万代知識商人大学前夜交流と「世界人口80億人」の「他人の立場」
大阪上本町の定宿、
シェラトン都ホテル大阪。
1時間ほどホテルのカフェで打ち合わせ。
そしてタクシーで今里新地へ。
日本料理の料亭久恵。
若女将が玄関で出迎えてくれた。
明日は万代知識商人大学院。
その前日はいつも、
阿部秀行社長と情報交換の食事会。
さらに講師となる取締役が加わってくれる。
私にとって万代の本質を知る、
とてもいい機会だ。
私の知見もどんどん披露する。
久恵は若いおかみとなり、
メニューがずいぶん変わってきた。
美しい椀に盛り付けられた魚の煮物。
緑のとろりとしたソース。
この後、チョコレートムースが出て、
コースが終了、大満足。
会話も大いに弾んだ。
阿部社長と商品部の二人の取締役。
中筋浩二さん(右)、
松岡俊行(左)さん。
明日の講義テーマは、
マーケティングマネジメント。
両取締役に万代の商品戦略を、
大いに語ってもらおう。
いつものように、
阿部社長にホテルまで送ってもらった。
ありがとうございました。
さて、
世界の人口。
80億人に達した。
私たち商業者はいつも、
人口に関心を寄せていなければならない。
商売はどこでもどんなときにも、
人口動態に左右されるからだ。
シンプルに考えれば、
人口が増えるところで商売をする。
それが繁栄の大原則だ。
2010年8月に比べると、
世界人口は10億人の増加。
12年で10億人。
このトレンドは今後も変わらず、
2030年には85億人になる見通しだ。
日本は少子高齢化の深刻な課題を抱える。
そんな国々も多い。
中国でさえ、
少子高齢化が最大の未来問題だ。
それに対して、
人口が増えているのは、
アフリカやアジアなど。
一部地域への偏りが顕著だ。
今年7月1日現在の国連の「世界人口推計」。
1位は中国の14億2588万人。
2位のインドは14億1717万人。
来年にも中国を抜く。
3位はアメリカの3億3829万人、
4位はインドネシアの2億7550万人
5位はパキスタン2億3582万人――。
日本は1億2395万人の11位。
少子高齢化でも11位で1億人を超えている。
日本商業の繁栄はこの人口増によって支えられた。
この12年間で70億人から80億人へと増加した。
アジアとアフリカの2地域だけで、
増加分の10億人の9割を占める。
インド、中国など、
上位10カ国で増加分の過半数を占める。
さらに2050年には世界人口は97億人に達する。
今後の増加分の半数以上は8カ国に集中する。
・コンゴ民主共和国
・エジプト
・エチオピア
・インド
・ナイジェリア
・パキスタン
・フィリピン
・タンザニア
人口増加の要因は、
公衆衛生や栄養状態の向上で死亡率が低下し、
平均寿命が延びていること。
人口増は15~64歳の生産年齢人口増につながり、
経済成長を促進する効果が期待される。
しかし同時に、
格差の拡大や環境破壊、
食糧危機や開発の停滞を生む。
人口減の地域は、
ヨーロッパ、東アジア・東南アジアなど。
2050年までに61の国・地域の人口が、
1%以上減少する。
朝日新聞「折々のことば」
第2558回。
よくしなる綱の上の
踊り子を見上げる群衆は、
いつの間にか自分の体を
くねらせよじらせて
バランスをとる。
(アダム・スミス『道徳感情論』から)
「感覚が伝染したり、
他人の心情に同感したり、
他人の立場になって思考したり
というふうに、ひとには
他人のことを心に懸けずにはいられない
性向がある」
「[私]という囲いを超え出る働きは、
身体の中でいつも
すでに蠢(うごめ)きだしている」
80億人の感覚が伝染したり、
他人の心情に同感したり、
他人の立場になって思考したり。
人間は他人のことを、
心にかけずにいられない。
それが商売の本質であり、
このことを理解することが、
繁昌のもとになる。
〈結城義晴〉