お勧めします!! 「15分から20分の午睡」
今日は午後出社。
原稿執筆もゲラ校正も、
仕事そのものは、
机の前に座ってやる。
座っているだけだが、
結構、体力を消耗する。
頭と目はフル回転している。
そこで極度に疲労する。
帰宅したのが午後11時過ぎだったが、
気持ちが高ぶっているから、
すぐには眠れない。
それでも昨夜から今朝にかけて、
実によく寝た。
目いっぱい働いて、
ぐっすり眠る。
それが何よりだ。
昨日の東京新聞「筆洗」
ナポレオンは1日3時間しか寝なかった。
これについてはコラム子は、
「少々疑っている」らしいが、
「同じ睡眠に関するフランスのことわざの方は
信じることにしている」
“La nuit porte conseil”
“La nuit”は「夜」。
”porte”は「運ぶ、持ってくる」。
“conseil”は「忠告、アドバイス」。
訳せば「夜はアドバイスを運ぶ」
「問題や困難な状況にぶつかっても
あれこれ悩まず、寝てしまおう。
よい知恵も出てくるかも―」
フランス人らしくて、
これは、正しい。
ただしテーマももたず、
なんにも悩まず、
なんにも考えずに、
ただ、ストンと寝てしまったら、
夜が明けてもよい知恵は出ない。
何かの問題に対して、
悩みに悩んで、
考えに考えて、
安易に結論を出さずに、
そのうえで眠りにつく。
すると寝ている間に、
「エージング」が起こって、
考えが発酵する。
それが良い知恵になる。
山陽新聞の「滴一滴」
「昼寝を意味する”三尺寝”は夏の季語だ」
「さんじゃくね」と読む。
大工や職人が三尺ほどの狭い場所で寝るから。
日陰が三尺ほど動く間だけ眠るから。
謂れはさまざまだ。
三尺は約90センチ。
入口の柱の蔭や三尺寝
〈松瀬青々〉
「暑い夏の夜は寝苦しく体力も落ちる。
だから日中、しばしの眠りで
元気を回復する。
昼寝は健康づくりの一助だろう」
ナポレオンも夜寝るのは3時間だが、
暇を見つけては日中にちょくちょく、
短い睡眠をとっていたそうだ。
そんな昼寝に新たな効用が見つかった。
「毎日昼寝をする習慣のある人は、
加齢に伴う脳の萎縮ペースが遅い」
英国の研究者らによる調査だ。
2006~2010年に、
40~69歳の健康情報を集めた。
3万5000人のサンプルを分析。
昼寝をするグループは、
昼ねしないグループに比べて、
脳の体積の減り方が遅くなっていた。
2.5年から6.5年分だという。
「昼寝は脳の健康を維持する鍵となる」
アメリカのグーグル本社には、
仮眠室がある。
ファーストリテイリングにも、
たしかそんな施設があった。
日本の企業でも近年、
職場での昼寝を推奨する動きがある。
小売業やサービス業の未来の店舗にも、
そんなスペースが設けられるだろう。
コラムは注意を促す。
「能率アップなどに役立つとはいえ、
気を付けたいのは、時間。
長すぎれば目覚めが悪くなる」
私も原稿書きの際には、
自分のチェア—に座ったまま、
ちょっとだけウトウトと眠る。
ランチのあとなど。
厚生労働省も睡眠指針を出して、
勤労世代にお勧めしている。
「午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝」
私も代表取締役として、
㈱商人舎のみんなには、
これをお勧めしよう。
社長が率先してそれをやる!
みんなも、どうぞ。
しかし。
愕然として昼寝覚めたる一人かな
〈河東碧梧桐〉
つい長寝をしてしまい、
目覚めれば自分一人――。
ある、ある。
コラムは余計な注意をして終わる。
「そうならぬよう、
適度な昼寝を是としたい」
15分から20分の午睡。
この間にも、
考えの熟成と発酵が起こるかもしれない。
お勧めします。
商人舎のみんな!!
〈結城義晴〉