UAゼンセン「春季6%要求」とセブン・イオン・ファストリの決算
長光山妙蓮寺。
山門を入ると本堂が見える。
その本堂の石段に子どもたちが並ぶ。
幼稚園か保育園の園児たち。
穏やかで平和な日本だ。
この平和を守りたい。
しかし新型コロナウイルスは、
派生型が感染拡大している。
「XBB.1.5」
直近の主流は、
派生型の「BQ.1」や「BQ.1.1」だった。
これがオミクロン型と呼ばれた。
XBB1.5はそれらを上回るスピードで、
感染拡大している。
世界保健機関(WHO)は、
「最も感染力が強い」と表現する。
現在、XBB1.5は世界38カ国で確認されている。
日本でも東京都で15件確認された。
ただし感染症のセオリーは、
「感染力が強いほど毒性は弱い」
まだまだ新型コロナウイルスとの闘いは続く。
さて、世界最大の労働組合UAゼンセン。
2023年の春季労使交渉の要求方針を固めた。
波岸孝典流通部門事務局長。
「流通部門としては
“早めに、高めに”数字を提起する」
「体系維持分2%、物価上昇分3%、
格差是正1%で合計『6%』」
「短時間組合員では、
雇用形態間の格差是正を意識し、
正社員組合員と同等もしくは
それ以上の要求水準とする」
流通部門のパートタイマー時給も6%以上、
金額ベースでは60円以上の引き上げ要求となる。
UAゼンセン結成以降で過去最高水準。
雇用者側から見ると厳しい要求だが、
現時点の物価上昇を考えると、
労働組合側の要求も妥当だ。
ファーストリテイリングの先行事例もある。
ここは大いに議論を深めていただきたい。
さて商人舎流通SuperNews。
第3四半期決算が発表されている。
セブン&アイnews|
第3Q営業収益43.5%増・経常31.2%増/米コンビニ寄与
営業収益8兆8238億円で前年同期比43.5%増、
営業利益3948億7300万円で30.4%増、
経常利益3702億6400万円で31.2%増。
純利益2347億円で34.2%増。
見事な増収増益。
コンビニの加盟店を加えた総売上高は、
13兆3322億円で29.7%増。
営業利益率4.5%、経常利益率4.2%。
海外コンビニの貢献が大きい。
チェーン全店売上高は7兆7966億円で74.7%増。
営業利益は3058億円で82.9%増。
イオンnews|
第3Q営業収益6.7兆円/収益・利益とも過去最高更新
営業収益が6兆7218億円で前年同期比4.2%増。
営業利益は1126億7900万円(26.3%増)、
経常利益は1075億5600万円(28.2%増)。
四半期純損失は36億8200万円だが、
前年同期より52億7400万円の改善。
営業利益率は1.9%、経常利益率1.8%。
セブンもイオンも過去最高である。
賃上げにも取り組まねばならないだろう。
一方、
ファストリnews|
第1Q売上収益7163億円・営業利益2.0%減
ファーストリテイリングは、
2023年8月期第1四半期の連結業績。
売上収益が7163億円で前年同期比14.2%増、
営業利益は1170億円で2.0%減。
増収減益。
減益の理由は中国大陸のユニクロ事業。
ゼロコロナ対策で行動規制があって、
大幅な減益となった。
しかし売上収益に対する営業利益率は16.3%。
これが「最大4割の賃上げ」の原資となる。
労働組合の要求に応えるためには、
利益の計画化が必須だ。
利益は経営の目的ではない。
この点に関して何度もなんども、
ピーター・ドラッカーを引用している。
「企業とは何かを問われると、
たいていの企業人が
利益を得るための組織と答える。
たいていの経済学者もそう答える。
この答えは間違いであるだけでない。
的外れである」
(『現代の経営』より)
そう言いながら、
ドラッカーは注意を喚起する。
「たとえ天使が社長になっても、
利益には関心をもたざるをえない」
「利益計画の作成は必要である」
その利益計画の考え方。
「それは利益の極大化についての計画ではなく、
利益の必要額についての計画でなければならない」
「その必要額は、
多くの企業が実際にあげている額はもちろん、
目標としている額をも大きく
上回ることを知らなければならない」
(『マネジメント』より)
利益の必要額は、
イオンでは足りない。
セブンでもまだまだ足りないだろう。
組合の6%以上の要求を噛みしめねばならない。
もちろんそれは、
労働者にも振り返ってくることを、
忘れてはならない。
〈結城義晴〉