2023年度の食品値上げとニチリウバイヤーセミナーの「決断」
帝国データバンクは毎月、
値上げの調査をして発表している。
その7月度の主要食品メーカー195社の調査。
2023年に値上げする品目数は、
3万品目を超えた。
22年は年間トータルで2万5768品目だった。
それが7月段階で前年の総数を上回った。
原材料価格の高騰による影響は、
一部で落ち着きつつある。
しかしその半面、
電気代や人件費、物流費の負担は増している。
したがって残念ながら値上げペースは、
「引き続き高水準で推移」している。
物価上昇に伴って、
家計の食費支出は「勢い」を欠いている。
値上げ後に店頭での売れ行きが、
伸び悩む商品も出ている。
当然のことだ。
ここでそれぞれのアイテム、それぞれのメーカーの、
真価が問われる。
変な表現だが、
「値上げに対する消費者マインドは
寛容さを失いつつある」
消費者の「値上げ疲れ」と「生活防衛」志向である。
そこでメーカー側は、
コストアップ分の価格転嫁を、
躊躇するケースが出ている。
価格据え置きや値下げも、
累計1000品目に迫っている。
値上げの様相は昨年と異なっている。
帝国データバンクの予想。
2023年の食品値上げは、
22年に比べて高水準を保ちながらも、
10月をピークに一旦は沈静化する見通し。
年間累計は3万5000品目前後。
こんな時こそ、
1品1品に対するバイヤーの判断が、
重要になる。
このときこそ、
何らかの施策を講じなければならない。
昨日から大阪。
大阪クライトンホテルで、
1泊2日の缶詰型研修会。
全国の加盟企業から43名が参加。
バイヤーのために、
52週MDの考え方と具体的なアプローチ法、
重点商品設定とその売り方などを、
わかりやすく解説。
最後はストアコンパリゾン講義。
バイヤーはマーケッター。
マーケティングのために、
競合店調査やベンチマーキングは、
必須の技術になる。
鈴木先生の講義は、
朝9時半から12時半までの3時間。
受講したバイヤーたちにとって、
貴重な講義だった。
鈴木先生には、
9・12(火)
商人舎15周年記念セミナーで、
講演をしていただく。
皆さんにも、ご参加をお願いします。
講義が終わると昼食。
酒井幸男さんを交えて、
3人で情報交換。
酒井さんは総務管理部部長。
鈴木さん、ありがとうございました。
お題は「営業利益を上げる3つの施策」
9グループに分かれて、
現状の課題を整理しながら、
商品部の立場、バイヤーの立場に立って、
具体的な施策をまとめ上げる。
活発な議論が続く。
私は会場を回りながら、
ときにアドバイスする。
互いに情報交換し、
意見をぶつけ合って、
結論を導く。
これがこの研修の狙いの一つだ。
そしてグループ発表。
真っ先に手を挙げて発表するのは、
Eグループ。
1つのグループの発表と質疑応答が終わると、
私が発表内容を整理し、総括する。
これを9グループで行う。
発表は具体性が必要だ。
具体的な行動に結びつかなければならない。
最後は結城義晴のまとめ。
商売は面白い。
失敗もすぐに挽回できる。
だから、
ポスト・コロナ時代の決断とは
「不確実な成果」に対して、
目隠しで一歩、踏み込む
心の在り方である。
昨日は6時間の講義、
今日は2時間半の
グループディスカッションと発表、
そのコーディネートと指導。
充実しつつも、疲労困憊。
しかし参加バイヤーたちの顔つきを見ていて、
私もちょっと安心した。
大いに期待しよう。
頑張れ。
成果を出せ。
恐れずに決断せよ。
テキストのEpilogue。
ピーター・ドラッカーの言葉。
「マーケティングの理想は、
販売を不要にすることである」
「マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、
製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるように
することである」
〈結城義晴〉