商人舎5月号「前橋が熱い!!」とイオン労使の成果「賃上げ7%」
ラスベガスから帰国して、
一晩、ぐっすり眠ると、
元気は回復する。
まだまだ、若い。
商人舎オフィスに出ると、
私の机の上に月刊商人舎5月号があった。
特集は、
前橋が熱い!!
[Cover Message]
群馬県の小売業。ヤマダホールディングスは日本第6位、ベイシアグループが第7位。両者が絡んだパワーセンターが前橋を熱くしている。片や2010年開業の前橋みなみパワーモール、こなたジョイホンパーク吉岡。前者はベイシアスーパーセンターとカインズホーム、さらにコストコを核店舗として、ずらりと大型専門店が揃う。そこに「ユニクロ・ロゴ・ストア」が登場。ワークマンの複合店舗も出店しているし、来春にはイケアが飛来する。ユニクロの750坪はロードサイド型のグローバルフォーマットとして、同社のすべてが盛り込まれた。
後者はジョイフル本田の新フォーマット「ジョイホン」に、ヤマダホールディングスの「テックライフセレクト」とジャパンミート。隣接してツルヤ吉岡店まで出店している。今、視察と見学をするとしたら、前橋が一番だ。前橋こそ熱い。そしてこの前橋の熱さの中に、従来の定石を否定する新しいトレンドが浮かび上がる。時代の節目を覚醒させられる熱さである。
その目次。
ジョイホンパーク吉岡は、
ジョイフル本田の新フォーマット1万1500坪。
ジョイホン。
850坪のスーパーマーケット。
ジャパンミート。
ヤマダのフルライン4008坪店、
テックライフセレクト。
そして隣接敷地に群馬3号店の1000坪、
ツルヤ吉岡店。
佐藤可士和クリエイティブディレクターが、
LOGO STORE誕生の経緯を語る。
この熱い前橋の商業集積の競争の本質。
それが明らかになる。
さらに特別座談会。
「Green Beans」を語りつくす
イオンネクスト「オンラインマーケット」の現在と未来
2019年11月にイオン㈱は、
英国のオカドグループと、
日本国内における独占パートナーシップ契約を締結。
同年12月にイオンネクスト準備㈱を設立。
コロナパンデミックのなか、
準備は着々と進められた。
すでに千葉県の誉田CFCが本格稼働。
今夏、首都圏を中心に、
オンラインマーケットをスタートさせる。
称して「Green Beans」
野澤知広イオンネクスト㈱代表取締役副社長。
イオンネクストデリバリー㈱代表取締役社長。
太田正道イオンネクスト㈱取締役副社長。
司会は結城義晴。
現在のECやネットスーパーの課題が、
実によくわかる誌面となっている。
私はこの面では、
アウトソーシングは必須だと考えている。
そのシステムの複雑さ、
システムを稼働させるまでに必要なスピード。
あらゆることを考慮すると、
自前の開発は手遅れになる。
ウォルマートも、
ほかのことはすべて自前だが、
ECに関してはM&Aを繰り返す。
そしてアマゾンに追いつきかけている。
必読の座談会。
それから[Important Case Study]
セントラルスクエアららぽーと門真店
初の「ららぽーと×アウトレット」に出店した広域アップスケール型
ライフが広域商圏型のSCに出店した。
「セントラルスクエア」フォーマットを採用。
その出来栄えを分析する。
読み応えのある1冊。
熟読してください。
さて、商人舎オフィスに出社すると、
イオングループ労働組合連合会の、
幹部のお二人がやって来てくれた。
略称は「イオン労連」
労働政策局局長の上山功樹さん(中)と、
南関東地域議長の齊藤浩一さん(左)。
私は㈱商業界の社員のころ、
労働組合の委員長を経験した。
思想的なものがあったわけではないが、
周りから祭り上げられて、
20代でそちらのトップに立ってしまった。
私が掲げた運動理念は、
「職場づくり」だった。
そんなこともあって、
労働運動についても勉強した。
だから労働組合に対して全く違和感はない。
そんなこともあって、
UAゼンセン流通部会とは、
接点があれば拒否せず付き合う。
そして結構、長い付き合いとなった。
第五代連合会長の高木剛さんは、
商人舎の発起人に名を連ねてくださった。
イオングループ労働組合連合会とも、
前会長の新妻健治さんと対談したりした。
通称イオン労連は、
イオングループ企業内の労働組合の連合体。
1980年10月に誕生した。
現在、46組合が加盟している。
上部団体のUAゼンセンには、
イオン労連として一括加盟している。
組合員は30万人。
単組として日本で三番目の規模である。
一番は日本郵政グループ労働組合、
二番はNTT労働組合。
どちらも1946年には、
当時の逓信省所属の公務員の組合だった。
だから純然たる民間労働組合では、
イオン労連が最大ということになる。
そのイオン労連は、
2022年5月に、
「グループ労使協議会」をスタートさせた。
新たな労使関係を構築した。
その成果が今年2月1日に発表された。
パートタイマー従業員約40万人の時給を、
平均7%引き上げた。
正社員も5~6%のアップ。
総人件費は350億円も上昇する。
これは労働組合の成果であるとともに、
岡田元也会長、吉田昭夫社長ら経営者の成果でもある。
私はそう思う。
結果として、
労使ともに生産性の向上がテーマとなる。
エンプロイー・サティスファクションと、
カスタマー・サティスファクション。
従業員満足と顧客満足。
それを両立させねばならない。
そのためならば、
どんなところでもお手伝いする。
アメリカで言い続けたことを、
日本でも主張し続ける。
そこんとこ、よろしく。
〈結城義晴〉