商人舎12月号発刊の「追悼 清水信次」と「竹の子の教え子たち」
特集は、
オーケーとロピア
安売り原点説」を凌駕した“正統派”食品小売業の比較研究
[Cover Message]
どちらも非上場企業である。どちらも神奈川県に本拠を置く。しかし、どちらも最注目のスーパーマーケットチェーンである。オーケー株式会社と株式会社ロピア。2022年3月期決算で、営業収益5251億円のオーケー。日本小売業ランキング31位、スーパーマーケット順位は7位。年商2469億円で小売業53位、スーパーマーケット19位のロピア。前年対比の成長率はオーケー3.2%、ロピア19.4%。店舗数はオーケーが首都圏の東京・神奈川・埼玉・千葉に134店舗、ロピアは首都圏の神奈川・東京・千葉・埼玉・茨城と関西圏の大阪・兵庫・奈良・京都、さらに中京圏の岐阜に71店舗。オーケーは「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、ロピアは「ロープライス・ユートピア」を標榜する。しかしどちらも実は巷間に言われるところの「ディスカウントストア」ではない。どちらも「安売り原点説」を凌駕した存在である。どちらがいい、どちらが強い、の論議ではなく、それぞれの本質の比較・分析を試みよう。違いを追究しよう。オーケーは2024年に大阪に出店する。ロピアが2020年に進出して、予想を超えた成果を上げているところから判断すると、オーケーも関西圏の競争を一変させる力をもつだろう。さてその本質と差異は、如何に。
目次。
雑誌全体の解説は12日の月曜日に。
[特別企画]は、
追悼 清水信次
私が評伝を書いて、
そのあとで清水さんご自身のエッセイを掲載した。
「食のこころ こころの食」
そして今月の巻頭言。
[Message of December]
私の好きな人
笑顔の人。
大声の人。
晴れやかな人。
勇敢な人。
正義の人。
闘う人。
機敏な人。
元気な人。
世話好きな人。
三度、命拾いをした人。
死を覚悟した人。
懐に飛び込む人。
根は優しい人。
頼れる人。
かわいい人。
太っていても、やせていても。
大きくても、小さくても。
若くても、老いていても。
男でも、女でも。
日本人でも、外国人でも。
豊かでも、貧しくても。
心の力をもつ人。
頭の力のある人。
言葉の力にあふれた人。
私の好きな人。
ポリティカル・マーチャント。
たとえば清水信次。
合掌。 〈結城義晴〉
さて今日は夕方から、
懐かしいメンバーと飲み会。
横浜の白楽の「うどん鉢」。
私は、1993年から10年ほど、
ジュニアソフトボールの監督をしていた。
竹の子というチーム。
小学生の男女20人ほどが、
横浜市立白幡小学校に集まって、
毎週日曜日と祭日に練習をする。
大抵、日曜日には試合がある。
その監督3期目のチームは、
竹の子の黄金期をつくった。
左からキャプテンでキャッチャーの柳楽誠、
ショートとピッチャーの小泉直樹、
そしてピッチャーと内野手の結城晴。
小さな子どもだったが、
今、全員が私より大きい。
みんな38歳となった。
それぞれに仕事をもち、
家族もできた。
私の教え子たち。
このうどん鉢は、
彼らの1年先輩の加藤芳郎君がやっている。
心のこもった料理と酒を楽しんだ。
私自身は雑誌の編集長や取締役をやっていた。
人生で一番忙しい時だった。
小泉君は偶然にも、
㈱シジシージャパンに入社して、
今、人事を担当している。
私と同じ業界にいる。
これもうれしいことだ。
11年前にも同じメンバーで集まった。
あの時、彼らは27歳。
就職して仕事に慣れたころだ。
彼らの同期の大谷智久が、
2009年に千葉ロッテマリーンズに入団して、
先発投手の枠に入ったときだった。
大谷は小学生の時には、
荏田ブランチーズのエースで、
竹の子の彼らとしのぎを削った。
合同チームで一緒に関東大会に行った。
私も合同チームのコーチで、
ずいぶん大谷の球を受けた。
その後、大谷は、
報徳学園で春の甲子園優勝、
早稲田大学で大学選手権優勝、
トヨタ自動車で社会人野球日本選手権二連覇。
MVPも獲得した。
それからマリーンズに入った。
今、大谷はマリーンズの二軍投手コーチだ。
昨日も書いたが、
かつての部下や後輩や仲間や、
教え子たちが、
成長している姿を見るのは、
うれしいことだ。
私には幸いなことに、
教え子が多い。
ジュニアソフトボールの教え子たち。
㈱商業界の部下だった教え子たち。
立教大学大学院教授時代の教え子たち。
コーネル大学ジャパンの教え子たち。
その後の商人舎での、
ミドルマネジメント研修会の教え子たち、
海外研修の教え子たち、
万代知識商人大学の教え子たち。
私の基本方針は一貫している。
「邪魔をしないこと」
考えていること、知っていることは、
全力を尽くして教える。
しかしそれぞれに、
自分自身で判断と意思決定をし、
自分らしさを発揮し、
それを伸ばしてほしい。
その邪魔をしてはいけない。
それが私の方針だ。
そしてその一人ひとりの成長は、
私自身の人生の成果でもある。
ありがとう。
〈結城義晴〉