結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年03月27日(月曜日)

イトーヨーカ堂の「希望を持つしかないのだよ」

Everybody! Good Monday!
[2023vol⑬]

2023年第13週。
今年も4分の1が過ぎようとしている。

3月第4週で、土曜日から4月。

一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。

早い、早い。

今週は原稿書きの週。
今日も朝から晩まで原稿書き。

その合間に昼すぎに歯医者に行った。
浅間台歯科医院。

歯医者に行くときに、
いつもの商店街を通る。

ローソンが閉店していた。
IMG_E20503

気がつかなかったが1カ月前の閉店。

印刷された用紙に、
日付と店名だけ、
店主が書き込む。
IMG_E20493
なんだか、味気ない。
店主にはもっと思いがないのかなぁ。

私だったらぜんぶ自筆で書く。

本部もそれを奨励したほうが、
チェーン全体としての印象はいいと思う。

閉店した店は無残だ。
IMG_E20513

この撤退跡には、
セブン-イレブンが入るのか。
ファミリーマートが出るのか。
それよりもまいばすけっとの可能性が高いか。

商店街を抜けると、
横浜市立宮谷(みやがや)小学校。
私の母校。
IMG_20543

校庭はずっと狭くなった気がする。
IMG_20523
右奥にずらっと銀杏の木が並んでいた。
大車輪ができるほど高い鉄棒もあった。
高学年の児童しか触ることもできなかった。
左側の桜の木はもっと
たくさん花を咲かせていた。

そして溢(あふ)れるほどに、
希望があった。

変わってしまった。

学校の隣の公園。
こちらは桜が満開。
IMG_20553

花壇にはチューリップ。

赤白黄色
どの花見ても
きれいだな♫
IMG_20573

桜も早咲きになったのか。
入学式に咲いていた気がする。IMG_20563
日経新聞の社説。
「ヨーカ堂大量閉店が示す変化対応の遅れ」

読んだ人も多いだろう。

昨日も書いたイトーヨーカ堂のリストラ。

「かつて国内小売りとしては
高収益企業として名をはせたが、
時代の変化への対応が遅れた結果だ」

「ヨーカ堂衰退の経緯を
現在成長中の企業は教訓とすべきだろう」

以下、1982年からの「業革」のことや、
98年度に日本一になったことなどが、
ちょっとずつ記述される。

2000年代からは縮小の一途。
「衣料品や雑貨、食品など総合型スーパーが
消費ニーズからずれてきたからだ」

「デフレ化で低価格・高品質の
ユニクロやニトリに顧客が流れた」

ん~、なんというか、
掘り下げが全然足りない。
的を射ていない。

社説の分析。
「同社の苦境は過去の成功体験が染みつき、
経営革新で後手に回ったことだ」

しかし「過去の成功体験を捨てよ」は、
同社の鈴木敏文前会長自身の言葉だ。

それができなかった本当の理由こそが、
書かれていなければならない。

「ヨーカ堂は小売業界では
優等生と言われてきた。
成長力もさることながら、
時代変化への対応が優れていたからだ」

それがなくなったと社説は言う。

しかし「変化への対応」は、
「基本の徹底」とともに、
同社の社是である。

なぜ、それがなくなったのか。
それには触れられていない。

最後の言葉。
「経営陣と一部株主との認識ギャップは大きく、
多くのステークホルダーを納得させるには
なお時間がかかりそうだ」

ん~、困る。

「教訓とすべき」とは言うものの、
教訓が示されていない。

「変化への対応」の掛け声だけでは、
とても教訓とは言い切れない。

百も承知のセブン&アイの人々自身が、
出来なかったことだからだ。

朝日新聞「折々のことば」
一昨日の第2683回。

「選択の余地はない。……
希望を持つしかないのだよ。」
(ノーム・チョムスキー)

チョムスキーは1928年生まれの、
言語学の世界的権威。
マサチューセッツ工科大学名誉教授。
1950年代に提唱した「普遍文法」理論は、
現代言語学に革命をもたらした。
〈『壊れゆく世界の標(しるべ)』より〉
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「多くの人が未来に
希望を持てずにいるなか、
あなたがそれを手放さないのはなぜか」

チョムスキーは問われて、答えた。

「希望を持つことで
不当な抑圧や搾取と闘ってきた人々を
知っているからだ」

そしてつけ加えた。

「希望を手放すのは
“最悪の事態が起こるのに協力しよう”
と言うに等しい」

セブン&アイの人々、
とくにイトーヨーカ堂の若い人たちに、
敢えて言っておこう。

「希望を持つしかないのだよ。
最悪の事態が起こるのに
協力してはならない」

では、みなさん、今週も、
すべてに希望を持つしかないのだ。

Good Monday!

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • ”変化への対応。”
    という考え方自体が、
    すでに
    そこで
    一歩遅れてしまっていると思います。

    変化は、対応するものではなく、
    変化は、引き起こすものだからです。

    そうすれば、一歩、先を行けると思います。

    閉店のポスター
    その通りですね。

    でも、
    そもそも
    直筆で書こうとする意識のある方だったら、
    店をつぶさなかっただろうし、
    もっと言えば、
    FCに加盟しなかったのではないでしょうか。

    悲観することはないと思います。
    鈴木会長の思想は、
    むしろ
    広がっていると思います。

  • 小売りラブ♪さま

    ご投稿、感謝します。

    変化は、対応するものではなく、
    変化は、引き起こすもの。

    その通りです。同感です。

    マイケル・オークショットは言っています。
    「変化とは我々がそれを受け容れざるを得ない場合のこと」
    「変革とは我々がそれを意図的に実行する場合のこと」

    変化を受け入れて対応するだけではなく、
    自ら変革を企図し、実行しなければなりません。

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