事業の原点はこの行商にある」
やはり稲盛さんは、
技術者であり、商人でもあったのです。
「艱難は商人を鍛える」
あらためて、ご冥福を祈りつつ、
心から感謝しよう。
〈結城義晴〉