猛暑最高記録日の「Beisia Foods Park」と「ベルクのクルベ」
日本列島は猛暑に襲われた。
夏の太平洋高気圧が勢力を強めたためだ。
全国224の地点で、
35℃以上の猛暑日となった。
30℃以上の真夏日は806地点。
いずれも今年最多。
関東・東海は39℃を超える都市が続出。
全国で一番暑かったのが、
埼玉県鳩山町、39.7℃。
今年の全国最高気温タイ。
次が群馬県伊勢崎市の39.4℃。
三番目が愛知県豊田市の39.2℃。
体温をはるかに超えて、
危険な状態だ。
最高気温は名古屋市は38.2℃、
東京都心も37.7℃。
その暑さの中、
商人舎は二手に分かれて動いた。
私は新幹線で西へ。
山本恭広編集長は、
わざわざ一番暑い北関東へ。
東海道新幹線からは、
丹沢山系がくっきりと見えた。
富士山も今日は頂まで顔を出した。
今、富士登山の最盛期。
八合目以上からは、
雲海が美しく見えているに違いない。
平富郎さんと登ったのは、
2009年だった。
平富郎&結城義晴・富士登山記。
3日間の連載ブログとなった。
あれから14年。
私は今、登れるだろうか。
そんなことを考えて、
富士を見ていた。
東海地方の積乱雲。
すぐに新大阪について、
特急「くろしお」に乗り込む。
JR西日本が京都駅から新宮駅までを結ぶ。
新大阪駅・大阪駅から和歌山駅・白浜駅などを経由する。
1時間で和歌山に到着。
大阪よりも少し湿気が強いか。
徳川御三家の一つ紀州徳川家の居城。
標高48.9mの虎伏山(とらふすやま)に築造され、
北部を紀の川が流れる。
これが天然の堀となっている。
本丸の北側に二の丸、
その外に大きく三の丸が配される。
「梯郭(ていかく)式平山城」と呼ばれる。
本丸が梯子の頂上のように、
一番奥にある形の城だ。
暑かったけれど、
ずっと車中で快適な旅だった。
一方、山本編集長は高崎に。
ベイシア榛名店が7月7日に改装オープン。
1995年に開業したスーパーマーケット。
それが「Beisia Foods Park」となった。
Foods Parkはベイシアの新フォーマットだ。
昨年11月に1号店が出店した。
栃木県の大田原店。
これはスクラップ&ビルド。
榛名店はその最新モデルである。
改装のポイントは3つある。
第1は売場面積の適正化。
ベイシアは現在、4つのタイプの店を展開する。
第1が衣食住フルライン型のスーパーセンター。
5000㎡から1万㎡。
第2が大型の食品売場を持つフードセンター。
売場面積は4000㎡から5000㎡。
食品売場はスーパーセンターとほぼ同規模で、
どちらも食品だけで3000㎡を超える。
第3がスーパーマーケットで、
売場面積2000㎡から3000㎡。
古い店が多い。
そして第4が小型店のベイシアマート。
500㎡から800㎡。
Foods Parkは、
第3のスーパーマーケットの、
新タイプである。
ショートタイムショッピングを実現させつつ、
作業動線を短縮させる。
Foods Parkの第2のポイントは、
若い客層の取り込みを狙った点だ。
周辺は顧客の高齢化が進む。
高齢化に対応しつつ、
若い客層のニーズに対応した売場をつくる。
トレードオフを進めてきたベイシアが、
トレードオンにスイッチする。
3点目が外部とのコラボレーションだ。
これは月刊商人舎8月号で解説する。
取材後、高崎周辺を回る。
高崎駅から約3km。
幹線道路を車で走ると、
グランドオープンのお知らせ。
店名は「CLBE(クルベ)」
「ベルク」の「クルベ」。
逆さ読みの「人を喰ったネーミング」
赤のベルク、青のクルベ。
CIも対極を表現する。
しかしこれぞ、
同じ業態の異なるフォーマット。
バナーがそれを意味している。
さらに同じ幹線道路の200m先には、
ヤオコー高崎高関店。
こちらはネイバーフッドショッピングセンター。
平面駐車場を囲むように、
ドラッグストアや100円ショップが出店。
現時点の店揃えと使い勝手は、
ヤオコーに分がある。
それに対抗すべく、
ベルクはクルベにフォーマット転換。
営業時間は旧店の9:00~0:00を、
10:00~20:00に短縮する。
明らかにローコストオペレーションを志向する。
これはトレード・オフである。
しかし「究極売価満載」。
売場ではトレード・オンが展開される。
ヤオコーのフーコットとは、
また違ったポジショニングを狙う。
面白い。
月刊商人舎9月号で、
スタディしよう。
それにしても、
ベルクのクルベ。
行くべ!
来るべ!!
群馬弁か埼玉弁か。
誰が思いついたんだろう。
社長の原島一誠さんだろうか。
このネーミングの意味は、
Challenging the Limits of Belc。
その頭文字をとってCLBE。
故原島功さんは、
喜んでいると思う。
暑さを吹き飛ばすネーミングだ。
〈結城義晴〉