ゼレンスキーの「平和は今日、さらに近づく」
「平和は今日、さらに近づく」
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領。
フランス空軍の政府首脳専用機で、
サウジアラビアから日本に到着。
エアバスA330-200型。
アラブ連盟の首脳会議に出席したあと、
5月19日、極秘にフランス機に乗り込んだ。
日本到着後、広島市内へ向かうBMWの中で、
ツイッターでつぶやいた。
日本到着後の第一声。
ウクライナの平和への一歩に、
日本で行われているサミットが貢献する。
G7広島サミットが終了して、
岸田文雄総理が議長国記者会見を行った。
そのスピーチから。
「今日こうして、人類の生存を信じ、
平和を希求し、広島に集う、
各国のリーダーたち、世界のメディア、
明日を担う若者や子供たち、
そして先の大戦を知る皆さん、
我々は皆、”広島の市民”です」
「世界80億の民が全員、
そうして”広島の市民”となった時、
この地球上から、
核兵器はなくなるでしょう。
私はそれを信じています」
この「広島の市民」という表現は、
とてもよかった。
「長崎の市民」でもあってほしい。
「夢想と理想は違います。
理想には手が届くのです。
我々の子供たち、孫たち、子孫たちが、
核兵器のない地球に暮らす理想に向かって、
ここ広島から、今日から、
一人一人が広島の市民として、一歩一歩、
現実的な歩みを進めていきましょう」
そう、一人一人、一歩一歩。
「1945年8月6日午前8時15分。
77年と9カ月の月日を経て、
我々G7の首脳はこの地に集いました」
「時を隔てた広島の声と祈りを
我々は今、共に聴いています。
力による現状変更のための核兵器による威嚇
ましてやその使用はあってはなりません」
「”核兵器を使わない、核兵器で脅さない”
人類の生存に関わるこの根源的な命題を、
我々は今こそ問わなければなりません」
核兵器を使わない。
核兵器で脅さない。
そのとおり、まさに正論。
しかし正論は言葉で終わることが多い。
2021年1月22日、
核兵器禁止条約が発効した。
核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する、
初の国際法規である。
世界の50カ国・地域が批准した。
しかしアメリカ、イギリス、フランス、
そして中国、ロシアの国連常任理事国、
そして核保有五大国は参加していない。
日本も韓国も、
アメリカの核の傘の下にあるという理由で、
参加していない。
中国や北朝鮮との緊張関係は増しているから、
当面、参加することは考えられない。
しかし、
核兵器を使わない。
核兵器で脅さない。
この岸田発言は、
核兵器禁止条約への一歩となる。
それは夢想ではない。
理想には手が届くのだから。
口先だけのものとしてはいけない。
ビジョンで終わらせてはいけない。
行動が伴わなければならない。
それが東京・渋谷生れながら、
広島出身の家系で、
広島を選挙区とする岸田文雄の責務だ。
平和は今日、さらに近づいたのだから。
〈結城義晴〉
追伸。
小売業は平和産業です。
岡田卓也さんのコンセプトに、
私も同感するものです。
核兵器とは正反対のところに位置する。
だから私たちは、
核と平和に敏感でなければならないと思います。