伊藤園陳列審査の「価格より企画」とヨーカ堂&ヨークの「合併」
伊藤園陳列コンテスト最終審査会。
食品飲料業界で最大最長の、
商品プレゼンテーションコンテスト。
東京・清水橋の伊藤園本社。
地下1階の会議室に、
審査委員が参集した。
事務局からの説明のあと、
本庄周介副社長が、
とくに今回の趣旨を解説してくれた。
早速、店舗賞の選考。
審査員が各自で優秀な作品を選ぶ。
その集計をして、
票が集まった作品が優秀賞や大賞を獲得する。
票が拮抗すると、
審査員のディスカッションで決める。
決定しました。
第1弾と第2弾に、
それぞれ3つずつのコースがある。
その優秀賞と大賞が決まると、
次に企業賞の資料が配られて、検討に入る。
企業賞も決定。
賞金も業界最大級。
歴史と伝統も最長。
それにふさわしい企業が選ばれた。
選考が終わると、
審査委員が全員、
総評を述べる。
まずは私から。
コロナ禍明けということもあって、
今回はとくにすぐれた作品が多かった。
講評の中で印象的だったのは、
本庄周介副社長と神谷茂専務の言葉。
「価格より企画」
プレゼンテーションの企画そのものが、
問われているし、
その出来栄えが顧客から評価される。
その意味でもとてもいい陳列コンテストだった。
審査のすべてが終わると、
掲載雑誌用の写真撮影。
右から神谷専務、本庄周介副社長、本庄大介社長。
そして恒例のブログ用の写真撮影。
スタッフも全員が並んで写る。
とくに本庄大介社長とツーショット。
そのあとは江島祥仁最高顧問の部屋へ。
これも恒例となっている。
抹茶をいただきながら、懇談。
流通業界のことやアメリカのことなど、
1時間以上も話し合った。
いつも帰りがたくなる。
それくらいくつろいでしまう。
江島さん、ありがとうございました。
〈前列左が江島さん、右が大介さん〉
さて商人舎流通スーパーニュース。
セブン&アイnews|
イトーヨーカ堂がヨークを吸収合併/首都圏SST事業再編
セブン&アイ・ホールディングスが、
連結子会社の㈱イトーヨーカ堂と㈱ヨークを合併する。
イトーヨーカ堂が存続会社、
ヨークが消滅会社。
合併効力は9月1日からだが、
これによって、
1975年に発足したヨークマートがなくなる。
1号店は1976年の勝田台店。
私は翌1977年に商業界に入社した。
1年先輩の高濱則行さんが、
販売革新誌に勝田台店の商品構成を、
全調査して克明に公開した。
それは約1000坪のイトーヨーカ堂の食品売場を、
450坪に縮小した店だった。
いわばイトーヨーカ堂の完コピ縮小版が、
ヨークマートだった。
それでも業界からは、
絶賛の声が相次いだ。
しかし、品ぞろえは豊富だが、
ひどく商品管理が難しく、
なおかつ買いにくい店だった。
フェーシングが細かすぎたからだ。
当時の段階ではスーパーマーケットは、
「GMS」の食品売場の縮小版でよいという考えだった。
その後、ヨークマートは試行錯誤を繰り返して、
スーパーマーケットを追求する。
それでもどういうわけか、
鳴かず飛ばずで推移し、
2020年6月に㈱ヨークとなる。
㈱フォーキャストを吸収し、
ザ・プライスを糾合し、
一部の食品館イトーヨーカドーを譲受した。
結局、寄せ集めとなって、
さらにいまイトーヨーカ堂と合併する。
1972年にスタートしたコンビニは、
セブン-イレブンとして、
イトーヨーカ堂とな異なる品揃えを果たして、
むしろそれが主力業態となった。
中途半端なヨークマートが、
イトーヨーカ堂に伝染したかのような現象の末、
経営統合されてしまう。
シナジー効果と運営効率の最大化と称しているが、
異なるコンセプトの店の寄せ集めである。
もうひとつ、
イトーヨーカ堂のネットスーパー事業は、
新設した倉庫型通販型小売会社に移管される。
そして連結から外される。
セブン&アイは、
2025年にEBIDTA550億円を、
株主に公約している。
ネットスーパー事業は、
それに足かせとなるからだ。
EBIDTAは「金利・税金・償却前利益」で、
フリルのない純利益のことだが、
その目標達成が至上課題である。
イオンの「グリーン・ビーンズ」とは、
ずいぶん異なる観点である。
2023年2月期は、
イトーヨーカ堂が営業収益7293億円、
営業利益4億円、経常利益10億8700万円。
ヨークは営業収益1825億円、
営業損失3億9600万円、経常損失3億5600万円、
純損失23億6400万円。
合わせると営業収益は9118億円だが、
営業利益は1200万円、
経常利益は7億3100万円。
純損失は175億6700万円となる。
前途多難の新生イトーヨーカ堂である。
首都圏のスーパーマーケットチェーンとして、
ヤオコーやオーケー、サミットやロピアと、
どう戦っていくのだろう。
大前提は現場の士気が上がることだ。
私はまだまだそう考えていて、
それにはわずかに望みをかけている。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
合併は、
弱いものが最期に考えつく
グッドアイデアですね。
合併後、
世界企業になった会社を、
わたしは知りません。
価格より企画
企画より、
味ですね。
今、
伊藤園さんのタリーズ・ブラックコーヒーを飲んでいますが、
美味しいです。
今朝、
コンビニで買ったのですが、
陳列も普通でした。
値段は他の缶コーヒーより高かったですが、
やっぱり、
自分は、
この缶コーヒーを買っちゃいます。
ただ
保守的なので、
炭酸入りの缶コーヒーには、
手が伸びません。
保守的だから
自分も、
きっと
滅びるジャンルの人間です。(笑)
小売りラブ♪さん
ありがとうございます。
いろいろ考えるのはいいことです。
ニヒリズムも悪くはない。