結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年06月16日(金曜日)

伊藤園陳列審査の「価格より企画」とヨーカ堂&ヨークの「合併」

伊藤園陳列コンテスト最終審査会。

食品飲料業界で最大最長の、
商品プレゼンテーションコンテスト。

東京・清水橋の伊藤園本社。IMG_54433

地下1階の会議室に、
審査委員が参集した。IMG_54453

事務局からの説明のあと、
本庄周介副社長が、
とくに今回の趣旨を解説してくれた。IMG_54473

早速、店舗賞の選考。
審査員が各自で優秀な作品を選ぶ。IMG_54503

その集計をして、
票が集まった作品が優秀賞や大賞を獲得する。
票が拮抗すると、
審査員のディスカッションで決める。IMG_54553

決定しました。IMG_54583

第1弾と第2弾に、
それぞれ3つずつのコースがある。

その優秀賞と大賞が決まると、
次に企業賞の資料が配られて、検討に入る。
IMG_54613
企業賞も決定。

賞金も業界最大級。
歴史と伝統も最長。

それにふさわしい企業が選ばれた。

選考が終わると、
審査委員が全員、
総評を述べる。

まずは私から。
コロナ禍明けということもあって、
今回はとくにすぐれた作品が多かった。

講評の中で印象的だったのは、
本庄周介副社長と神谷茂専務の言葉。
「価格より企画」

プレゼンテーションの企画そのものが、
問われているし、
その出来栄えが顧客から評価される。

その意味でもとてもいい陳列コンテストだった。
IMG_54623

審査のすべてが終わると、
掲載雑誌用の写真撮影。IMG_54643
右から神谷専務、本庄周介副社長、本庄大介社長。

そして恒例のブログ用の写真撮影。
スタッフも全員が並んで写る。IMG_547033

とくに本庄大介社長とツーショット。IMG_E54743

そのあとは江島祥仁最高顧問の部屋へ。
これも恒例となっている。

抹茶をいただきながら、懇談。IMG_54763
流通業界のことやアメリカのことなど、
1時間以上も話し合った。

いつも帰りがたくなる。
それくらいくつろいでしまう。

江島さん、ありがとうございました。
〈前列左が江島さん、右が大介さん〉
IMG_54793

さて商人舎流通スーパーニュース。
セブン&アイnews|
イトーヨーカ堂がヨークを吸収合併/首都圏SST事業再編

セブン&アイ・ホールディングスが、
連結子会社の㈱イトーヨーカ堂と㈱ヨークを合併する。

イトーヨーカ堂が存続会社、
ヨークが消滅会社。

合併効力は9月1日からだが、
これによって、
1975年に発足したヨークマートがなくなる。

1号店は1976年の勝田台店。

私は翌1977年に商業界に入社した。
1年先輩の高濱則行さんが、
販売革新誌に勝田台店の商品構成を、
全調査して克明に公開した。

それは約1000坪のイトーヨーカ堂の食品売場を、
450坪に縮小した店だった。

いわばイトーヨーカ堂の完コピ縮小版が、
ヨークマートだった。

それでも業界からは、
絶賛の声が相次いだ。

しかし、品ぞろえは豊富だが、
ひどく商品管理が難しく、
なおかつ買いにくい店だった。

フェーシングが細かすぎたからだ。

当時の段階ではスーパーマーケットは、
「GMS」の食品売場の縮小版でよいという考えだった。

その後、ヨークマートは試行錯誤を繰り返して、
スーパーマーケットを追求する。

それでもどういうわけか、
鳴かず飛ばずで推移し、
2020年6月に㈱ヨークとなる。

㈱フォーキャストを吸収し、
ザ・プライスを糾合し、
一部の食品館イトーヨーカドーを譲受した。

結局、寄せ集めとなって、
さらにいまイトーヨーカ堂と合併する。

1972年にスタートしたコンビニは、
セブン-イレブンとして、
イトーヨーカ堂とな異なる品揃えを果たして、
むしろそれが主力業態となった。

中途半端なヨークマートが、
イトーヨーカ堂に伝染したかのような現象の末、
経営統合されてしまう。

シナジー効果と運営効率の最大化と称しているが、
異なるコンセプトの店の寄せ集めである。

もうひとつ、
イトーヨーカ堂のネットスーパー事業は、
新設した倉庫型通販型小売会社に移管される。
そして連結から外される。

セブン&アイは、
2025年にEBIDTA550億円を、
株主に公約している。

ネットスーパー事業は、
それに足かせとなるからだ。

EBIDTAは「金利・税金・償却前利益」で、
フリルのない純利益のことだが、
その目標達成が至上課題である。

イオンの「グリーン・ビーンズ」とは、
ずいぶん異なる観点である。

2023年2月期は、
イトーヨーカ堂が営業収益7293億円、
営業利益4億円、経常利益10億8700万円。
ヨークは営業収益1825億円、
営業損失3億9600万円、経常損失3億5600万円、
純損失23億6400万円。

合わせると営業収益は9118億円だが、
営業利益は1200万円、
経常利益は7億3100万円。
純損失は175億6700万円となる。

前途多難の新生イトーヨーカ堂である。

首都圏のスーパーマーケットチェーンとして、
ヤオコーやオーケー、サミットやロピアと、
どう戦っていくのだろう。

大前提は現場の士気が上がることだ。
私はまだまだそう考えていて、
それにはわずかに望みをかけている。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 合併は、
    弱いものが最期に考えつく
    グッドアイデアですね。
    合併後、
    世界企業になった会社を、
    わたしは知りません。

    価格より企画

    企画より、
    味ですね。

    今、
    伊藤園さんのタリーズ・ブラックコーヒーを飲んでいますが、
    美味しいです。

    今朝、
    コンビニで買ったのですが、
    陳列も普通でした。
    値段は他の缶コーヒーより高かったですが、
    やっぱり、
    自分は、
    この缶コーヒーを買っちゃいます。

    ただ
    保守的なので、
    炭酸入りの缶コーヒーには、
    手が伸びません。

    保守的だから
    自分も、
    きっと
    滅びるジャンルの人間です。(笑)

  • 小売りラブ♪さん
    ありがとうございます。

    いろいろ考えるのはいいことです。
    ニヒリズムも悪くはない。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.