商人舎1月号「対談特集/’23両利きトレードオン」本日発刊!!
[対談特集]でそのタイトルは、
’23両利きトレードオン
二兎を追いつつ両立させる「経営と運営」
[Cover Message]
2023年、一陽来復。
新年号はトップマネジメントによる対談と独白構成である。大久保恒夫西友社長と山本慎一郎カスミ社長、仮想の川野澄人ヤオコー社長と服部哲也サミット社長。そして川野幸夫日本スーパーマーケット協会会長、平富郎エコス会長。
コロナ禍3年を超えて4年目に入る。ウクライナ危機は10カ月を過ぎた。そして値上げラッシュ、電気料金高騰、物流費や建築費の上昇、そのうえ人手不足。難問山積。
コスト削減を突き詰めつつ、付加価値の創造に邁進し、飛躍的に生産性を上げてゆく。そこには『両利きの経営』への挑戦が求められるし、「トレードオン」が必須である。
「トレードオフ」と標準化一辺倒で事足りた20世紀は、遥か遠くへ行ってしまった。
[Contents]
新春特別対談は、
大久保恒夫&山本慎一郎。
西友とカスミの両社長。
12ページを占めて、
2023年の問題を網羅した。
ありがとうございました。
商人舎ならではの対談となりました。
それから、
川野幸夫「2023年の断言」
「本気の生産性改善が存続を決める年だ。」
この独白への[結城義晴の述懐]
「川野幸夫さんの穏やかな語り口が、
だんだん、だんだん厳しくなってゆく。
そしてきわめてソフトな印象ながら、
実は自信をもって『断言』をしている」
「スーパーマーケット産業はもとより、
チェーンストア産業も食品産業も、
ひっ迫している。
世界がひっ迫しているから、
日本もひっ迫し、
経済も産業もひっ迫している。
そのひっ迫によって生み出された
経営環境と生活環境」
「”少子化”こそ日本の最大の問題だと思う」と
川野さんは言う。同感だ。
「スーパーマーケット産業は
その少子化のなかの子どもたちに
“食わせる産業”だ。
少子化の子どもたちを”育てる産業”だ。
その親たちを”助ける産業”だ。
家族を”豊かにする産業”だ。
だからこそ自己の限界を超えるほどの
画期的な生産性の改善に挑む。
食わせ、育て、助け、豊かにするために、
コストを削減し、
飛躍的な生産性に挑むのだと思う。
それが企業や店が生き残るときの
唯一の考え方である」
「川野幸夫をもって
断言せしむる状況が来ている。
それが2023年である」
それから、
平富郎の「独り語り」
「艱難辛苦の今、上手い方法も近道もない」
平さんならではの発言。
読者のみなさん、
噛みしめてほしい。
そして[仮想対談]
川野澄人vs服部哲也
「2割強い店づくり」と「突き抜けて稼ぐ店」
それぞれ別の記者会見の発言を、
テーマごとに対談形式に構成した。
文責は結城義晴。
お二人の発言の共通項は、
どの企業にも当てはまるし、
異なる点は実に対比的で、
ポジショニングの違いを鮮明にした。
これも一読の価値はある。
勝手に対談させてしまって、
すみません。
ただし発言は一言一句、
間違いなく記事にした。
もちろん結城義晴の「特集のまえがき」
「あちらを立てて、こちらも立てる」
それが2023年である。
こうしてブログで紹介すると、
読んだ気になるかもしれないが、
中身は雑誌を読まねば知覚できない。
是非、読んでいただきたい。
特別企画は、
店づくりの「変則性」?!
「建物の2階どころか、3階や4階に店をつくる。
そして繁昌する。
2層のスーパーマーケットをつくる。
駅前商店街の中に埋没しそうな
ショッピングセンターをつくる。
そんな店づくりの変則性が生まれてきた。
店舗開発の許容範囲が広がってきた。
標準化一辺倒の理想の店づくりだけを
追いかけていては出店スピードが上がらない。
基本機能が整えば、変則性は許されるのだ!!」
サミットストア踊場駅前店
(3階1フロア609坪)
生鮮・惣菜の店内製造力で「確実に稼げる店づくり」を標榜
冷凍食品売場には変化が付けられた。
西友和光市駅前店(2層477坪)
24時間営業・EDLPに商品開発力・販売力をトレードオン!
プライベートブランドの集合売場。
イオンタウン旗の台 (3層・511坪)
超小型都心SCの核店舗はウエルシア&ビオセボン
ビオセボンは核店の役目を果たせるか。
3店ともにふんだんに写真を使って、
変則性を有しながら、
基本を貫徹している店を紹介し、分析した。
2023年を見通す商人舎1月号。
そのMessage of Januaryは、
両利きの歌
右利き? 左利き?
いいえ、両利き。
もともと左利きの人が、
両利きになりやすい。
コロナ感染拡大を抑えて、
経済と営業の活性化を図る。
ディスタンシングを堅持しつつ、
ホスピタリティを高める。
経費上昇要因に事欠かず、
利益増加要因は一本足打法。
コスト削減と粗利益増加。
その両立をあなたは求められる。
Ambidexterityは、
双面性、両利きの経営。
Compatibilityは、
両立性。
あちらを立てて、
こちらも立てる。
こちらを立てて、
あちらも立てる。
トレードオフは、
気楽で呑気な20世紀人。
トレードオンは、
強靭で思慮深い21世紀人。
右手のイトーヨーカ堂、
左手はセブン-イレブン。
左手を使って右手を叱咤するがごとし。
鈴木敏文の両利き経営。
成熟事業と新規事業。
リアル店舗とネット販売。
人間力経営とデジタル改革。
矛盾を包含し、かつ尊重する態度。
両利き経営の最大の課題は、
リーダーシップである。
トレードオンの最大の課題は、
胆力と論理性である。
あちらを立てて、
こちらも立てよ。
こちらを立てて、
あちらも立てよ。〈結城義晴〉