清水信次さんの「訃報」とジャパン・インフォレックスの講演
Everybody! Good Monday!
[2022vol㊺]
2022年第45週。
11月第2週。
今日は立冬。
冬が立つ日。
その立冬の訃報。
清水信次さん。
とうとうそのときが来た。
私はそう思った。
㈱ライフコーポレーション名誉会長。
商人舎流通スーパーニュースに、
略歴が紹介されている。
訃報|
ライフ創業者の清水信次名誉会長逝去、96歳
清水さんは1926年4月18日、
三重県津市生まれ。
大正15年。
故渥美俊一先生と同年で同郷。
このブログに何度も書いたが、
私は大正15年生まれの人たちに、
世話になり続けた。
私の両親はともに大正15年生まれ。
そして清水さんと渥美先生。
早稲田大学商学部のゼミの教授も、
大正15年生まれの壽里茂先生だった。
清水さんが一番、長生きだった。
初めてお会いしたのは1977年。
東京駅近くの清水さんのオフィスに、
インタビューに出かけた。
おどろおどろしい事務所で、
たくさんの額や掛け軸がかかっていた。
その中に孫文の書もあった。
戦前戦後の歴史をとうとうと語り、
最後に流通産業の大義を話してくれた。
その後もずっと、
世話になりっ放しだった。
販売革新で鮮魚のカッティング技術を、
1年間かけて連載した。
そのときには清水さんの一声で、
ライフ川口領家店のバックヤードを、
毎月1回、夜間に提供していただいた。
商品も供給していただいた。
講師と技術者は、
ダイエー出身の西村弘さんだった。
「最新鮮魚マーチャンダイジング」として、
別冊号で発刊した。
売れに売れた。
これがスーパーマーケットのための、
はじめてのカッティングテクノロジーだった。
ライフは1982年、
実弟の清水三夫さんが社長となった。
信次さんは会長になった。
私は大阪に三夫さんのインタビューにも訪れた。
コンピュータなど新しいことに関心があって、
ちょっとユニークな経営者だった。
しかし、三夫さんは1988年に社長を降りて、
信次さんが会長兼社長となった。
それからは1990年代の、
怒涛の進撃。
ライフはこの進撃で、
日本のスーパーマーケット第一位となった。
2006年3月には39歳の岩崎高治さんに、
代表取締役社長兼COOを任せて、
ご自分は会長兼CEOに就任。
この眼力こそ、
清水さんの真骨頂だった。
1999年、日本スーパーマーケット協会創設。
創設のときには記念講演を仰せつかった。
タイトルは、
「スーパーマーケットよ 永遠なれ」
その後、清水さんが会長の10年間ずっと、
総会後のパネルディスカッションを、
コーディネーターとして仕切らせてもらった。
2007年8月31日に、
㈱商業界の代表取締役社長を辞すると、
日本橋の清水さんのオフィスを、
「自由に使ってくれ」と言って、
励ましてくれた。
2011年、東日本大震災のあと、
二度目の日本チェーンストア協会会長にご就任。
またパネルのコーディネーターに招かれた。
月刊商人舎創刊の準備号では、
巻頭に登場していただいた。
いつもいつもお世話になりっ放し。
お返しはできたのだろうか。
私は清水さんを、
「ポリティカル・マーチャント」と呼んだ。
そしてこれからの商人は、
ポリティカルであるべきだと訴えた。
つまり清水信次を見倣え、と。
最後に直接お会いしたのは、
2020年4月26日、
ライフコモレ四谷店オープンのとき。
ご家族が揃って、うれしそうだった。
最後のツーショット写真はこれ。
2019年11月6日。
日本スーパーマーケット協会20周年のとき。
心から、心から、
ご冥福を祈りたい。
今日は午後から東京・新橋。
第一ホテルのロビーには、
大きなクリスマスツリー。
㈱ジャパン・インフォレックスユーザー会。
挨拶と事業概要の説明は、
同社の西田邦生社長。
西田さん、かっこいい。
来賓挨拶は㈱ファイネットの久我章良さん。
代表取締役専務。
さらに流通システム開発センターの森修子理事。
その後、特別講演は結城義晴。
タイトルは、
「コロナはRetail DXを早めた。」
冒頭で清水信次さんのご逝去の報告をして、
この講演を清水さんに捧げる、と宣言した。
講演の途中、脱線して、
「商品情報プラットフォーム」の話題になり、
2000年のWWREとGHX、
2005年のGS1と1WSを語った。
WWREはWorld Wide Retail Exchange、
GNXはGlobal Network Exchange。
GS1はGlobal Standard One、
1WSはOne World Sync。
いずれも世界の共同機関。
巨大チェーンによる共同商品調達機関は、
囲い込みによる閉鎖的なネットワークだった。
それがデータ中心の時代に変わると、
閉鎖性の壁がなくなる。
そこでOneになる。
これがプラットフォームの効用である。
その効用を活用しない手はない。
それでも1時間きっかり、
一気呵成に語りきった。
清水さんが導いてくれた。
懇親会では時岡肯平さん。
日本加工食品卸協会専務理事で、
コーネル大学・ジャパン「伝説の1期生」。
最後に西田さんとツーショット。
清水信次さんは、
私にとって父のような存在だった。
ありがとうございました。
みなさんも、
ともに合掌してください。
Good Monday!
〈結城義晴〉