日本人サポーターのゴミ拾いと「ピカピカ」の競争力
米国スポーツ専門局「ESPN」。
公式ツイッターで紹介してくれた。
日本サポーターのゴミ拾い。
World Cup Qatarだけではないけれど、
「ドイツ戦の衝撃的な勝利のあと、
日本のファンたちは試合後も残って、
スタジアムをきれいにした。
リスペクト」
素晴らしい。
アベマTVで解説していた本田圭佑。
思わず叫んだ。
“This is it!”
「これです。」
サッカーの国際大会で、
何度も話題となった日本人サポーター。
カタールでも変わらない「献身的な行為」だ。
応援する者だけではない。
日本代表チームも、
ロッカールームを掃除してから、
スタジアムを去る。
その様子は「ピカピカ」と賛美されている。
これも日本代表の「強み」の一つだと思う。
ジャパンに倣ってイランチームも、
試合後のロッカールームをピカピカに清掃した。
いい話だ。
ゴルフを楽しむときにも、
コース内ではもちろんごみを出さない。
トイレで洗面所を使ったときにも、
跳ねた水をタオルやペーパーで、
きれいに洗面台を拭う。
これはゴルフプレーヤーの常識である。
整理・整頓・清掃の3S。
トヨタをはじめとする、
日本製造業の工場には、
鉄壁の3Sがある。
小売業やサービス業も、
店舗はもちろん、
プロセスセンターでも、
物流センターでも、
本部や本社でも、
整理・整頓・清掃。
いい会社はピカピカだ。
1978年にはじめてアメリカを訪れ、
チェーンストアの店々を見たとき、
その「ピカピカ」には本当に驚かされた。
これが「Cleanliness」であると教えられた。
しかもほとんど例外がなかった。
アメリカ人は、
こんなにもクレンリネスが好きなのか。
その後も何度もなんども、
アメリカを訪れて、
「ピカピカ」に驚かされ続けた。
そしてそれは、
競争の厳しさが生み出していると結論した。
ピカピカのクレンリネスがなければ、
競争についていけない。
置き去られる。
汚い店は顧客から見向きもされない。
それがアメリカだった。
それに比べて、
日本の実態はどうしたことか、と思った。
一握りの優秀企業を除けば、
全体にクレンリネスは、
明らかにアメリカに劣っていた。
流通先進国のヨーロッパが、
アメリカほどでないことも、
意外だった。
それは上位寡占が進んでいて、
競争が緩かったからである。
最初に米国訪問をしてから40年以上が経過して、
日本のチェーンストアは大幅に改善された。
ピカピカのクレンリネスが実現される店が、
圧倒的に増えてきた。
いいことだと思う。
それでも「ピカピカ」の王者は、
アメリカの企業だ。
北カリフォルニア、
ナゲットマーケット。
ヒマワリを模したファサード。
エルクグローブ店。
店の顔はプロデュース部門。
息をのむようなピカピカの床。
店舗中央のグロサリー部門の床もピカピカ。
床の色合いは芸術的で、
ピカピカがさらに映える。
リカー部門の床は、
濃いブルーとグリーンとイエロー。
「ピカピカ」のクレンリネスは、
ナゲットの競争力である。
同じように日本人サポーターのゴミ拾いは、
ジャパンサッカーの競争力である。
さらに日本国の国際競争力である。
日本人の誇りである。
This is it!
〈結城義晴〉