月刊商人舎6月号の「2023日本小売業ランキング」
月刊商人舎6月号。
刷り上がってきました。
何度、体験しても、
この瞬間は、いいもんです。
1977年5月1日に最初の体験をして、
私は雑誌編集の仕事に、
とり憑かれてしまいました。
それから46年が過ぎました。
㈱商業界の専務と社長の時代、
それから商人舎をつくって、
コーネル大学ジャパン副学長の時代と、
立教大学大学院特任教授の時代は、
直接の雑誌編集からは離れていました。
合わせるとざっと10年。
だから実質的に36年間は、
毎月毎月、雑誌をつくって、
この刷り上がった瞬間を体験しました。
最初のころは凸版印刷で、
活字が誌面に凸凹していました。
本文は凸版印刷、
写真ページはグラビア印刷とオフセット印刷。
それから10年くらいして、
すべてがオフセットになりました。
今ももちろんオフセット。
それでも刷り上がったばかりの雑誌の、
インクの匂いは何とも言えず素晴らしい。
インターネットのブログの場合にも、
webページが完成して公開する瞬間があります。
それとは全く違います。
かならず大きな「感動」が伴います。
目次と巻頭Message。
このメッセージのスタイルも、
結城義晴独自のものです。
今月号は、
[決算特集]
2023日本小売業ランキング
ポストコロナ時代の「業態」それぞれの理由
[Cover Message]
2023年2月期3月期決算を中心に、それ以外の決算期の企業を含めて、年商1000億円以上の小売企業を営業収益や売上高の順に並べてみる。88社がこのランキングに入ってくる。連結子会社を加えると、119社が並ぶ。全国を網羅することができる。そしてこのランキングを業態ごとに見直す。すると、業態の栄枯盛衰とその理由が見えてくる。経営統合が激増した。企業数が減って、1社当たりの売上高が増えた。コロナによってそれが加速した。そしてアメリカに近くなった。ただしアメリカと比べると、日本の特殊性が浮かび上がる。なぜ、コンビニが異常に発達しているのか。なぜスーパーマーケットがこんなに多様なのか。なぜ家電チェーンが上位に並んでいるのか。なぜセブン&アイは百貨店と総合スーパーを切り離せと迫られているのか。ポストコロナ時代の小売業態の理由が見えてくる。
すごく良いデザインです。
気に入っています。
雑誌を購読している人たち、
表紙も味わってください。
ちょっと持ち歩いても、
かっこいい雑誌でありたいと思っています。
[Message of June]
決算、決算、また決算。
毎日毎日、仕入れ仕入れ。
毎日毎日、配送配送。
毎日毎日、販売販売。
それが私の仕事です。
毎日毎日、商売商売。
毎日毎日、勘定勘定。
毎日毎日、店に立つ。
それが私の役目です。
1週間が行きました。
1カ月まで過ぎました。
13週が終わりました。
そして1年、幕を閉ず。
決算、決算、また決算。
決算、決算、楽しいな。
それが私の仕事です。
それが私の役目です。
それが私の成果です。
それが私の命です。
毎日毎日、商売商売。
毎日毎日、勘定勘定。
毎日毎日、店に立つ。
それが私の役目です。
決算、決算、また決算。
決算、決算、ご苦労さん。
それが私の仕事です。
それが私の役目です。
それが私の成果です。
それが私の命です。
(2023年決算に寄せて)〈結城義晴〉
決算を楽しめるくらいになってください。
子供のころにも、
成績のいい子はたいてい、
成績表を貰うのを楽しみにしていた。
それです。
今年度のビッグ10。
⑴セブン&アイホールディングス11兆8113億円
⑵イオン9兆1168億円
⑶アマゾン・ジャパン3兆1715億円
⑷ファーストリテイリング2兆3011億円
⑸パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス1兆9200億円
⑹ヤマダホールディングス1兆6006億円
⑺ローソン1兆4億円
⑻J.フロントリテイリング9988億円
⑼ツルハホールディングス9688億円
⑽マツキヨ&ココカラカンパニー9512億円
10位までを業態別に分けると、
一番多いのがドラッグストアの3社。
イオンの子会社ウエルシアホールディングス、
ツルハホールディングス、
マツキヨ&ココカラカンパニー。
いずれも1兆円、あるいはそれに手が届く。
コンビニエンスストアが2社。
セブン-イレブンとローソン。
総合スーパーは3社。
イオンの子会社のイオンリテールとPPIH、
それからセブン&アイの子会社のイトーヨーカ堂。
アパレル専門店のファーストリテイリング、
家電チェーンのヤマダホールディングス、
百貨店のJ.フロントリテイリング、
eコマースのアマゾン・ジャパンが、
1社ずつランクイン。
ビッグ10はすべて、
9000億円以上のチェーンとなりました。
もうすぐ1兆円となる。
日本最大の業態はスーパーマーケットですが、
ビッグ10企業に含まれるのが、
イオン傘下の全国のマックスバリュなど。
総売上高は2兆6421億円で日本最大。
セブン&アイにも、
ヨークベニマルやヨークが、
7198億円で上位に入ってきます。
2023営業収益伸び率ランキング。
⑴フジ144.6%
⑵ロピア37.7%
⑶セブン&アイ35.0%
⑷マツキヨ&ココカラ&カンパニー30.3%
⑸ワールド25.0%
いずれも経営統合の成果。
ワールドはコロナ禍からの急回復が理由。
それでも今回の2142億円の営業収益は
2020年3月期の2363億円までの回復には至っていない。
ほかにも面白いランキングを取り上げました。
それから業態ごとの特長と、
その「理由」。
商人舎6月号、
楽しんでください。
新入社員や他業界からの転職組にも、
よくわかる小売産業ダイジェストになっています。
〈結城義晴〉