イトーヨーカ堂の「希望を持つしかないのだよ」
Everybody! Good Monday!
[2023vol⑬]
2023年第13週。
今年も4分の1が過ぎようとしている。
3月第4週で、土曜日から4月。
一月、往ぬる、
二月、逃げる。
三月、去る。
早い、早い。
今週は原稿書きの週。
今日も朝から晩まで原稿書き。
その合間に昼すぎに歯医者に行った。
浅間台歯科医院。
歯医者に行くときに、
いつもの商店街を通る。
気がつかなかったが1カ月前の閉店。
印刷された用紙に、
日付と店名だけ、
店主が書き込む。
なんだか、味気ない。
店主にはもっと思いがないのかなぁ。
私だったらぜんぶ自筆で書く。
本部もそれを奨励したほうが、
チェーン全体としての印象はいいと思う。
この撤退跡には、
セブン-イレブンが入るのか。
ファミリーマートが出るのか。
それよりもまいばすけっとの可能性が高いか。
商店街を抜けると、
横浜市立宮谷(みやがや)小学校。
私の母校。
校庭はずっと狭くなった気がする。
右奥にずらっと銀杏の木が並んでいた。
大車輪ができるほど高い鉄棒もあった。
高学年の児童しか触ることもできなかった。
左側の桜の木はもっと
たくさん花を咲かせていた。
そして溢(あふ)れるほどに、
希望があった。
変わってしまった。
花壇にはチューリップ。
桜も早咲きになったのか。
入学式に咲いていた気がする。
日経新聞の社説。
「ヨーカ堂大量閉店が示す変化対応の遅れ」
読んだ人も多いだろう。
昨日も書いたイトーヨーカ堂のリストラ。
「かつて国内小売りとしては
高収益企業として名をはせたが、
時代の変化への対応が遅れた結果だ」
「ヨーカ堂衰退の経緯を
現在成長中の企業は教訓とすべきだろう」
以下、1982年からの「業革」のことや、
98年度に日本一になったことなどが、
ちょっとずつ記述される。
2000年代からは縮小の一途。
「衣料品や雑貨、食品など総合型スーパーが
消費ニーズからずれてきたからだ」
「デフレ化で低価格・高品質の
ユニクロやニトリに顧客が流れた」
ん~、なんというか、
掘り下げが全然足りない。
的を射ていない。
社説の分析。
「同社の苦境は過去の成功体験が染みつき、
経営革新で後手に回ったことだ」
しかし「過去の成功体験を捨てよ」は、
同社の鈴木敏文前会長自身の言葉だ。
それができなかった本当の理由こそが、
書かれていなければならない。
「ヨーカ堂は小売業界では
優等生と言われてきた。
成長力もさることながら、
時代変化への対応が優れていたからだ」
それがなくなったと社説は言う。
しかし「変化への対応」は、
「基本の徹底」とともに、
同社の社是である。
なぜ、それがなくなったのか。
それには触れられていない。
最後の言葉。
「経営陣と一部株主との認識ギャップは大きく、
多くのステークホルダーを納得させるには
なお時間がかかりそうだ」
ん~、困る。
「教訓とすべき」とは言うものの、
教訓が示されていない。
「変化への対応」の掛け声だけでは、
とても教訓とは言い切れない。
百も承知のセブン&アイの人々自身が、
出来なかったことだからだ。
朝日新聞「折々のことば」
一昨日の第2683回。
「選択の余地はない。……
希望を持つしかないのだよ。」
(ノーム・チョムスキー)
チョムスキーは1928年生まれの、
言語学の世界的権威。
マサチューセッツ工科大学名誉教授。
1950年代に提唱した「普遍文法」理論は、
現代言語学に革命をもたらした。
〈『壊れゆく世界の標(しるべ)』より〉
「多くの人が未来に
希望を持てずにいるなか、
あなたがそれを手放さないのはなぜか」
チョムスキーは問われて、答えた。
「希望を持つことで
不当な抑圧や搾取と闘ってきた人々を
知っているからだ」
そしてつけ加えた。
「希望を手放すのは
“最悪の事態が起こるのに協力しよう”
と言うに等しい」
セブン&アイの人々、
とくにイトーヨーカ堂の若い人たちに、
敢えて言っておこう。
「希望を持つしかないのだよ。
最悪の事態が起こるのに
協力してはならない」
では、みなさん、今週も、
すべてに希望を持つしかないのだ。
Good Monday!
〈結城義晴〉
2 件のコメント
”変化への対応。”
という考え方自体が、
すでに
そこで
一歩遅れてしまっていると思います。
変化は、対応するものではなく、
変化は、引き起こすものだからです。
そうすれば、一歩、先を行けると思います。
閉店のポスター
その通りですね。
でも、
そもそも
直筆で書こうとする意識のある方だったら、
店をつぶさなかっただろうし、
もっと言えば、
FCに加盟しなかったのではないでしょうか。
悲観することはないと思います。
鈴木会長の思想は、
むしろ
広がっていると思います。
小売りラブ♪さま
ご投稿、感謝します。
変化は、対応するものではなく、
変化は、引き起こすもの。
その通りです。同感です。
マイケル・オークショットは言っています。
「変化とは我々がそれを受け容れざるを得ない場合のこと」
「変革とは我々がそれを意図的に実行する場合のこと」
変化を受け入れて対応するだけではなく、
自ら変革を企図し、実行しなければなりません。