米国では「もうコストコとトレーダー・ジョーだけでいい」?!
浅野秀二先生、
商人舎オフィスに来訪。
サンフランシスコから来日して、
10日ほど経つ。
熱海にコンドミニアムを持っていて、
今月22日まで滞在する。
向こうでクリスマスを過ごす。
いい生活だ。
しかしアメリカはインフレが激しくて、
物価が高い。
そして重要なことだが、
スーパーマーケットは、
「劣化」している。
カスタマーサービスのレベルが、
格段に落ちた。
もちろんCOVID-19パンデミックで、
非接触の営業を強いられたからだ。
しかし、いい企業はいい。
浅野さんの個人的な感想だが、
トレーダー・ジョーとコストコさえあれば、
あとはいらない、らしい。
日本もそうなるのだろうか。
しかし万が一、そうなると、
ナショナルブランドメーカーは逼塞する。
トレーダー・ジョーは、
プライベートブランド小売業だし、
コストコはナショナルブランドを、
恐ろしい価格で販売する。
だからメーカーは、
レギュラーのスーパーマーケットを、
一定程度、なんとしても残すよう努力する。
さらにネット販売は、
ほとんどの企業が実施していて、
アマゾンは売上げが下がっている。
ポストコロナ時代には、
顧客はリアル店舗にもどってくる。
浅野さんの生活実感が確かならば、
そんな状況が今のアメリカなのだろう。
トレーダー・ジョーとコストコだけで済む。
そういう状況が、
日本にもやってくるかもしれない。
そうだとしたら。
そのときのトレーダー・ジョーは、
どの企業だ?
浅野さんとは来年早々、
アメリカでご一緒する。
亀谷しづえゼネラルマネジャーが加わって写真。
来年もよろしくお願いします。
しかしちょっと太り過ぎ。
気をつけましょう。
お互いに。
さて、
FIFAワールドカップ。
日本代表が敗退してしまうと、
心のなかにぽっかりと穴が開いたようで、
ちょっと空虚だ。
生活も変わる。
夜が淋しい、
明け方が空しい。
チームはもう帰国して、
大歓迎を受けている。
よく、やった。
昨日、いろいろと書いたが、
一番悔しいのは、
選手たち自身だろう。
ドイツとスペインに歴史的勝利を収めた。
スペインはグループEの2位で、
決勝トーナメントに進出したが、
モロッコにPK戦で負けた。
かつての強豪国も、
レベルが落ちている。
そしてアフリカやアジアのチームが、
どんどん強くなっている。
その意味で、
世界のサッカーは、
急激にグローバル化が進んでいる。
ジャパンもそのグローバル化の中にある。
日本の選手たちがヨーロッパで揉まれて、
今回の快挙を成し遂げた。
つまり日本サッカーは、
グローバル化の恩恵を受けた。
そして世界基準の中で、
日本らしさを追求する。
それがグローバル化の中の生き残り方だ。
大丈夫。
三苫薫が、
伊東純也が遠藤航が、
久保建英が、
それに続くティーンエージャーたちが、
やり遂げてくれるだろう。
大谷翔平や藤井聡太のような若者が、
どんどん出てくる。
日本の若者たち、
捨てたもんじゃない。
頼もしい。
朝日新聞「折々のことば」
第2579回。
高く心を悟りて、
俗に帰るべし
(松尾芭蕉)
「詩精神は高く保つように心掛けて、
その後俳諧固有の俗な対象に
帰っていくべきである」
芭蕉は説いた。
それを門人の服部土芳(どほう)が記した。
「一方に普遍的で高い志があり、
もう一方にきわめて具体的な
暮らしの情景がある」
編著者の鷲田清一さん。
「対極にあるこの二つが
じかに接するところ、
高い理想と泥まみれの現場感覚との往還が、
俳諧にかぎらず大事なのであろう」
『三冊子』(復本一郎校注・訳)から。
高い志と、
泥まみれの現場感覚。
その往還。
ジャパンの選手たちも、
これからの若者たちも、
そして私たち自身も、
絶対に忘れてはいけないことだ。
芭蕉に感謝しよう。
〈結城義晴〉