World Cup Qatar/家族のようなアルゼンチンとメッシの優勝
Everybody! Good Monday!
[2022vol51]
2022年第51週。
12月第4週。
あと2週間で2022年が終わる。
それにしても、
FIFA World Cup Qatar2022。
決勝戦は史上最高の、壮絶な闘いだった。
アルゼンチン対フランス。
日本時間午前零時にキックオフ。
前半23分、リオネル・メッシが、
ペナルティキックで先制点をあげた。
相手をよく見たペナルティキック。
さらに前半36分、
メッシから始まった鮮やかな連係。
左サイドからアンヘル・ディマリアが、
切れのいいシュートで追加点。
後半に入ってもアルゼンチンが優位に立った。
これでは並みの決勝戦だと思っていたら、
やはりキリアン・エムバペが、
後半35分にPKを決めて追い上げる。
さらに1分後には、
味方とのワンツーで抜け出し、
浮き球をボレーシュート。
世界最高のアタッカーであることを証明した。
延長戦に入って、
前後半とも混戦が続いた。
しかし延長後半4分、
キーパーにはじかれた球を、
メッシが押し込んで3対2。
さすがに神の子メッシ。
これで決まったと思ったら、
またしても残すところ4分に、
PKを得たフランス。
エムバペが決めて同点。
俄然フランスが元気になって終了間際、
ランダル・コロムアニが、
GKと一対一の決定的なシュート。
それもアルゼンチンGK、
エミリアーノ・マルティネスが、
身を挺して阻んで終了。
まさに追いつ追われつの激闘。
PK戦となってしまった。
両軍、へとへと。
全力を出し尽くした。
PKの先陣は両チームともにエースから。
フランスはエムバペが入れ……
アルゼンチンはメッシが決めた。
フランスの2人目、
キングスレイ・コマンのシュートは、
アルゼンチンのGKマルティネスが、
左に飛んで止めた。
さらに3人目のオーレリアン・チュアメニは、
ポスト左外に外して万事休す。
アルゼンチンは4人全員が決めて、
PK戦は4対2で終わった。
アルゼンチンは3度目の制覇。
フランスが準優勝。
メッシは苦しいときにも終始、
楽しそうにプレーしていた。
そのメッシに全員がなついている感じで、
ひとつの家族のようだった。
結局はアルゼンチンのチームワークが、
勝利をもぎ取った。
それがとても印象に残った。
前回優勝のフランスは、
フォワードのオリヴィエ・ジルーも、
快速のウスマン・デンベレも、
キーマンのアントワーヌ・グリーズマンも、
途中で交代してしまった。
結局、フランスは、
エムバペの孤軍奮闘だった。
その差だった。
メッシはマラドーナに肩を並べ、
36年ぶりにそれを超えた。
Qatar2022はメッシのWorld Cupだった。
それに世界中が納得し、満足した。
私も感動した。
ワールドカップ・ロスが、
私の心の中に巣くっている。
しかしイングランド代表はキックオフ前に、
カタールの人種差別やLGBT差別に抗議して、
片膝をついた。
イラン代表の選手たちは、
国家斉唱をしなかった。
ヒジャブをしなかった女性が拘束され、
亡くなった事件への抗議である。
Qatar2022には、
手放しで評価できないところもあった。
見過ごしてはならない。
忘れてはならない。
それでもアフリカとアジアの躍進は、
新しい時代の到来を予見させた。
人種の問題、性別の問題、宗教の問題、
移民の問題、戦争と平和の問題。
天才たちの想像を超えたプレーを見ながら、
さまざまなことを考えさせられた。
感じることがあった。
考えることもあった。
ひどく深刻な問題が表面化した。
だが、それは悪いことではなかった。
感じたこと、考えたことを、
どう行動に移すかは、
明日からの私たち自身に問われている。
では、みなさん、今週も、
より良く考え、より良く行動したい。
Good Monday!
〈結城義晴〉